高齢女性の3割が生活苦も...年金制度からみる家族のために資産形成が必要なワケ
2023/11/30
「毎月の食費は1万円台。昼食はまとめ買いしたパスタだけ」。
先日の日経新聞の一面で、高齢女性の貧困問題が取り上げられていました。
記事によると、特に配偶者と死別をした65歳以上の女性について、
可処分所得が国民の中央値(2021年)の半分である
127万円にも満たない割合が3割超にも及んでいるとしています。
その主な要因は年金の支給額の不足。
今後も年金を支える現役世代が減少することで、支給額はますます下がることが予想されます。
この問題はとりわけ夫が家計の多くを支える家族世帯こそ気を付けるべきであり、
残される家族も含めた資産形成を考えておく必要があるのです。
今回のコラムでは、高齢女性が貧困に陥る理由を年金制度や社会環境の側面からご紹介。
知らなかったでは済まされない、家族のための資産形成の重要性をお伝えします。
まずは、一人暮らしの高齢女性がなぜ生まれるのか、
現状をみながらその理由を考えてみます。
65歳以上の一人暮らし世帯は年々右肩上がりに増加しており、
2020年の国勢調査によると男性15.0%、女性22.1%となっています。
この傾向は今後も続くとされており、
国立社会保障・人口問題研究所は2040年には65歳以上の4人に1人が
一人暮らしの女性になるとの推計を出しているのです。
一人暮らしの高齢女性がこれだけ増加した理由は
生涯未婚率や離婚率の上昇、子世代の経済力の低下が挙げられます。
とりわけ注目したいのが子世代など「親族の支え」が期待できなくなっている点。
日経新聞によると、子どもと同居している65歳以上の人の割合は
2022年に34%と、この30年間で23ポイントも減少しています。
非正規雇用の広がりや平成バブル崩壊時から上がらない賃金、税金負担の増加など
経済的な理由から、家族による援助は難しくなっているのが実情です。
また、そもそも男性と女性の結婚年齢と平均寿命には差があります。
厚労省によると、2022年の平均初婚年齢は夫が31.1歳、妻が29.7歳で
その差は1.4歳。
平均寿命は2022年で男性が81.05歳、女性が87.09歳となっており、
差は6.04歳です。
つまり、単純計算で夫と死別した妻は約7.4年もの間、
夫がいない状態となり「一人暮らしの高齢女性」となってしまう
可能性があるのです。
ここまで、一人暮らしの高齢女性が生まれる理由を考えてきました。
ではなぜそれが貧困と結びつくのでしょうか。
その大きな理由は年金支給額の不足です。
例えば子供が成人している世帯で、65歳以上の妻が会社員だった夫と死別した場合、
遺族年金を受け取ることになります。
注意したいのが、受け取ることができるのは夫の「厚生年金」部分のみで、
老齢基礎年金は含まないということです。
この場合、遺族年金の支給額の計算方法は三つ。
一つ目は夫の厚生年金の4分の3、二つ目は夫の厚生年金と妻の厚生年金の半分ずつ、
三つ目は妻の厚生年金です。
これらのうち、最も高い金額が選ばれます。
厚労省によると、仮に妻が専業主婦だった場合、
遺族年金の平均月額は82,000円程度です。老齢基礎年金の平均月額が約56,000円ですので、
合わせておよそ138,000円を受け取ることができる計算になります。
東京23区在住で、65歳以上70歳未満の一人暮らし世帯の生活保護支給額が
約13万円であることを考えると、この金額では最低限の生活しかできません。
これらの理由から、貧困で苦しむ高齢女性が誕生してしまうのです。
遺族年金を算出する元となっている老齢基礎年金、老齢厚生年金についても、
支給額は今後ますます減少することが予想されます。
2020年には2.05人の現役世代が1人の受給世代を支えていました。
国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、
それが2050年には1.32人の現役世代で1人の受給世代を支えるという状況になります。
年金保険料を納付する人が約46%も減少する計算です。
現在の年金制度は現役世代が納付している年金保険料をそのまま受給世代に充てる
賦課方式ですので、仮に現在の保険料率のままだと30年後、
受け取れる年金額は同様に約半分となってしまう計算となります。
このため、政府は2025年の年金制度改正に向け、
議論を本格化しています。
東京新聞の記事によると、主な検討項目は六つ。
中でも、国民年金保険料の納付期間を現行の60歳から65歳に引き上げる案や、
短時間労働者などにも厚生年金への加入を拡大する案などは
まさに財源の確保に他なりません。
いずれにせよ、現役世代の年金保険料の負担増か、年金受給額の減少かは
避けられない状況であり、私たちの「お金」に関する自助努力の割合は
ますます高まることでしょう。
このように年金の先細りは避けられず、
その影響が最も大きいのは残される家族であることがお分かりいただけたかと思います。
自分自身の生活を守るのはもちろん、自分に万が一のことがあった際、
大切な家族を守るためにも、将来のための資産形成は重要であるということです。
もちろん、そのために貯金やNISAをはじめとする投資信託などは有効です。
しかし、それらは結局、貯めたお金を取り崩して生活することになります。
人生100年時代と言われるいま、自分や家族が何歳まで生きるのか、
医療費はどれくらいかかるのかなどの予測は困難になりつつあります。
そのような状況下で日々目減りしていく貯金を前に、
安心した老後生活はなかなか難しいのではないでしょうか。
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日本財託 マーケティング部セールスプロモーション課 K・N
◆ スタッフプロフィール ◆
香川県三木町出身の30歳。
セミナーやHP、LINEの運営、 メールマガジンの執筆や広報活動を通じて、
東京・中古・ワンルームの魅力を多くのお客様にお伝えしています。
日本財託には社内部活動があり、私自身も最近テニス部に入部。
月1、2回程度、仲間たちと和気あいあいとプレーすることが楽しみの一つとなっています。