48年ぶり規模の実質目減り!資産を現預金で持っているリスクと防衛策

2023/04/13

インフレ時代が到来しています。

先月下旬に発表された消費者物価指数は3.1%の上昇で、
前年同月比での上昇は18カ月連続となりました。

数字で言われるまでもなく、光熱費や日用品の値上がりを
感じない日はありませんよね。

先日ファーストフード店でセットメニューを頼んだら、
簡単に1,000円を超えてしまい、驚いた記憶があります。

物価が上昇するということは、
裏を返せばお金の価値が目減りしているということです。

実際のところ昨年、預貯金の実質的な目減りは、
48年ぶりの大きさとなりました。

30年続いたデフレ下の常識を捨てるべきタイミングが来ているのかもしれません。

そこで今回はあらためてインフレがもたらす資産への影響と
将来の生活を守るための資産防衛策について考えたいと思います。

お伝えしたように、消費者物価指数は18か月連続で上昇しており、
これは同じ期間だけお金の価値が減り続けていることを意味しています。

たとえば、食パンが100円から200円に値上がりした
といった事例で考えてみましょう。

値上がり前後で「美味しく食べられる食パン1斤」
という物の価値はそのままです。

しかし、今までと同じ100円では1斤の食パンは買えません。
半分の大きさ、つまり半分の価値にしか交換できないのです。

これが、お金=1円の価値が相対的に下がったということであり、
「現預金の実質的な目減り」という現象です。

昨年2022年は預貯金の購買力の低下度合いが、
48年ぶりの大きさとなっています。

定期預金の金利から物価上昇率を引いた
預金の実質的な目減り率はマイナス4%ほど。
これはオイルショックがあった1974年以来の低さです。

仮にあなたの資産がすべて現預金であれば、
わずか1年で、何もしていないのに価値が4%も減っているのです。

しかも現在の高齢世帯は、
保有資産に占める現預金の比率が高いので、
余計にインフレに対して弱い家計体質になっています。

頼みの綱の公的年金もインフレには対応しきれません。

マクロ経済スライドという、物価上昇に合わせた年金給付額の上昇に、
ブレーキをかける仕組みがあるからです。

たとえば2023年度の年金額では、
マクロ経済スライドがなければ、68歳以上の給付額は
物価上昇率と連動して2.5%増えるはずが、
0.6%調整された1.9%増に抑えられました。

単年で見ればわずかな差ですが、これが積み重なると、
給付額は物価に対して加速度的に目減りしていくことになります。

このように現預金を持っていることがリスクになりうる状況で、
さらに、公的年金も完全には頼りにできないということを踏まえて、
どのように"資産防衛"をすればよいのでしょうか。

ポイントは二つです。

一つは、現預金をなるべく早く資産に換えることです。

特にインフレに強いと言われる不動産や金(ゴールド)といった
実物資産に換えることが有効な方法と言われます。

インフレでお金の価値が目減りするということは、
相対的に「モノ」の価値が上がることになります。

現金を価値ある実物資産に早く組み換えれば、その分、
年々加速していくお金の価値の目減りに対抗できます。

もう一つのポイントは、
資産から生み出される収入を増やすことです。

インフレに備えるための実物資産と言っても、
何でもよいわけではありません。

将来の生活に備えて資産形成をすることを考えれば、
収益を生み出してくれる実物資産に組み替える必要があります。

そうでなければ資産を守れても、
生活を守れているとは言えません。

その点、金(ゴールド)は収入を生み出しませんが、
不動産であれば家賃という定期的な収入をもたらします。

不動産のなかでも、
賃貸需要が底堅い東京都心の中古マンションであれば、
空室リスクが抑えられ、安定的な家賃収入を得ることができます。

金融商品と違って、お金を使うために、
資産の元本を取り崩す必要がありませんから、
価格変動に一喜一憂することも、売却時期を見極める必要もありません。

また不動産投資の観点では、インフレの進行は、
中長期的には家賃相場の上昇をもたらす傾向があることも、
押さえておくべきでしょう。

適正なインフレによって、賃金が上昇し、
可処分所得が増えれば、その分を次の入居者の入替時に、
家賃として転嫁できる可能性があるからです。

一方で、自分自身の賃金上昇だけで、
長期的な物価上昇へ対応できるかどうかは未知数です。

「21世紀の資本」の著者である経済学者トマ・ピケティ氏が
資本から得られる収益率を「r」、経済成長率を「g」で表した不等式
『r>g』で示したように、
資産運用から得られる富は、働くことによって得られる富よりも、
成長が早いことは歴史的にも明らかです。

経済の行方は予測困難ですが、どちらに転んでも、
実物資産を所有し、資産から得られる収入を増やしておけば、
給与収入だけに頼って未来を迎えるよりは安心です。

いまのうちから現預金から不動産への資産の組み換えを
検討されてはいかがでしょうか。


日本財託 マーケティング部セールスプロモーション課
横尾 幸則(よこおゆきのり)

◆ スタッフプロフィール ◆
埼玉県大宮市出身の35歳。
マーケティング部で、セミナーやHPの運営、メールマガジンの執筆や広報活動を通じて東京・中古・ワンルームの魅力を多くのお客様に伝える。

個人としては今回をもってメールマガジンの担当を離れます。
これまでお読みいただきありがとうございました。
今後も日本財託グループでは資産形成のお役に立つ情報を提供してまいります。

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