空室時がベストタイミング!漏水事故のリスクを防ぐ、給水・給湯管の交換工事

2024/06/06

不動産投資を行っていると、所有期間中に様々なトラブルが発生します。

なかでも、築年数が経過するほど、
発生する可能性が高まるトラブルの一つが「漏水事故」です。

当社では、漏水対応の専門チームを設けてノウハウを蓄積することで、
迅速に問題解決できる仕組みを構築しています。

しかし、どれだけ迅速丁寧な対応を心掛けたとしても、
入居者からのクレームをゼロにすることは困難です。
また、配管が損傷していれば修繕・交換費用をオーナー様に
ご負担いただくことにもなります。

ただ、リスクを予見し、前もって給水・給湯管の交換工事を行うことで、
クレームを防ぎ、費用負担を最小限に留めることも可能です。

そこで今回のコラムでは、
漏水トラブルが発生した際の対応法をご紹介しながら、
給水・給湯管を事前に交換するメリットをお伝えしていきます。

まずは、漏水トラブルが発生した際の対応の流れをご紹介します。

漏水対応の多くは、建物管理会社の電話から始まります。

入居者様から漏水被害の報告があると、建物管理会社は加害元と想定される部屋を特定。
当該部屋の賃貸管理会社に連絡して、対応を促すのです。

当社では連絡を受けると、協力会社と連携して現地に向かい、原因の特定に着手します。

原因がすぐに特定でき、かつ漏水箇所が簡単に工事のできる場所であれば、
問題は速やかに解決するのですが、このようなケースは稀です。

ほとんどの場合、原因箇所の特定が難しく、
配管がコンクリート内に埋まっていたり、フローリングの床下を通っていたりするため、
入居中に修繕をしようとすると、室内の一部解体が必要になります。

また、漏水の原因が配管の破損である場合、
階下などの被害者への保障については、施設賠償保険に加入していれば適用されますが、
自室の給排水管自体の修理・交換費用については、保険は適用されません。

そこで当社では、コストを抑えるために、
漏水の原因となっている既存の古い配管はそのままに、新たなルートで
新しく配管を再設置する「引き換え工事」という手法をご提案しています。

この手法であれば、配管撤去に要する床・壁等の解体に要する費用を削減でき、
新たな配管の引き込み費用だけで済むので、比較的安価に修繕費用を抑えられます。

通常の漏水事故による引き替え費用は、給湯管更新工事のみで25万円~30万円、
給水・給湯管セットで40万円前後が目安です。

しかし、この「引き換え工事」も、
入居中に工事を行う場合、付帯費用が発生するケースが多くなります。

例えば、入居者様の家財等の荷物を傷つけないための養生作業や
家具の移動作業、家財の量によっては工事期間中に一時保管が必要になるので、
追加費用が発生するのです。

また、入居者様からのクレームにつながる可能性もあります。

漏水被害を拡大させないために止水処置を行った結果、水が利用できなくなったり、
お湯の使用ができずお風呂に入れない場合は、
工事のためとはいえ、ご納得いただけないことも多いのです。

保険金を活用して、入居者様にホテルにご滞在いただけるケースもありますが、
不満を抱かれている状態で修繕が遅れてしまうと、
賃料の減額請求や退去に繋がることも考えられます。

では、こうしたリスクを抑えるために、どのような対応ができるのでしょうか。

当社では、入居者様の退去後の空室時に、
寿命が近づいている給水・給湯管の交換工事を行うことをお勧めしています。

一般的に、配管の寿命は20年~30年と言われていますが、
実際には、築30年を超える物件で漏水が発生するケースがほとんどです。
ただ一部、築20年前後の物件でも配管の劣化による損傷が見られることもあります。

そのため当社では、築25年程度を目安として、
これまで配管工事を行ってこなかった部屋に、事前工事をご提案しています。

空室時に事前工事を行うことで、追加費用の発生を抑えられるため、
入居中の工事と比較して、大半のケースで費用を抑えることができるのです。

当社では事前交換の場合、給湯管更新工事のみであれば、22万円(税込)。
給水・給湯管をあわせた交換工事であれば、35万2千円(税込)でご案内可能です。

また、給水・給湯管を更新する際、通常は床下や壁内に管を隠すように施工します。

しかし、ベランダに給湯器があって水回りまで距離があり、
壁や天井裏を通せない場合は、天井と壁の角(入隅部)に配管を露出させ、
その後、配管カバーを設置し配管を隠す必要があります。

このような工事が必要な場合でも、カバーの設置費用等については、
追加費用を頂かずに対応することが可能です。

このように、劣化による損傷が発生する前に工事を行うことで、
費用を最小限に抑え、漏水のリスクを抑制することもできるのです。

実際、こうした配管の事前交換工事にメリットを感じられ、
空室をきっかけに取り組まれる方も増えています。

先月も、当社オーナーのAさんより、
空室時の配管交換工事のご依頼をいただきました。

当初は、事前工事を行うか迷っていたAさんですが、
入居してから漏水が発生した際のリスクをご説明することで、
交換工事の実施をご決断されたのです。

また、交換工事の副次効果として、管理組合の責任範囲である共用部側で、
水道メーターの止水バルブの元栓不良も発見できました。

水回りの部品交換や漏水案件の際は、
この元栓を締めることで初めて作業が可能になるため、非常に重要な部品です。

工事を行っていなければ、この止水バルブの破損に気づくことは難しく、
その状態で水回りのトラブルが発生していたら、対処がより困難なものになっていました。

事前工事を行っていると、今回のケースのように、
目的の修繕箇所以外に、他のトラブルの芽を見つけられることも少なくないのです。

経年劣化を原因として発生する漏水は、どうしても避けられないものです。

ただ、避けられない漏水事故であっても、
事前に対策を立てることで、リスクを軽減することは可能です。

本コラムを読んで、給水・給湯管の事前交換工事に興味を持たれた方は、
ぜひお気軽にご相談ください。

日本財託管理サービス 管理部管理課 T・M

◆ スタッフプロフィール ◆
和歌山県和歌山市出身の50歳。
管理部管理課漏水チームで、漏水や火災などの事故を対応。
入居者様のお困り事の解決を行っています。

日本財託野球部で監督を担当しています。
昨年2回戦で敗戦した悔しさをバネに、7月の大会では優勝を目指します。

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