10月から火災保険料が値上がり! 月々のキャッシュフローの悪化を予防する 損害保険の見直しとは

2019/08/22

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昨今の頻発する災害を踏まえ、2019年10月から火災保険料が一斉に値上げされます。

大手損害保険4社の全国平均では、5~9%の値上げ。

なかには、20%を超える大幅な値上げとなるケースもあります。

収益不動産を所有するオーナーにとって、収支にも大きく影響しかねません。

特に1棟アパートを所有している場合、保険料も高額になるので、負担も大きくなります。

ただ、影響は大きくなるといっても、保険の見直しを行うことで、月々の負担を軽減することができることもあります。

そこで、今回は火災保険料の値上がりを前に、保険の見直しを行うためのポイントをご紹介します。


そもそもなぜ、火災保険料の値上げが決まったのでしょうか。

それは、多発する災害に呼応するように、

保険を活用して復旧する頻度が増加したことが原因です。

増加する災害への補償として2018年度に支払われた損害保険金は、およそ1兆3000億円にのぼります。

これは、東日本大震災で支払われた保険金とほぼ同額となっています。

しかも、今回の保険料の改定は2017年3月までの支払い実績に基づくもので、2018年度に発生した一連の自然災害は含まれておりません。

そのため、近いうちに再度改定が実施される可能性もあるのです。

やむを得ないとはいえ、不動産オーナーにとっては大きな影響を及ぼします。

そこで、有効な手法が保険を見直すことで、適切な保険料や補償内容に切り替えることです。


損害保険の見直しには、3つのポイントがあります。

1つは、長期契約に切り替えることです。

火災保険の契約期間は、1年から最長10年まで選ぶことができます。

保険料が改定される前に、なるべく長期の契約を結んでおくことで、次回更新までは値上げの影響を受けません。

また長期契約を結ぶことで、1年あたりの保険料も割安にすることができます。


2つ目は、補償内容の見直しです。

火災保険の対象は、上述の水災以外にも、火災や風災、落雷、破裂、爆発など
多岐にわたります。

この中から、所有されている物件の立地や状況にあわせて、不要な項目を外し、補償内容のスリム化を図ることで保険料を節約することができます。


3つ目は、免責金額の設定です。

免責金額とは、損害額のうち自己負担する金額です。

この免責金額が高いほど、保険料が安くなるため、無理のない範囲で再設定を検討してみることもできます。


このように、保険料の値上がりを前に3つのポイントをおさえながら見直すことで、

適切な補償内容を備えたうえで、月々の保険料を抑えながら運用することができるのです。

保険の適用として、最も多い原因は「水災」ですが、当社のオーナー様でも、適切な保険に加入されていたことで、保険金の範囲内で復旧をすることができた方がいらっしゃいました。

そのオーナー様は、一階が半地下になっている杉並区の一棟物件を所有していました。

昨年、急な集中豪雨で近くの下水道が決壊してしまい、溢れた水が半地下のお部屋に流れ込んできてしまったのです。

幸い大きな被害は出なかったものの、1階の数室で床や壁が濡れてしまい復旧が必要となってしまいました。

ただ、このオーナー様は必要な補償内容が備わっている損害保険に加入していました。

被害の状況から保険の適用が決まり、300万円の保険金を受領することができ、無事に復旧することができたのです。

しかし、加入している保険の種類によっては、十分な保険金を受け取れないこともあります。

割安な保険料の損害保険を加入していたことで、修繕費用を賄えずに、自己負担が生じてしまったケースもあります。

このような事態に陥らないためにも、保険に加入したままにするのではなく、適宜内容の見直しを行うことが重要なのです。

また、補償の範囲も確認が必要です。

例えば、台風の被害が出た場合、修理費の保険適用だけでは不足してしまうケースもあります。

それは、損害範囲の確定をしたり、被害のあった部分の仮修理費用、また、残存物の片付け費用などが修理費以外にも発生するからです。

保険のなかには、修理費以外は保険の対象外となっているものもあるので、選ぶ際には注意が必要です。


ただ、契約している保険の中身は複雑なものが多いことも事実です。

10月の保険料の値上げを前に、保険の見直しをご検討される場合には、ぜひお気軽にご相談ください。

日本財託管理サービス 管理部一棟ソリューション課
笠原 良太(かさはらりょうた)
 
◆ スタッフプロフィール ◆
 
東京都八王子市出身の40歳。
 
管理部一棟ソリューション課として、賃貸経営の収益力を改善する設備投資や、リノベーションなどの提案を行っている。
 
趣味は釣り。
昨夏、同僚たちと行った北海道遠征で、午前3時起床、雨風吹き荒れる中でも、釣りを楽しめるくらいには釣りバカ。

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