6月観測史上1番の豪雨被害!同時多発する漏水トラブル解決事例

2023/06/15

6月2日の夕方から明け方にかけて、日本各地で記録的な大雨が降りました。

気象庁の発表によれば、この日の全国の降水量は、
6月の観測史上1番を記録しました。

こうした大雨が起きると、翌日には多数の漏水被害の報告が当社に寄せられます。

設備の不具合が原因の漏水被害であれば、その部屋だけの問題に留まりますが、
大雨による漏水被害は各部屋で同時多発的に発生します。

被害状況を見極めて、いつも以上に速やかに対応を行わなければ、
すべての部屋の対応をすることも難しくなります。

万が一、漏水被害の対応が遅れてしまうと、クレームに繋がりますし、
最悪の場合は退去へと繋がってしまう可能性もあります。

そこで、今回のコラムでは、
豪雨によって引き起こされる同時多発的な漏水トラブルの解決事例をお伝えしながら、
オーナー様の大切な資産を守る当社の取り組みをご紹介します。

今回の大雨のように、夜間に漏水が発生した場合、
入居者様からの連絡は24時間365日受付のコールセンターで対応します。

今回、コールセンターに寄せられた漏水被害は実に31件。
通常の大雨が降った際と比較すると、3~4倍程の多さです。

明朝、私たち漏水チームの1日は、
コールセンターに寄せられた被害報告書を確認することから始まります。

「天井の照明から、水が垂れてくる。」
「トイレの換気口から水漏れして、床がビチョビチョだ。」
「リビングの窓枠から、雨が染み出している。」

漏水といっても、天井や壁といった部分的な水漏れから、
居室全体に被害が及んでいるなど、状況は様々です。

報告書に目を通し、重大な被害が発生している部屋から優先的に連絡をしていきます。

この日は、土曜日だったこともあり、
漏水対応ができるスタッフは5名しかいませんでした。

平日よりも少ない人数ですが、速やかな復旧対応を考えれば、
全ての入居者様への連絡は、午前中までに終わらせたいところです。

そこで、どの箇所から漏水が起きているのか、
漏水はいまも続いているのか、それとも治まっているのか。

確認事項を決めて、1件ずつ被害状況をヒアリング。
そのうえで状況にあわせた緊急対応法を決め、協力会社に依頼していきました。

可能な限り1~2時間程度で現場に伺うことができるよう、
入居者様とスケジュール調整を行います。

漏水被害の代表的な一時対応は『養生』です。

天井や窓枠からの漏水なら、ビニールシートで覆い、
床の上に置いたバケツに雨水が流れていくよう、筒状にして徐々に狭めていきます。

また、壁伝いに起きているような漏水では、
そもそも養生はできないので、大量の吸水シートを持参します。

ただ、養生や吸水シートでは、どうにもならない重大な漏水事故については、
私たちも現場に駆けつけて対応することもあります。

代表的な立ち合い事例が、床上浸水です。

「昨夜帰宅したら、床上まで浸水しており、家具も布団も全て水浸しになっているんです。」

入居者のAさんは、仕事中にも関わらず、
電話に出て、詳しく状況を説明してくださいました。

建物の一階部分は、エントランスより少し低い位置にある構造になっています。

そして、Aさんがお住まいになっている101号室の廊下は
くるぶしの高さまで、雨水が溜まっていたのです。

Aさんが帰宅してからの対応では、
その日のうちに緊急対応が終わらない可能性もあります。

Aさん自身も早急な解決を望んでいたので、
不在入室の許可をいただき、現地を訪問することになりました。

じゃばじゃばと音を立てながら、雨水を掻き分けて、
玄関ドアを開けると部屋中が一面泥だらけ。

居室や廊下のいたるところに、大小の水溜まりができていました。

玄関とベランダから侵入した雨水が、
浴室や洗濯機の排水口からも溢れていました。

一時対応ではとてもではありませんが、住める状況まで復旧することはできません。

そこで、まずは近くのホテルを手配して、Aさんの仮住まいを用意します。

そして、復旧工事が完了するまでの2週間、
ホテルにお住まいになっていただくよう、お願いしました。

実はAさんが引っ越して来たのは、わずか3日前のこと。
室内には、たくさんの引っ越し用のダンボールがそのままになっていました。

新生活早々に、住まいと家財を失ったAさんが、
どれほど不安な気持ちであったかは容易に想像できます。

こうしたケースは特に問題が大きくなりがちで、
よりお客様に寄り添った対応が必要になります。

Aさんには、ホテル費用や被害にあった家財は、
加入している家財保険の保険金から賄うことを説明すると、
ひとまずは安心していただけようです。

そして、再び安心して暮らしていけるよう
しっかりサポートしていくことをお約束しました。

あとは、被害状況を建物管理会社に伝えて、
根本的な原因の究明に努めていきます。

ただ、台風や豪雨による漏水の難しいところは、
原因特定が難しく、解決するまで長期化する傾向があることです。

だからこそ、一時対応が終わった後も、
根本的な問題が解決するまで、定期的に建物管理会社に進捗状況を確認し、
入居者様に連絡を入れるよう努めています。

そのために利用しているのが漏水進捗チェック表です。

漏水事故があった物件を一覧表にまとめて、
漏水被害と復旧工事の状況、そして、次にどの様な行動をとるのかを記録して、
手順や連絡に抜け漏れがないよう管理しています。

これから本格的な梅雨を迎えます。

漏水被害にあった方々が少しでも早く日常の生活を取り戻し、
安心して暮らしていけるようスピードとお客様に寄り添った行動を
心がけていきたいと思います。

日本財託管理サービス 管理部管理課
H・Y

◆ スタッフプロフィール ◆

東京都北区出身の25歳

管理部管理課として、設備不具合での修理や交換対応、
漏水事故、火災事故の解決を行っています。

趣味はお酒。生粋のビール党で最近お腹が出てきてる為、
地元のジムに来月から入会しようと検討中。

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