個人投資家は大手企業のモノマネNG!個人だから成功できる投資戦略とは
2024/10/31
『西武HD、さらば含み益経営|旧赤プリから狙う高回転』
先日、日本経済新聞で
西武ホールディングスの不動産事業における戦略改革が取り上げられていました。
キーワードは「資金の回転」です。
物件の含み益を重視し、長期保有を前提とする事業モデルから、
資産効率の低い物件を売却し、別の不動産開発に再投資する戦略に舵を切ります。
個人投資家のなかにも、資産効率を高めたいとお考えの方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、組み換えを前提とした投資は、簡単に真似できる戦略ではありません。
そこで今回のコラムでは、西武ホールディングスの事業戦略をもとに、
個人投資家が取るべき不動産投資戦略をお伝えします。
まずは、西武ホールディングスの戦略改革を詳しく見ていきましょう。
そもそも、戦略改革を実行する背景には、
利益水準を向上させ、資本効率を改善する狙いがあります。
現在進行中の構想は、東京都千代田区の赤坂プリンスホテル跡地にある
複合ビル「東京ガーデンテラス紀尾井町」の売却です。
西武はこのビルを4,000億円規模で売却。
そこで得た資金を高輪や品川などの再開発に充てる考えを表明しています。
こうして資産効率の低い物件を現金化し、その資金を別の不動産に投資。
再開発を通じて不動産の価値を高め、さらに売却益を獲得する。
このサイクルを繰り返し、利益を拡大することを狙っているのです。
しかし、このような大手企業の戦略は、
個人投資家、特にサラリーマンが簡単に真似できるものではありません。
その理由は3つあります。
1つ目はノウハウの不足です。
不動産を専門に扱う大手企業であれば、再開発のノウハウがあるため、
高い投資効果をもたらす案件を自身で作り出すことができます。
一方、個人投資家が同様の手法で利益を得るには、
一定のノウハウが必要です。
たとえば、築古戸建てを購入してリフォームを行い、
賃料を上げて家賃収入を増やしたり、売却して利益を得る手法があります。
この場合、信頼できるリフォーム会社の選定、
適切な工事の発注、見積もりの精査など、様々な知識や経験が求められます。
仮にノウハウや経験が十分でないまま進めてしまうと、
いざ工事を始めてみたら、想定外の問題が見つかり、
トラブル対応が必要になることもあるでしょう。
2つ目は、リソース不足です。
ここでいうリソースとは「資金力」と「時間」を指します。
大手企業の場合、莫大な資金をかけて、
需要を見込める好立地エリアで大規模な再開発を実行できます。
しかし、個人投資家であれば、同じようにはいきません。
たとえば、先ほどご紹介したような築古戸建てを購入してリノベーションする場合、
外注するだけの資金力が不足していれば、
自身で自らの労働力を投下することにもなるでしょう。
実際こうしたDIYを駆使して投資を行い、
成功を収めている投資家もいらっしゃいます。
ただ、その多くは専業大家であり、
日々忙しく働いているサラリーマンが限られた休日だけで
実施することは困難です。
また、不動産投資から得られる家賃収入は不労所得ですが、
自身が不動産のために働いてしまうと、
それは、勤労所得になってしまいます。
3つ目は、物件売却時のコストです。
物件を売却する際には、不動産会社に支払う仲介手数料や税金がかかります。
西武HDのように十分な会社規模があり、
潤沢な現金があるのであれば、こうしたコストも許容できるでしょう。
一方、投資規模の小さい個人投資家であれば、
こうした費用が利益を圧迫し、逆に資金効率が悪くなる可能性もあるのです。
ここまで、個人投資家が頻繁に不動産を組み替えることで
利益を創出することが難しい理由をお伝えしてきました。
では、個人投資家はどのような戦略を取るべきなのでしょうか?
最適な戦略は、「売却」を前提とするのではなく、「長期保有」を前提として、
家賃収入を長期に渡って得ることを投資の目的とすることです。
資産を組み替えず、保有し続けることができれば、
売却時の仲介手数料や税金は発生しません。
さらに、生まれたキャッシュフローを再投資に充てることで、
複利効果を得ることも可能です。
シミュレーション上ではありますが、
自己資金100万円と毎年100万円の繰上返済を行うことで、
約30年で1億円の資産を築くことができる試算もあります。
『資産拡大の鍵はキャッシュフロー改善による「再投資」』
個人投資家でも時間をかけて再投資を続けることで、
大きな資産を築くことができるのです。
この点、賃貸需要の旺盛な東京であれば、
長期保有を前提とした不動産投資には最適です。
ただ、東京の不動産に投資をしているからといって、
投資効率を無視していいわけではありません。
たとえば、東京であっても空室がなかなか埋まらない場合には、
賃貸管理会社の変更も検討すべきでしょう。
同じ入居者募集業務であっても、賃貸管理会社によって空室解消力は
大きく異なります。
また、家賃を大きく上げたい場合には、
入居者が退去したタイミングで、リノベーションを行うことも効果的です。
こうして長期保有を前提として、
満室経営が続くよう、しっかりと目を配り、管理を行えば
期待する収益を上げることは可能です。
上場しているような大手企業は収益性に対して、
日々、株主の厳しいプレッシャーにさらされていますが、
個人投資家は第三者からのプレッシャーとは無縁です。
ご自身で定めた目標を、ご自身で定めた時期までに達成すればよいのです。
無理をすることもありません。
個人投資家は賃貸需要の安定している場所で、
じっくり腰を据えて不動産投資に取り組むことが成功の近道です。
日本財託 マーケティング部セールスプロモーション課 K・R
◆ スタッフプロフィール ◆
セミナーの運営やメールマガジンの執筆、広報活動を通じて、
東京・中古・ワンルームの魅力を多くのお客様にお伝えしています。
先日、高校の友人で集まって、1日中テレビゲームをしました。
あまりに楽しかったので、
全員でSwitchを購入し、オンラインゲーム大会を開催することを目論んでいます。