ライフスタイルにあわせて間取りを変える!?分割工事による収益改善事例
2017/01/05
新年あけましておめでとうございます。
今年もマンション投資に役立つ情報をお届けしていきますので、
どうぞお付き合いください。
お正月休み中、新居を購入したという友人の家を訪ねました。
新宿区にある40平米ほどの1LDKのマンションです。
新婚間もない友人夫婦は、2人で暮らすにはぴったりのサイズだといいます。
また、二人とも働いているため、
部屋は多少狭くなっても、勤務先に近い新宿区に住みたいと考えたそうです。
実は、いま首都圏を中心に専用面積30~50平米の
コンパクトマンションが人気を集めています。
10年前の2005年、首都圏では8万戸超の新築マンションが供給され、
そのうちコンパクトマンションのシェアは10%程度でした。
2015年には総供給数が4万戸台と半減するなかで
シェアは15%と伸びています。
子供を持たない夫婦にとっては、
郊外でファミリー層が住む広すぎる部屋を持つよりも、
仕事にも遊びにも便利な都内で自宅を持つ方が、
魅力的に見えるからです。
こうしたライフスタイルの変化を見ると、
今後、ファミリータイプをはじめとした広すぎる部屋は、
ますます入居者が決まりづらくなることも考えられます。
ファミリータイプの間取りのまま、募集を続けるよりも、
思い切って、間取りを変更してしまうのも有効な手段です。
今回のコラムでは、
100平米の4LDKの部屋をリノベーション工事で、
2つの部屋に分け、収益改善を行った事例について、
ご紹介していきます。
「次はいつ空室が埋まるのか、不安なんです。何か良い手はありませんか?」
オーナーのAさんが所有するのは、
墨田区の「東向島」駅から徒歩6分、
築15年の鉄筋コンクリート造4階建ての一棟マンションです。
総戸数43戸のうち、
ほとんどの部屋の間取りがワンルームでしたが、
最上階は4LDKの部屋でした。
この部屋は100平米もあり、
もともとは前オーナーの住居として使われていました。
Aさんは別の場所に自宅を所有しているため、
オーナーズルームも他のワンルームと同じように、
賃貸に出していたのです。
オーナーズルームの前入居者が退去した際に、
長期間、空室が続いたこともあり、
今度は早期に空室を埋めたいと相談を受けたのです。
オーナーズルームの募集家賃は16万円でしたが、
地域の賃貸需要を考えると、
100平米の高額家賃のファミリーマンションよりも、
家賃の手ごろなワンルームのほうが適しています。
実際、同じマンション内のワンルームは、
およそ20日程度で次の入居者が決まっていました。
このままの状態で募集を開始したところで、
苦戦することは目に見えています。
そこで、この100平米のオーナーズルームを
2LDKとワンルームに分割する
リノベーション工事を行うことにしたのです。
部屋の広さを考えると、
ワンルーム3戸に分割するという考え方もありました。
しかし、キッチンやユニットバス、トイレなどの水回り設備や
給排水管、そして給湯管も引き直さなければならないため、
その分費用が割高になってしまいます。
その点、2LDKとワンルームの2部屋であれば、
費用も抑えられます。
また、2LDKなら新婚さんやカップルが同棲するにも
ピッタリの間取りと広さです。
分割工事が終わったのは8月の閑散期でしたが、
2LDKは13万円、ワンルームは7万円で入居募集を開始すると
ワンルームが2日、2LDKが6日で
次の入居者を決めることができました。
では、ここで分割工事によって、
どのくらい収益改善が行われたのか、
その効果について確認してみましょう。
分割工事前のオーナーズルームの募集家賃は16万円でした。
ただ、前回は空室を埋めるまで半年かかっていたので、
募集時の年間家賃収入額は半年分の96万円でした。
一方、今回の分割工事では1500万円がかかり、
分割工事後の2LDKとワンルームの2戸をあわせた
月額家賃の総額は20万円、年間240万円の収入です。
96万円の収入と比較すると、
年間144万円の収益改善になりました。
また、リノベーション工事費用が1500万円でしたので、
この工事の運用利回りは16%になります。
つまりリノベーション費用も約6年で
回収できる見込みです。
もし、オーナーズルームのままにしていたのであれば、
退去が起きる度に、長期にわたる空室が発生する
恐れがありました。
地域の賃貸需要に見合った間取りに変更することで、
退去があったとしても、すぐに次の入居者が決まるマンションに
生まれ変わることができたのです。
もし、広めのファミリーマンションをお持ちで
入居者募集で苦戦するようであれば、
今回のように思い切って間取りを変更することも大変有効です。
私たちは賃貸需要を見極めて、
早期に空室を解消し、収益力を改善する
リノベーション工事の提案を行っております。
空室でお悩みのお部屋をお持ちの方は
ぜひお気軽にご相談ください。
日本財託管理サービス 管理部一棟建物管理課 春本 紘平(はるもとこうへい)
◆ スタッフプロフィール ◆
東京都中野区出身の38歳。
管理部一棟建物管理課として、
修繕工事の提案や建物の資産価値を長期に渡って維持するために
外観のリノベーション、水道管のオゾン洗浄などの提案を行う。
前職は建設会社の現場監督。
その経験と建物の知識を生かし建物の資産価値の維持・向上を目指している。
仮想と現実を融合したオンラインゲーム『イングレス』(Ingress)にハマり、
延べ走行距離は日本縦断に相当する2500キロを達成する。