2040年労働力不足は1,100万に!将来の労働需給から読み解く東京の賃貸需要
2023/05/18
先日、少子高齢化に関する驚きのデータが厚生労働省より発表されました。
2022年の1年間における出生数は79万9728人で、
1899年の統計開始以来はじめて80万人を割り込んだのです。
日本の未来を担う子供たちの減少は、
これからさまざまな場面で影響を与えていくことになるでしょう。
特に、いまでも問題になっている「人手不足」は、さらに大きな問題になることが予想されます。
リクルートワークス研究所が3月末に発行した『未来予測2040』によると、
2040年までに、日本全国で1,100万人の労働力が不足すると警鐘を鳴らしています。
ただ、2040年になっても唯一、労働力が不足しないエリアがあります。
それが「東京」です。
ではなぜ、東京だけが労働力が不足しないのでしょうか。
今回のコラムでは、東京と他の大都市の将来労働力の需給を明らかにしながら、
東京の将来性についてご紹介したいと思います。
まずは、『未来予測2040』について詳しく見ていきたいと思います。
同レポートによれば、2030年には労働力の不足は340万人を超え、
2040年には1100万人の労働力不足に陥ると予想しています。
1,100万人といえば、現在の近畿地方の就業者が丸ごと消滅するほどのインパクトになります。
15歳以上65歳未満の生産年齢人口が減少することによって
必要な労働力の需要と供給バランスが崩れると、慢性的な労働力の供給不足に直面します。
それをレポート内では『労働供給制約社会』と定義しています。
こうした状況下にあって、唯一東京だけは労働供給の制約がなく、
十分な数の就業者が集まる見込みです。
東京の2030年の労働供給の不足率は『マイナス5.1%』。
供給不足率がマイナスということは、供給が需要を上回っている状況です。
2040年になっても供給不足率は『マイナス8.8%』で、
東京では依然として労働供給の制約がないことがわかります。
一方、東京以外のエリアでは、大阪や愛知、福岡といった大都市でさえも、
将来的な労働力の不足が懸念されています。
例えば、大阪府 では2030年に供給不足率が5.9%となり、
2040年には10.3%にまで増加します。
愛知県では年数が経過するとさらに不足率が加速して、
2030年には不足率が7%だったものが、2040年には26.9%にもなります。
この将来の労働供給の不足は、
若年層の将来人口移動のトレンドにも大きく関連しています。
たとえば、東京では昨年1年間の他の道府県から転入超過数が3万人を超えましたが、
各年代で同じように転入超過しているわけではありません。
転入超過している年代は15歳~29歳の若年層に集中しており、
その数は9万を超えます。
つまり、大学進学や就職を機に多くの若者が上京してきているのです。
2040年になっても東京で労働力の供給不足が起こらないということは、
このトレンドがこの先も続くということを示唆しています。
こうした若者が住む住居がワンルームマンションであり、
東京では将来も安定した賃貸需要を期待することができます。
一方、供給不足が目立つエリアでは、
若者の流入が少なかったり、そもそも若者の数が減少することから、
賃貸需要も先細る懸念があります。
東京では、23区の各地で進められている大規模な再開発に代表されるように、
新たな施設、新たな交通インフラ、そして新たな仕事が続々と生まれています。
最近では働き方も大きく変わり、出勤とリモートワークを組み合わせ、
柔軟な働き方を選べるようにもなりました。
加えて、仕事だけではなく新しいレジャー施設の誕生も、
若者を引き付ける原動力となっています。
例えば、当社がオフィスを構える新宿では、
4月14日に『東急歌舞伎町タワー』が開業となりました。
これは日本人だけでなく、海外から観光客の目玉スポットにもなっています。
東京は職業や働き方の自由度だけでなく、最先端のレジャー施設が多数存在しており、
遊びも楽しめる街として魅力を高め続けています。
2025年に開催される万博や
その先に見据えた日本初の統合型リゾートで盛り上がる大阪でさえ、
将来的な労働人口不足が指摘されているのであれば、
投資エリアの選定にあたっては慎重な判断が必要です。
また、投資エリアだけでなく、投資対象となる物件も
単身の若者世代の誰もが選びやすいワンルームマンションであれば、
将来的にも入居者が見込め、安定した収益を期待することが可能です。
人手不足がいま話題になっていますが、
将来の労働供給の観点からも東京を選んでみてはいかがでしょうか。
日本財託 マーケティング部セールスプロモーション課
村嶋 直樹(むらしまなおき)
◆ スタッフプロフィール ◆
静岡県御殿場市出身の36歳。
マーケティング部セールスプロモーション課でセミナーやHPの運営、
メールマガジンの執筆や広報活動を通じて東京・中古・ワンルームの魅力を
多くのお客様にお伝えすることを使命としています。
1歳の愛猫が若干太り気味に。
なんとか運動してもらおうと、上下運動できるキャットウォークの設置を検討中。