年間入居率99%達成!空室の早期解消を実現するIT技術の活用と専門チームの設立
2019/11/14
賃貸住宅大手のレオパレスの入居率が、10月末時点で80%を切ったと報じられました。
不動産賃貸業において、入居率を維持することは最も重要な仕事です。
入居率の悪化は多くの空室が発生し、長期化していることですから、オーナー様にとっては一大事となります。
当社は賃貸管理会社として30年、高い入居率を維持するために試行錯誤してきました。
9月末で第29期を終えましたが、この1年間の平均入居率は当社が管理するすべての物件で99.38%、販売した物件に限ると99.61%になります。
これには東京への人口一極集中という外部環境もありますが、空室を早期に解消するために取り組んできた3つの施策が、大きく成果に貢献してくれています。
そこで、今回のコラムでは、この1年間で取り組んできた空室を解消するための取り組みをご紹介します。
ひとつ目は、『仲介会社専用Webサイト』の運用です。
昨年10月に仲介会社向けのWebサイトをリニューアルしました。
主なリニューアルポイントは次の3点です。
1.オンラインによる入居申し込み
2.お申し込みのあった物件の審査状況の進捗確認
3.物件図面のアップロードの時間短縮
リニューアルで目指したのは、事務作業の時間短縮と仲介会社の担当者の利便性向上です。
これまでは紙のファックスでお申込み情報を頂き、基幹システムに入力していました。
これがリニューアルによってファックスによるお申し込みはゼロになり、入力作業の手間が削減。
さらにやり取りも簡便化されたため、より空室情報の発信に注力することできました。
デジタルデータで申込情報を入力される方が大半ですが、一方で、紙の申込書をスキャンしてデータ化されて送る方も一定数おり、そこが悩みの種でした。
そこで、現在取り組んでいる施策が、PDF化された文字情報をデータ化できるOCR(文字認識技術)の試験導入です。
繁忙期までには完全導入する予定で、これにより捻出した時間は、仲介会社への訪問に時間を割き、情報交換などコミュニケーションを重ねて、担当者との関係強化に力を入れていきます。
また、2つ目の取り組みとして、『自動接客チャット』を導入しました。
仲介会社から問い合わせはメールよりも電話が活用されることが多く、大半の会社で夜遅くまで接客していることもあり、電話に出られない時間帯もあります。
そこで、WEBサイト上で、24時間対応可能な質問形式の接客チャットを導入。
例えば、入居申し込みの方法や申し込み後の審査の確認、鍵の受け取りなど、物件ごとの状況についての問い合わせが可能です。
なかでも多い問い合わせは『内見予約』です。
一部の物件を除いて、Webサイト上から内見予約ができます。
ただ、WEB内見予約の方法がわからない、やり方を教えて欲しいという問い合わせもWebリニューアル後によく頂いていました。
日中であれば、対応できるのですが、夜間にもなると電話自体を対応することができません。
その点、チャットを活用してからは利用方法でわからないことがあったとしても、チャット上で問題を解決できるため、夜間であっても迷わず内見の申込ができます。
実際、チャット機能を実装して以来、内見予約をはじめとした問い合わせは減少しています。
基本的な機能に関する問い合わせが減少して、その分、空室解消に費やす時間が増えるという好循環ができています。
さらに、3つ目の取り組みとしては、目的別の専門チームの編成です。
たとえば、賃貸物件が多く競争が激しいエリアについては、そのエリアを重点的にアプローチするチームを編成して、空室の早期解消を図っています。
チームメンバーが、そのエリアの物件を中心で取り扱っている仲介会社の営業会議などに参加させてもらい、当社の空室物件の魅力をプレゼン。
さらに、全担当者と名刺交換するなどして、定期的にコミュニケーションを取っています。
またチームメンバーには、外国人入居者を専任とするスタッフも混ざり、留学生などの対応にも備えています。
その結果、繁忙期が始まる前には、空室が目立っていたエリアも、3月を終えるころには、わずか1室を除いて、すべての部屋で入居者を見つけることができました。
このような取り組みを通じて、当社ではこの一年間の平均入居率が99%以上を維持することができました。
これから迎える繁忙期。
殺到するお問い合わせにはIT技術を活用して、事務作業をさらなる軽減を目指していきます。
そして、削減した時間は空室の解消に注力し、オーナー様に1日でも早く日割り家賃をお届けできるよう空室の早期解消を追求していきたいと思います。
日本財託管理サービス 賃貸営業部 酒井 英雄(さかいひでお)
◆ スタッフプロフィール ◆
東京都品川区出身の40歳。
賃貸営業部にて入居者募集を行っています。
仲介会社様と関係強化のため日々訪問に力を入れています。
私生活では2児の父親です。
今年の夏は家族で大阪のユニバーサルスタジオジャパンに行きました。