リノベーション費用が半額に!?内窓設置工事から見る『助成金制度』の大活用法
2025/01/16
1月9日、今シーズン最強の寒波が日本列島に襲来しました。
特に日本海側では、短期間で積雪が急増。普段は雪の少ない地域でも積雪があり、
交通機関に影響が出るなどの混乱が生じました。
このような気候が続くときに気になるのが「室内の寒さ対策」です。
お住まいの部屋の窓際やドア付近など、
開口部で感じる冷たい空気に悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
特に、窓は熱損失が最も多く、
冬場には50%以上もの熱が窓から失われていると言われています。
実は、世界的にみると窓の後進国と称される日本。
その理由は、日本には熱の伝わりやすいアルミフレームを使った窓が多いからです。
こうした状況を踏まえ、近年では住宅の省エネ・再エネの観点から、
国や自治体から窓に関するリノベーションの助成金や補助金が増えつつあります。
助成金を利用して断熱や防音性能に優れた窓を設置すれば、快適な住環境を整えることができ、
他の物件との差別化にもつながりますし、長期入居も期待できます。
今回のコラムでは、助成金や補助金を活用した内窓の設置工事によって、
部屋の資産価値を向上させた事例をご紹介します。
内窓設置工事とは、既存窓の内側に新たに窓を取り付けて二重窓にすることです。
設置する内窓は、従来のアルミ素材と比べ、約1,400倍の断熱性を持つ樹脂製のフレームです。
樹脂フレームの断熱効果に加え、窓が二重構造になることによって
外気が0℃だとしても、窓の表面温度は室内温度の20℃前後を保つことができます。
そして暖房効率が良くなることで省エネになるほか、
光熱費が1年間で約2万円節約できるとされています。
また、断熱効果の改善以外にも次の3つの効果が期待できます。
『防音・遮音』、『結露の抑制』、そして『防犯対策の向上』です。
内窓の設置により、既存窓との間の空気層が音の出入りを抑え生活騒音を軽減。
国道や高速道路沿いなどの車通りの多い物件であれば、
近隣の物件との大きな差別化となります。
あわせて、結露が発生しにくくなるため、カビやダニの発生予防の効果もあります。
結露は窓付近の壁や床の痛みにも直接影響してくることもあるため、
資産価値を維持することにも繋がります。
さらに、窓は空き巣の侵入口になるケースも多い箇所。
そのため、二重窓にすることにより、セキュリティ向上にも効果的です。
こうしたメリットに加え、内窓設置工事には補助金や助成金を活用して、
費用負担を大きく軽減することができるのです。
今回、オーナーのA様が所有している総戸数24戸、築24年の1棟アパートで、
昨年10月に内窓の設置工事を実施しました。
工事の見積もりは、1戸あたり約45万円。
1棟24戸の合計で約1,100万円の試算となり、オーナー様にはとても大きな負担です。
しかし、この工事では補助金や助成金を活用することで、
負担額を抑えることができました。
その一つが「先進的窓リノベ2024事業」です。
この事業は、国が推進している「住宅省エネキャンペーン」の一環である環境省の事業で、
集合住宅・戸建住宅に関わらず、建築から1年以上経過した既存住宅であれば
ご自宅はもちろん、賃貸物件でも補助金の対象となります。
内窓設置工事に関わる補助額は、窓の性能や大きさによって変わります。
この助成金制度によって、見積もり試算の約32%にあたる
350万円以上の補助金を受給することができました。
さらに、今回の内窓設置工事では、
東京都の助成金「賃貸住宅における省エネ化・再エネ導入促進事業」にも該当。
これは昨年5月に開始された新しい制度で、戸あたりの助成金額上限は30万円、
助成率が助成対象経費の2/3と、大幅に負担を軽減することができます。
この2つの事業を活用することで、結果的に補助金額が約990万円となり、
オーナー様の実質負担額は約110万円となりました。
これは、1部屋およそ3~4か所の内窓設置工事を、
約4万5,000円で施工できた計算となります。
B様が所有している総戸数12戸、築33年の全室ファミリータイプの1棟マンションでは、
昨年4月に内窓設置工事とあわせて玄関ドアの交換工事も行いました。
内窓設置工事の見積もりは、1戸あたりの平均額が約69万円で、
オーナー様負担額としては12戸分で約828万円の試算です。
この事例も、A様と同じ「先進的窓リノベ2024事業」に該当。
見積額の34%にあたる約285万円以上の補助金が適用されました。
さらに、東京都の助成金「既存住宅における省エネ改修促進事業」にも該当。
この事業の助成率は助成対象経費の1/3が助成されるため
約274万円の助成金が適用となりました。
その結果、B様の物件の内窓設置工事は、
見積もり試算の約68%にあたる約560万円の補助金が適用されることとなり、
結果的にファミリータイプの部屋すべての内窓設置工事が1戸あたり約21万円でできました。
また、ドア交換についても、内窓設置と同じ東京都の助成金が適用された上、
さらに、国土交通省の「子育てエコホーム支援事業」の補助金にも該当。
もともと、ドア交換についての見積もりは1戸あたり約20万円で、
全室交換の場合、オーナー様の負担額は約240万円の試算でした。
この2種類の制度を活用することにより、
見積額の50%以上にもなる約130万円の助成金を活用することができました。
結果として、ドア交換にかかった費用は、
見積もり試算の半額以下の約110万円となりました。
今回ご紹介した事例は1棟アパート・マンションですが、
補助金や助成金を活用した内窓の設置は区分マンションでも、ご自宅でも適用可能です。
なお、窓の大きさや性能によっても金額が変わるほか、
リノベーションの実施時期によって、どの制度が適用されるのかが変わることもあります。
事例でも紹介した、B様の物件で活用した制度「子育てエコホーム支援事業」は、
新しく「子育てグリーン住宅支援事業」に変更になりますし、
ドア交換単体での補助金が終了するなど、
補助金の支援状況や社会情勢に合わせて、制度の内容も変わります。
当社は、このような補助金や助成金の情報を常に収集し続けており、
オーナー様のご要望やご状況に合わせ、最適なプランをご提案いたします。
内窓の設置をはじめとした各種リノベーションで物件の資産価値向上を考えているオーナー様は
お気軽にご相談ください。
日本財託管理サービス ソリューション事業部 O・A
◆ スタッフプロフィール ◆
鹿児島県鹿児島市出身の27歳。
ソリューション事業部オーナーサポート課にて一棟オーナー様向けに
大規模修繕や付加価値向上の工事提案を実施しております。
年末年始は鹿児島に帰省し、高校時代の部活の同期と新年会をしました。
各々家庭を持ったり仕事が忙しかったりする中、
今でも年に一回は集まれる友人に感謝しております。