借入を活用する管理組合が増加!インフレ時代に資産価値を守るための行動とは
2024/07/25
マンションの大規模修繕工事に借入を活用する管理組合が増加しています。
住宅金融支援機構では、
外壁塗装や給排水管補修などに使われるマンション共用部分リフォーム融資が、
2023年度は約196億円と、前年から約4割も増加しました。
これは2011年度に融資額の実績が公表されて以来、
過去最高の金額で10年前と比較すると約3倍になります。
こうして修繕工事に借入を利用しているマンションが増えていると聞くと、
不安になる方もいるかもしれません。
ただ、マンションオーナーとして、最も避けなければいけないのは
借入を利用することではありません。
避けなければいけないのは、必要な修繕を行わずに、
管理不全マンションとしてしまうことです。
そこで、今回のコラムでは、なぜいま借入を行う管理組合が増えているのか、
大規模修繕工事を取り巻く状況を解説。
オーナーがマンションの資産価値を維持するために必要な行動をお伝えします。
借入を利用して大規模修繕工事を実施する背景には、
修繕積立金の不足があります。
修繕積立金は将来のマンションの大規模修繕工事に備えて、
各マンションオーナーが負担する積立金です。
本来、積み立ては長期修繕計画に基づいて計画的に行われますが、
計画通りに積立金が徴収されずに、工事実施時点で十分な資金が
積み立てられていないというケースがまれにあるのです。
修繕積立金の徴収にあたっては、「段階方式」と呼ばれる手法が採用されることが多く、
これは、マンション分譲時には低く金額を設定し、後から積立額を引き上げる方式です。
2000年~2009年に分譲されたマンションのうち約6割が、
この段階方式を採用しています。
問題点は、いざ引き上げるべき時期になったときに
マンションオーナーの合意が取れずに、
引き上げが延期されてしまうケースがあることです。
次に、資材費や人件費の高騰も大きな要因となっています。
コロナ禍からの回復やウクライナ危機などの影響で、世界的な物価高となっています。
さらに、人手不足も深刻で6月のマンション建設費は過去最高を更新しました。
いくら計画通りに積み立てられたとしても、
長期修繕計画は頻繁に見直しされるわけではないので、
急なコストの上昇には対応できません。
すると、これまで計画通りに修繕積立金を積み立て、工事をしっかり実施してきた
健全なマンションであっても、借入を利用せざるを得ないケースも出てきます。
冒頭にもお伝えしたように、
最も避けなければならないのは必要な工事を実施せずに、
ずるずると工事を先延ばしにしてしまうことです。
むしろ、金融機関から融資を受ける際には、現実的な返済計画かどうかを見られるため、
借入が可能なマンションはしっかりと管理されていることが多いといえます。
必要な工事が実施されなければ、
マンションは痛みやすくなりますし、住環境にも悪影響を及ぼすでしょう。
そうなれば、入居者の退去にもつながりかねませんし、
空室が発生した時の入居者募集にも不利に働きます。
マンションの資産価値を長期にわたって維持し続けるためには、
工事をしっかり行うこと、そしてマンションオーナー自身が
なにより建物管理の状況に強い関心を持つことです。
たとえば、修繕積立金の引き上げや工事実施に伴う借り入れの利用に関する
議題が上がった際には、
これまでの工事はきちんと行われてきたのか、
また、計画通りに修繕積立金は引き上げられてきたのか、
そうであれば、なぜ今回借入を利用しなければならないのかなど、
その状況について関心を持ち、必要であれば建物管理会社に確認する、
管理組合の総会にも積極的に参加する姿勢が大切です。
マンション管理を取り巻く環境は大きく変わってきています。
これまでのように物価が上がらなかったり、マンションの築年数も古くなければ、
大きな関心を持たなくても、マンションは比較的健全に管理運営することができました。
ただ、昨今の物価高騰や物件自体の築年数の経過が進めば、
より一層、建物管理の状況に関心を持つ姿勢が重要になってきます。
当社では、オーナー様に向けて管理組合運営に関する定期セミナーの開催や
個別相談のご対応、1級建築士により長期修繕計画書のレビューや作成など、
管理組合運営や建物管理に関するサポートを実施しています。
マンション投資は物件を購入して終わりではありません。
購入してからがマンション投資の始まりです。
ぜひ建物管理にも関心を持ち、長期安定収入を目指していきましょう。
日本財託 マーケティング部 セールスプロモーション課 K・K
◆ スタッフプロフィール◆
神奈川県横浜出身の45歳。
マーケティング部で、セミナーやHPの運営、メールマガジンの執筆や広報活動を通じて
東京・中古・ワンルームの魅力を多くのお客様に伝えている。
先日から、社内ではTシャツが解禁となりましたが、どの辺りまでが許容範囲なのか。
慎重に2週間ほど様子を見ながら、いよいよデビュー。とても快適です!
ふと見渡すと、まだ同じフロアにはYシャツを着ている新卒の姿がちらほら。
Tシャツを着ないのと尋ねると、新卒だから遠慮をしていたそうです。
変化には、まずは先輩からいち早く行動ですね。