入居率が99.0%でコロナ前の水準に回復! 最新データから読み解く繁忙期の賃貸市況
2024/04/11
4月に入り、賃貸マーケットの繁忙期が終わりました。
3月末時点の当社の管理物件数は29,103戸で、入居率は99.90%。
昨年の3月末時点での入居率が99.73%でしたから、
0.17ポイントの改善です。
コロナ禍以前の2020年3月末時点の入居率が99.89%でしたから、
賃貸市況もコロナ禍以前の状況に戻ったといえるでしょう。
空室率がコロナ前の水準に回復した要因の一つに
昨年と比較して、多くの学生が東京に流入したことがあげられます。
今回のコラムでは、最新データをもとに繁忙期の賃貸実績を振り返りながら、
学生の動向と賃貸市況に与えた影響をご紹介します。
まずは、今年の1月から3月までの当社の賃貸実績をご紹介します。
この3ヵ月間でのワンルームマンションの賃貸契約数は2,181件。
解約日から賃料発生までの日数は東京23区平均で28.7日、
前年同四半期(2023年1~3月)と比較して7.2日と大幅に短縮しました。
空室日数が大幅に短縮した要因の一つは、
前述した通り、昨年と比較してより多くの学生が東京に流入したことです。
「住民基本台帳人口移動報告」の速報値を用いて、
大学進学年代にあたる、15~19歳の若者の他の道府県から東京への転入超過数を
昨年と今年で比較します。
2023年の1月は283人、2月は471人、
そして、3月は6,161人となっており、3カ月合計で6,915人の転入超過です。
続いて2024年のデータです。速報値は2月迄が発表されており、
1月は354人、2月は566人と前年の1月~2月の2か月間と比較すると、
およそ20%以上の増加幅になります。
3月も同様の傾向が続くと予想されますので、
2024年の1月~3月では8,200名超の15歳~19歳の若者が
東京に流入したことが想定されます。
東京への学生の流入トレンドは、当社の賃貸データにも表れています。
昨年1月~3月における、東京23区の賃貸契約数のうち、
学生の賃貸契約数は141件。全体に占める割合は9.26%でした。
一方、今年の同時期における、学生の賃貸契約数は197件。
学生の契約数は昨年より約4割増加し、
全体契約数に占める割合も11.73%と昨年より高くなっています。
また、大学生の人口TOP5であり、学生に人気の街である
世田谷区、練馬区、江戸川区、板橋区、杉並区の5区の空室日数が大幅に短縮。
東京23区は前年同期比で7.2日分、空室日数が短縮化されましたが、
この5区のうち、板橋区を除く4区では7.2日以上も空室日数が短くなっています。
なぜ昨年と比較して、今年はより多くの学生が東京に流入したのでしょうか?
その要因のひとつは、昨年5月に新型コロナウイルスの分類が
5類に引き下げられたことで、対面授業数が増加したことです。
全国大学生活協同組合連合会が、学生を対象に行った
「最近1週間の授業形態」に関する調査を見てみましょう。
2023年10月~11月時点で、
授業形態は「全て対面授業」が53.5%と前年より18.8ポイント増加。
「対面の方が多い」授業も含めると、実に8割以上です。
また、部活やサークル活動が、本格的に再開したことも後押ししています。
同団体が行った「サークルの所属状況」に関する調査によると、
2023年10月~11月の期間において、
1年生のサークル・部活動等への所属率は77.9%に達しています。
新入生の4人に3人以上が、何らかの団体に所属・活動しているのです。
こうした対面授業数の増加や課外活動の活発化を受けて、
大学生の登校日数は増加傾向です。
同調査内の「最近1週間の登校日数」によると、
2023年10月~11月の平均登校日数は、4.1日と前年より0.2ポイント増加。
課外活動を除くと、大学の授業が開講される日は、
平日の5日間ですので、登校する日がほとんどを占めていることが分かります。
コロナ禍では地方在住者が東京の大学に合格しても、
オンライン授業が主体であったため、上京する必要がありませんでした。
しかし、これだけ対面授業が行われ、学生生活もこれまでの日常に戻ってきたため、
地方の学生が続々と上京してきているのです。
こうした学生の賃貸需要の増加を受けて、空室日数が大きく短縮したのは
さきほどお伝えしたエリアだけでなく、物件にも特徴があります。
特に学生の契約数が伸びた物件は、
バスとトイレが一体となっている3点ユニットの物件です。
学生の契約数は昨年と比較して1.5倍にまで増えています。
3点ユニットの物件は、バスとトイレが分かれている物件と比べて、
家賃が手ごろで上京する学生にも好まれるのです。
ここまで、学生需要の高まりをお伝えしてきましたが、
この学生需要を捉えるため、当社でも新しい取り組みを実施しています。
繁忙期の学生は、3月に行われる大学の合格発表を受けてから、
お部屋を探すケースが多くなります。
そのため、現地見学を行わずに、
ネット上の部屋の写真だけで申込を決める傾向にあります。
そこで当社は、物件写真を最高品質で標準化するために、写真撮影マニュアルを作成。
マニュアルには、ポータルサイトが公表している「入居が決まる物件写真」の要素を追加し、
プロカメラマンにも監修いただきました。
マニュアルに基づいた高品質の物件写真は、
3月から実際に物件図面に使用されています。
東京への若者人口の流入数が増加したこともあり、
今年の繁忙期はコロナ前の水準にまで回復しました。
4月に入ってからも、
昨年と比べて比較的好調に申込も獲得できている状況です。
繁忙期だけではなく、1年を通して早期に空室解消が実現できるよう、
独自の取り組みを行いながら、オーナー様の資産形成をサポートいたします。
日本財託 マーケティング部セールスプロモーション課 K・R
◆ スタッフプロフィール ◆
新卒2年目の大阪府熊取町出身の23歳。
セミナーの運営やメールマガジンの執筆、広報活動を通じて、
東京・中古・ワンルームの魅力を多くのお客様にお伝えしています。
先日、初めて横浜中華街に行きました。
色々なものを食べようと意気込んでいたのに、
最初に大きなチキンを食べてお腹いっぱいになり、後悔しました。