父の財産を母のためには使えない!?成年後見人の思わぬ落とし穴

2017/03/02

今週の火曜日に放送されたNHK『クローズアップ現代+』にて、

相続対策イノベーションとして「家族信託」が取り上げられました。

事前にメールでもお知らせいたしましたので、
ご覧になった方もいるかもしれませんね。

◆クローズアップ現代+
『さらば 遺産"争族"トラブル ~家族で解決!最新対策~』
http://www.nhk.or.jp/gendai/articles/3942/index.html

私も家族信託コーディネーターとして、
番組に出演いたしました。

実は、今年になってから、
多くのメディアから取材を受けています。

朝日新聞出版のAERA1月23日号でも、
「家族信託」の特集が組まれ、
インタビュー記事が掲載されました。

いまこれほどまでに家族信託に注目が集まっているのは、
急増する認知症問題と深く関係しています。
 
たとえば、認知症になり、判断能力がなくなるか低下すると、
ご自宅の売却も事実上できなくなり、
財産管理の面で不具合が生じます。

そこで、事前に家族信託契約を結んで、
財産管理を受託者であるお子様たちに任せておけば、
 
万が一、認知症になったとしても、
信託財産として委託した財産は、
契約の範囲内で自由に契約行為をすることができます。

これまでの認知症対策でも、
同じような財産管理を行う成年後見制度がありましたが、
必ずしもすべての場面で使い勝手がよいとは言えない制度でした。


そこで、今回のコラムでは、
実際にあったお客様の事例に基きながら、
成年後見制度では解決できない家族信託の魅力について、
お伝えしています。


ご紹介するのは、家族信託により、
お父様の認知症リスクに備えながら、
両親の将来の生活を支えるために
家族信託を活用したAさんの事例です。


ご両親は80代、ご夫婦共有名義の自宅マンションにお住まいでした。

お父様が要介護状態となり、
老人ホームへの入居が決まったのをきっかけに、
残されたお母様も一人暮らしには不安を感じ、
施設に入ることを希望されました。

そうなるとマンションが空き家になるので、
今後の介護費用に備えるためにも、
売却を考えて地元の不動産会社に相談を持ちかけたのです。

すでにお父様の体力も低下しており、
さまざまな契約手続きを自身で行うのが難しい状況でした。

不動産会社から「成年後見人制度を検討してみては」と勧められて、
司法書士の先生に相談してみたところ、
なんと強い反対を受けることになったのです。

『ちょって待ちなさい、Aさんね。
簡単に成年後見人になるっていうけれど、
そんなに単純な話じゃないですよ。絶対に辞めた方がいい』

司法書士の先生が、これほど強く反対されたのは、

もちろん理由があります。

このような状況でA様がお父様の後見人になると、
お父様の財産をお父様の介護のためには使えたとしても、
お母様のためには1円も使えなくなってしまうからです。

成年後見制度の目的は、
あくまで被後見人の財産保全です。

家庭裁判所によって選任された成年後見人であっても、
本人のためにしか財産を使うことができないというのが実情です。

お母様はずっと専業主婦だっただけに、
年金も少なく、途端に生活に困ることになります。

また、Aさんがお母様の生活費を負担するといっても、
それにも、限界があります。


さらに、お父様はここ最近は物忘れも増え、
いつ認知症になってもおかしくない状況です。

認知症になってしまい、判断能力がなくなると、
契約行為ができませんから、
マンションの売買はできなくなります。

「父の財産を母のためには使えないのか」

Aさんは、初めて直面している現実の厳しさを実感。
 
代わりの策も見つからないまま、頭を悩ませていたなか、
「家族信託」に一筋の光を見出されました。


家族信託であれば、信託財産として委託した財産は、
契約の範囲内に自由に契約行為をすることができます。
 
委託を受けた信託財産をもとに、
ご両親の生活をサポートすることができるのです。


ただし、家族信託の場合は信託契約を結ぶという法律行為が必要なので、
認知症になり、判断能力がなくなると利用することが難しくなります。

お父様の状態を考えれば一刻も早い対応が必要でした。

そこで、すぐに詳しい話をさせていただき、
Aさんからご両親にも事情を話していただきました。

「お母さんの生活を助けられるのはお父さんしかなく、協力してほしい」

Aさんの気持ちが伝わったのか、無事にお父様に同意をいただき、
司法書士の立ち会いのもと、まずはお父様と信託契約を交わしました。

信託財産はマンションと預貯金のすべてです。

マンションは共有名義となっていたので、
後日、マンションの残り2分の1を所有するお母様とも、
同様に信託契約を結びました。

これで、万が一お母様が認知症なった場合にも
備えることができました。

現在は、マンションをそのまま遊ばせておくのはもったいないという、
お母様の希望で、当社でマンションの売却のお手伝いをしています。


すでに信託契約を終えているため、
両親に負担をかけることなく
Aさんの手続きだけで売却が可能です。

家族信託によって、認知症による資産凍結を避けながら、
将来の介護費用のめどをつけることができました。


今回、ご紹介した事例のように、同じ財産管理といっても、
利用用途が限られている成年後見制度と家族信託では、
使い勝手の良さが大きく異なります。


超高齢化社会を迎え、認知症が社会問題になるなか、
Aさんのように事態が差し迫ってから、それでは対応できないことに気付き、
慌てる人も少なくありません。

いざという時に慌てないためには、
早め早めに対応しておくことが必要です。
 
通常の相続対策と違って、家族信託はあくまでもご両親の生活を
いかに家族で支えるかという話が先で、相続はあとの話です。
 
これまでの相続対策がご両親の亡くなられた後の話で、
切り出しづらいという方も、
家族信託であればずっと話もしやすいはずです。
 
高齢化による認知症問題はどのご家庭でも
起こりうる問題です。
 

解決策のひとつとして、

「家族信託」も選択肢のひとつに入れてはいかがでしょうか。


日本財託 資産コンサルティング部 家族信託コーディネーター

横手 彰太(よこてしょうた)


◆ スタッフプロフィール ◆

鹿児島県阿久根市出身の45歳。

資産コンサルティング部アセットプランニング課のメンバーとして、
相続対策や法人設立など、お客様の資産を守り増やしていく提案を行っています。

大学卒業後、スペイン留学を経て大手上場企業に就職、海外勤務を中心に活躍。
その後、北海道で飲食店経営と異色の経歴の持ち主。

◆ 家族信託の新刊「相続対策は東京中古ワンルームと家族信託で考えよう」

https://www.amazon.co.jp/dp/4295400297

SEMINAR・CONSULTATION

セミナー・相談会 開催中

あなたに合った方法で学べるから「不動産投資」のことが良くわかる!
日本財託でしか聞けない 不動産投資セミナー
こんな方にはセミナーがおすすめ!
  • 不動産投資をはじめて学ぶ方
  • 不動産投資の未経験者
  • 基本から応用まで幅広く知りたい方
  • なにから勉強したらよいかわからない方

当社オーナーの7人に1人がFIREを実現!
実践に基づく【鉄板ノウハウ】が学べます

  • 毎週変わる、セミナーテーマと特別講師!
    1億を稼ぐ資産家や現役サラリーマンオーナーが限定登壇
  • 普通のサラリーマンでも
    10年で経済的自由が目指せるテクニックを大公開
  • 値上がり、節税のようなうまい話ではなく
    長期的、安定的に家賃収入を得る方法が学べる
  • メリットからリスク、家賃収入の増やし方まで
    不動産投資がイチからわかる
※セミナー終了後に個別相談会も行っています!
しつこい電話や強引な営業一切なし 無料個別相談会
こんな方には相談会がおすすめ!
  • まず何から検討するべきか分からない
  • 投資用ローンを組めるか知りたい
  • 投資物件の情報が知りたい
  • 区分と一棟どっちで始めるべき?

他社からすでにご提案を受けている案件の
アドバイスも大歓迎です!

  • お好きな日時、オンラインで気軽に相談OK
  • いつまでに、どれぐらいの収入を作れるのか
    お伝えします
  • セミナーで伝えきれない投資の注意点もわかる
  • 資産を効率的に増やすローンの使い方、
    提携ローン、自己資金
    の活用法をご紹介
  • 投資のご質問やご不安な点を全てお答えします
※参加者には不動産投資の書籍をプレゼント!

当社はしつこい電話・強引な勧誘は一切行っておりません。
安心してお問い合わせください。

お電話でのお問い合わせ

営業時間/平日9:00~18:00

  • ご質問だけでもOK
  • 資料請求も承ります