目先の売却益や節税に惑わされない!トラブルを防ぎ、長期安定収入を実現する不動産投資法
2023/07/20
先日、テレビ東京の情報番組で、
マンション投資の勧誘トラブルが特集されていました。
特に、20代の投資用マンションの相談件数がこの10年間で倍増しているとのことです。
番組内では、実際にトラブルにあった地方在住のサラリーマンの事例を紹介。
投資家自身の理解が不足していたことが、根本的な要因であると番組内で指摘されていました。
こうした情報を聞くと、はじめて検討する方にとっては、
『不動産投資は危ないもの』と考えられるかもしれません。
ただ、不動産投資は正しいやり方で行えば、
リスクを抑えながら、堅実に資産を形成していくことが可能な投資手法です。
今回のコラムでは、番組内でも紹介されていた不動産投資のトラブル事例を紐解きながら、
不動産投資で堅実に資産を形成していくための考え方をご紹介します。
番組内で紹介されていたサラリーマンの事例では、フルローンで投資用マンションを購入。
家賃収入からローン返済額や管理費、修繕積立金を差し引いて
毎月3万円の赤字となってしまったとのことでした。
毎月の収支については、営業マンの説明に納得して購入したものの、
購入してすぐに急な設備の交換が発生。
その後も追加の支出が重なり、物件を持ちきれなくなって、
結局、購入価格よりも100万円安く売却。
売却代金では残債を完済することはできずに、
いまもローンを払い続けているとのことです。
このような事態に陥った要因として、
番組内では不動産投資への理解不足が指摘されていました。
具体的には、
「頭金ゼロでのスタート」「借金に対する理解不足」「売却益狙い」の3つです。
年収や勤続年数、住宅ローンの残高など、一定の条件がそろっていれば、
フルローンで投資用マンションを購入することは可能です。
ただ、頭金を入れない場合、ローン返済額や管理費・修繕積立金、管理代行手数料といった
毎月の支出額が家賃収入額を上回り、毎月の収支が赤字になることは珍しくありません。
東京の中古ワンルームマンションでも、フルローンで購入した場合、
毎月数千円の持ち出しが発生することがあります。
その一方で、ローン返済には家賃収入を充当できており、
現金の支出額以上に元本の返済は進んでいます。
つまり、水面下では元本返済が進んだ分、資産が拡大し続けているのです。
ただ、毎月の支出額が収入を上回っていますので、
突発的な修繕費用の発生や空室に備えて資金計画をしっかり立てておくことが必要です。
手元にまったくの余裕資金がないなかで、
フルローンで投資用マンションを購入することはリスクが高くなります。
また、借入金に対する理解不足も不動産投資で失敗する要因になります。
毎月の収支が黒字になっているからといって、
身の丈を超えた過度な借金をしてしまうと、リスクが高くなります。
特に、地方の1棟アパート・マンションでは、
多額のローンを組んで購入しても、毎月十数万円の資金が手元に残るケースもありますが、
空室が長期化したり、金利が上昇してしまうと一気に不動産経営は苦しくなります。
家賃収入が入ってこなくなったとしても、借金の返済は待ってはくれません。
その分の返済はあなた自身が行う必要があるのです。
ローンを利用したとしても、金利上昇リスクに備えるために繰り上げ返済を行うこと。
そして、そのための計画も事前に立てたうえでローンを利用することが大切です。
そして3つ目のポイントは、売却益を目的としないことです。
番組内では、「売却益」を目的とした不動産投資で失敗した事例が紹介されていました。
売却益を目的とするといっても、将来の不動産価格を予想することは非常に困難です。
いつ価格が上がるのか、そして下がるのかを明確に言い当てることはできません。
仮に価格が堅調に推移し、売却後に利益が出たとしても、
その売却資金の新たな投資先があるのかもポイントです。
売却資金を別の不動産に投資するといっても、
他の不動産の価格も上がっているでしょう。
結局、高い価格で不動産を購入することになるはずです。
売却資金の新たな投資先を見つけられず、
ただ銀行口座に寝かせているのであれば、物件を持ち続けていたほうが合理的です。
不動産投資は売却益を目的にするのではなく、
あくまでも長期的安定的に家賃収入を得ることが目的です。
また、「所得税の節税」を目的とした不動産投資にも注意が必要です。
減価償却を活用して所得税を節税するというセールスを目にすることがあります。
たしかに数年は節税メリットを享受できるかもしれませんが、
それは永続的に続くものではありません。
また、不動産の売却時には、これまでの減価償却の累計額が
取得価格から差し引かれて計算されますので、帳簿上の売却益が大きく計上され、
その分だけ譲渡税も多くかかってくることになります。
つまり、保有中に得た節税メリットの一部は売却時に納税することとなり、
丸々節税になっているわけではありません。
売却益や節税といったうまい話、儲かる話に惑わされず、
長期的に安定した収益があげることを目的に不動産投資を行うべきでしょう。
その点、東京の中古ワンルームマンション投資の最大の魅力は
安定した賃貸需要に裏付けられた継続収入にあります。
継続して家賃収入を得られる再現性があり、
長期的に保有してインカムゲインを積み上げることに適した投資対象です。
先日、私が新卒時代に物件をご紹介した方から、
「アーリーリタイアすることができました」と嬉しいご報告をいただきました。
出会ったときは40代で、ある程度資産をお持ちの方でしたが、
8年ほどかけて少しずつ物件を増やし、繰り上げ返済で借入額を減らしたことによって、
早期退職を実現できたのです。
この方のように潤沢な資産がなくとも、
20代で不動産投資をスタートさせ、
40代でFIREを達成したオーナー様もいらっしゃいます。
このように正しい知識のもとに不動産投資を続けていけば、
大きな資産を作ることができるのです。
短期的な利益、目先の節税、売却益に惑わされず、
コツコツ投資を続けていくことが資産形成で成功するための近道です。
日本財託 資産コンサルティング部 I・H
◆ スタッフプロフィール ◆
神奈川県横浜市出身の30歳。
現在、東京23区内に4戸の収益不動産を所有し不動産投資を実践中。
趣味は登山とウイスキー収集。自宅に眠る未開封のウイスキーは60本を超えました。
大好きなウイスキーに酔わされながら、資産形成のプランを練るのが日課です。