高級ブランドの地方からの撤退が目立っています。

先日、茨城県内で唯一の直営店として営業していた「ルイ・ヴィトン水戸京成店」が
契約満了により今年末で閉店すると報道されました。

集客に優れた高級ブランド店の撤退は地域経済の発展にとって大きな痛手です。
その撤退の一方で、海外の高級ブランドは大都市圏やインバウンド需要が
見込めるエリアで出店を拡大しています。

ブランド店が地方から撤退しているように、
地方から大都市圏に流出が進んでいるものがあります。
それが「相続マネー」です。

相続をきっかけにして、今後30年間で、
38兆円もの資産が東京に移動するとも言われています。

お金自体とその使い先が、どちらも地方から東京へ急速に流出している状況です。

そこで、今回のコラムでは、
「使うお金」と「お金の使い先」という２つの観点から、
ますます強まる東京一極化集中について解説していきます。

冒頭にご紹介したルイ・ヴィトンの地方からの撤退ですが、
これは茨城県に限った話ではありません。

このほかにも、百貨店内の店舗を中心に、
2019年には大分県大分市のトキハ百貨店、2023年には福島県郡山のうすい百貨店、
静岡県浜松市の遠鉄百貨店など、撤退の動きが顕著です。

その一方で出店が活発に進んでいるエリアが東京です。

ルイ・ヴィトンは今年3月に伊勢丹新宿メンズ店をオープンさせ、
11月には新たな店舗を伊勢丹新宿店内に開店する予定です。
これにより新宿エリアだけで4店舗も展開されることになります。

現在、国内にあるルイ・ヴィトン54店舗のうち、
4分の1の14店舗が東京都内に集中しています。

地方から東京へと移っているのは、
お金の使い先だけではなく、お金そのものも大移動しています。

三井住友信託銀行の統計によれば、
今後30年間で650兆円弱の金融資産が相続され、
そのうちの約125兆円が地域をまたいで移動すると予測されています。

その大部分は、東京圏（東京、神奈川、千葉、埼玉）に集中。
全国から58兆円もの資産が流入して、他の地域への流出を差し引いても、
純増額は38兆円に達すると言われています。

こうした資金移動の流れを止めるため、地方銀行も新たな動きを見せています。
信託業務に力を入れ、相続資産が他行に移るのを防ごうという狙いです。

例えば、2022年9月に十六銀行が、
2023年3月からは七十七銀行が信託業務に取り組み始めました。

さらに、あいちフィナンシャルグループ傘下の愛知銀行と中京銀行は、
2025年の合併後、新銀行として信託業務に取り組んでいく方針を示しています。

このように、お金の使い先とお金自体が地方から大都市圏、
特に東京に集中する傾向は、人の動きに注目するとよくわかります。

ポイントは人口数、そして現役世代の移動です。

そもそも地方圏では、人口の減少が進んでおり、
特に消費の中心となる現役世代の減少が顕著です。

たとえば、冒頭でご紹介した茨城県ではこの10年間で
人口数が10万人も減少しています。

この10年の人口全体の減少率は3.7％ですが、
現役世代層にかぎっていえば、その減少幅は4.6％にもなり、
減少率は実に1.25倍です。

人口の減少、特に現役世代の減少は購買力の低下に直結し、
そのエリアの経済力の衰退を招きかねません。

また、相続マネーが大都市圏に移動してしまうのは、
子供世代が大学進学や就職をきっかけにして、上京しているからです。

2023年の東京都への若年層（15歳～29歳）の転入超過数は10万3,201人。

10年前、2014年に地方創生が掲げられ、
地方の活性化に向けた取り組みが強化されましたが、
現役世代、特に若者世代の東京への流入はむしろ加速しています。

2014年における若年層の転入超過数が７万9,262人でしたから、実に1.3倍です。

地方に住む親世代の金融資産は東京で働く子世代に相続され、
その金融資産の使い先も東京です。

東京には、大学や大手企業、外資系企業が集まり、
多様な学びや働き方を求める若者、現役世代を引き付けています。

また、学びや仕事だけでなく、
高級ブランドに代表されるショッピングやエンターテイメントなど、
充実した商業施設が揃っており、
生活するうえでも魅力的な街であり続けています。

こうした魅力にひかれて多くの人が集まり、
そして人に付随してお金もついてきます。

お金の使い先、消費するお金、そして消費者そのもの。
まさに「ヒト•モノ•カネ」と言う経済資源が、地方から東京へと移動しているのです。

地方創生が掲げられてから10年。
東京への一極集中はむしろ以前よりも高まっているような状況です。

不動産投資で長期安定収入を実現するのであれば、
「ヒト•モノ•カネ 」が集まり続ける、東京をおすすめ致します。

日本財託　マーケティング部　セールスプロモーション課　K・K

◆ スタッフプロフィール◆
神奈川県横浜出身の46歳。
マーケティング部で、セミナーやHPの運営、メールマガジンの執筆や広報活動を通じて
東京・中古・ワンルームの魅力を多くのお客様に伝えている。

先日、子どもが通う高校の文化祭に足を運んだ際、人生で初めて手相占いをしてもらいました。なんでも「ラッキーM線」という、とてつもない強運を呼び込む手相の持ち主らしく、両手にあるのは、非常に珍しいことらしいと驚かれ、鼻高々。。
後日、職場で自慢すると10人中4人がラッキーM線の持ち主で、令和の高校生の「おもてなし」だったことに気づきました。