好立地と聞いて思い浮かべる場所はどこ?投資目的で異なる好立地の考え方
2024/11/07
「好立地」の収益不動産を購入したい。
不動産投資を検討する方であれば、誰もが考えることでしょう。
都内で好立地のエリアといえば、
千代田区、中央区、港区の都心3区、そこに渋谷区と新宿区を加えた都心5区を
イメージする方が多いのではないでしょうか。
不動産専門のデータ会社「東京カンテイ」が発表した
中古マンションのリセールバリュー(再販価値)を駅ごとに調査した結果では、
ランキング上位のほとんどを都心5区にある駅が占めており、
その資産価値の高さが明らかになりました。
こうしたデータが示すように
都心5区は「好立地」と呼ぶにふさわしい特徴を持っています。
しかし、不動産投資の目的によって
「好立地」の意味する範囲は大きく変わってきます。
なにも都心5区だけが「好立地」ではなくなるのです。
そこで今回のコラムでは、
投資目的による「好立地」の考え方の違いをご紹介します。
まずは、一般的に「好立地」とされる
都心5区の特徴について見ていきましょう。
これらの地域が「好立地」とされる最大の理由は、
資産価値が高く、価格が下落しにくいという特徴があるからです。
前述した東京カンテイのデータによると
都心5区にある駅の築10年の中古マンションの平均リセールバリューは186.2%、
その他特別区にある駅の平均リセールバリューは165.7%でした。
10年前はマンションが価格上昇局面に入って間もない時期でしたので、
リセールバリューの数字は高い値となっています。
そのなかでも、都心5区にある駅の方がその他の特別区にある駅と比べて
約20.5ポイント高いリセールバリューを示しており
都心5区の資産価値が高いことが確認できます。
これらの地域には日本を代表するオフィス街、繁華街があり、
加えて交通インフラも充実しています。
さらに、再開発の計画も盛んです。
例えば、日本橋エリアでは首都高速道路の地下化計画が進行中で、
それに伴う再開発により、さらなる街の魅力向上が期待されています。
そのほかに、渋谷駅周辺の大規模再開発、新宿駅の東西エリア周辺の大規模開発
「新宿グランドターミナル構想」など、
エリアの価値をさらに高める計画が次々と実施されています。
こうした要因により、都心5区の不動産は
これからも高い資産価値を保つことが期待できます。
不動産投資家にとって、非常に魅力的な投資対象と言えるでしょう。
一方で、これらのエリアは地価が高く、物件価格も高額なため、
一般の投資家には手が出しにくいのが現状です。
実際、不動産経済研究所のデータによれば、2023年1月~2024年6月までに
販売されたワンルーム・1Kタイプの新築住戸のうち、
新宿区の平均価格は4,143万円、渋谷区で4,119万円です。
そこで考えたいのは、不動産投資の目的です。
もし、あなたの目的が不動産を長期保有して安定した収入を得ることならば、
必ずしも都心の超一等地にこだわる必要はありません。
インカムゲインを重視する投資家にとっての「好立地」とは、
賃貸需要があり、家賃収入が長期にわたって見込めるエリアです。
この場合、投資対象の範囲は、
都心5区に限定されることはなく、東京23区全体に広がります。
実際に、東京23区のワンルームマンションの空室日数を
当社が管理する物件の賃貸実績データから見てみましょう。
当社が管理するワンルームマンションの2024年7月~9月の賃貸実績データでは、
都心5区の平均空室日数は25.6日、
その他の特別区の平均日数は26.9日となっており
ほとんど差がないことが分かります。
23区全体で安定した賃貸需要が見込めるのは、
東京はオフィス街、繁華街、そして文教エリアがバランスよく存在しているためです。
住まい選びの際には、職場や学校、そして繁華街への利便性を考慮することが多く、
オフィス街ひとつとっても、東京・大手町、品川、渋谷、新宿、池袋と豊富です。
「職・学・遊」の三拍子が東京にはそろっており、
また、それが東京の特定のエリアに偏っていないからこそ、
エリア全体で安定した賃貸需要を生み出しているのです。
実際、ワンルームマンションの主な需要層となる
20~34歳の若年層の他の道府県からの転入超過数を見てみると、
すべての区でこの年齢層の転入超過数はプラスとなっています。
注目すべきは、都心5区が特別に増加しているわけではなく、
むしろその他特別区の方が、転入超過数は増加しているということです。
都心5区の各区の若者人口の平均流入数は2082人、
その他特別区の若者人口の平均流入数は3980人となっています。
このようにインカムゲインを目的とした不動産投資を行う人は
都心5区以外の東京23区でも安定した家賃収入を期待することができます。
投資の目的によって「好立地」の範囲は大きく変化します。
賃貸需要と適正な家賃収入が見込める地域であれば、
長期保有して安定した収入を得るという投資目的に適った
「好立地」になりうる可能性を十分に秘めているのです。
これまで都心5区や山手線の内側など、
エリアに強いこだわりをお持ちであれば、
投資の目的に合わせて視点を広げてみてはいかがでしょうか。
日本財託 マーケティング部セールスプロモーション課 M・Y
◆ スタッフプロフィール ◆
広島県広島市出身の23歳。
セミナーの運営やメールマガジンの執筆、広報活動を通じて、
東京・中古・ワンルームの魅力を多くのお客様にお伝えしています。
先日、いとこに会って高校の数学を教える機会がありました。
教えるためにYouTubeで解説動画を見たのですが、
それ以来おすすめ欄が数学の解説動画に侵食されています。