セカンドオピニオンで危機回避!施工会社選びで失敗を避けるための注意点

2023/09/14

マンションにとって、資産価値を保ち続けるためには欠かせない「大規模修繕工事」。

定期的に適切な工事を行わなければ、資産価値を長く維持することはできません。
そのため、特に大規模修繕工事の実施時期に管理組合の理事になった方は、
必要な工事をよく理解して、施行会社を選ぶ必要があります。

しかし、工事内容のすべてを理解することは簡単ではありません。
適正な工事内容や費用の相場が分からず、
工事費用の安さだけで施工会社を選んでしまう方も多いでしょう。

工事内容を理解せず、工事費用の安すぎる施工会社に依頼すると、
後々、それがもとでトラブルに発展しかねません。

そこで今回のコラムでは、当社に在籍する一級建築士が
オーナー様の施工会社選びをサポートした事例をご紹介。
施工会社選びで失敗しないために抑えておくべき注意点をお伝えします。

「大規模修繕工事の見積書をチェックしてほしい」

当社が管理する一棟物件オーナーのAさんよりご連絡がありました。

物件は築34年で、前回の大規模修繕工事から15年が経過。
かねてから当社に工事の相談をされていました。

Aさんは当社を含めて、3社に相見積もりを取った結果、
圧倒的に安い工事費を提示するB社に大規模修繕工事を依頼しようと
考えていたようです。

しかし、その安すぎる見積もりに不安を覚え、
セカンドオピニオンとして当社に見積書のチェックを依頼されたのです。

B社の提示する金額は当社の提示額の半額以下。
まさに破格の安さだったのです。

見積書をチェックしてみると、気になる点が見つかります。

例えば「工事詳細」の記載がない点です。

「外壁塗装工事『一式』:72万円」というように、曖昧な表現が目立ち、
具体的にどのような工事を行うのか、説明がされていないのです。

本来は、外壁塗装工事をするために必要な作業と手順を明記したうえで、
各作業で使用する塗料の種類や、工法、工事の範囲を
記載する必要があります。

しかし、B社の見積書では、外壁塗装工事をする際に
「どの場所」を「どの工法」で「どの塗料」で施行するのか
明記されていませんでした。

これでは、工事を完了したかどうかを確かめる術はなく、
施工会社の一存で決まってしまいます。

見積書を注意深く読み込むと、曖昧な点がさらに見つかります。

例えば、屋上防水工事の10年保証です。

見積書通りに屋上の防水工事を実施するためには、
「笠木(かさぎ)」と呼ばれる屋上の縁に取り付けるカバーの取り外しや
床と縁の境界部分の浮いた防水シートの撤去といった、様々な作業が必要になります。

B社の見積書では、こうした作業に関する記述が全く見られず、
本当に屋上からの漏水を10年間も保証できるのか疑わしい状況です。

見積もりの詳細を確認するためには、
B社がどこまで修繕するのか、見積書通りに保証できるのかを
はっきりさせる必要があります。

曖昧な修繕項目については「具体的にどのような作業を行うのか」
保証内容については「何をどこまで保証してくれるものなのか」をまとめて
質問書として送付しました。

しかし、一向にB社からの返事は来ません。

このままでは大規模修繕工事の実施が遅れてしまうため、
AさんからB社に連絡してもらい、
Aさん、私、B社担当者の3者が集まり、現地で面談をすることにしました。

「屋上の防水工事の際は、既存防水シートを撤去し、手すり笠木を外した後に
ウレタン防水を施工して頂けるのでしょうか?」

B社担当者の回答は「それはやりません」の一言。

無責任な言葉に驚いた私は、続けて質問します。
「では、それで10年間も漏水保証を出していただけるのでしょうか?」

この質問に対して、
B社担当者はなんと「それでは確かにできませんね」と答えるのです。

こうしたやり取りを見て、Aさんも呆れているご様子でした。

事前に作成しておいた施工範囲と工事の仕様をまとめた書類を
現地でB社担当者に説明したうえで、
修正した見積書の作成を依頼して解散になりました。

しかし、それからはB社に何度連絡してもつながらなくなってしまい、
AさんもB社を信用できないと感じたのか、
先月、全ての工事を当社に任せていただけたのです。

多くの会社では誠実に見積書を作成して工事にあたっていますが、
なかには今回取り上げたB社のように、ずさんな見積書を提出する会社もあります。

金額だけを目安にして修繕工事を任せてしまうと、
想定していた修繕工事をしてくれない、工事内容が十分ではないなど、
後のトラブルに発展しかねません。

今回は一棟マンションの事例でしたが、
ワンルームマンションのオーナー様も無関係ではありません。
マンションには大規模修繕工事が必要になる時が必ず訪れます。

もしその時に、あなたに管理組合の理事の順番が回ってきた場合、
しっかりとした基準をもって施工会社を選ぶ必要があります。

では、施工会社選びで失敗しないようにするには、
どのような点に注意すべきなのでしょうか?

最も大切なことが、建物管理会社に施工会社選びを丸投げしないことです。

建物管理会社に全てを任せてしまうと
その会社自身が修繕工事を行う場合や担当者の経験が浅い場合に
費用が高くなったり、質の低い施工会社に依頼されたりする可能性もあるからです。

丸投げにしないためにも、
建物修繕やリノベーション工事の施工経験がある建築士を探し、
アドバイザーになってもらうことも効果的です。

見積書の仕様作成は建物管理会社に依頼、
相見積もりを依頼する会社の選定は自分たちで行ったうえで
施工会社の決定に対してアドバイスをもらうのです。

このときに重要なことは、見積もりを依頼する会社の選定は
自分たちで行うということです。
複数の施工会社に連絡して、費用や実績などの話を聞いてみましょう。

管理組合の理事を担っていない人も大規模修繕工事の際には、
相見積もりは取ったのか、どのような理由で施工会社を決めたのかなど、
工事に対して関心を持つことからはじめてみてはいかがでしょうか。

日本財託 ソリューション事業部 
オーナーサポート課 A・T

◆ スタッフプロフィール ◆
福島県福島市出身の58歳。
ソリューション事業部で、建物の維持修繕工事やリノベーション工事の提案を
行っています。
今年、初孫を授かりました。直接会う機会は少ないですが、
毎日のように「みてね」というアプリで写真と動画で孫の写真を見て、癒されています。

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