低金利を活かして資産形成を加速!返済額軽減型の繰り上げ返済
2017/06/08
昨年の2月、日銀がマイナス金利政策を導入して以来、
住宅ローンの金利と同じように投資ローンの金利も、
過去に例がないほどの低い水準で推移しています。
この好機を活かして、
不動産投資を始められる方もますます増えています。
投資用マンションの手取り利回りと借入金の差が
取れているいまは、不動産投資をはじめる良い機会です。
しかし、低金利だからといってローンをそのまま
借りっぱなしにして良い訳ではありません。
いつ金利が反転して、上昇するか分かりません。
金利上昇リスクに備え、
さらに、ローン完済後の家賃収入を
次のローン返済に充て、資産形成に加速をつけるためにも、
繰り上げ返済を積極的に行うことが大切です。
そして、繰り上げ返済には、
毎月の返済額は変えずに返済期間を短くする「期間短縮型」と
返済期間はそのままで毎月の返済額を減らす「返済額軽減型」の
2つの種類があります。
一般的には、期間短縮型のほうが、
支払利息の節約効果が高いことから、
多くの方がこの期間短縮型を選択されています。
ただ、返済額軽減型にも
期間短縮型に負けないメリットがあり、
条件がそろえば同じような利息の軽減効果を期待することもできます。
今回のコラムでは、
繰り上げ返済の2つの返済手法を比較しながら、
あなたにあった繰り上げ返済の方法を紹介していきます。
まず、改めて期間短縮型と返済額軽減型の
それぞれの特徴を確認していきます。
期間短縮型の場合、支払い利息の
大きな軽減効果が見込めるというメリットがあります。
ただし、利息の軽減効果があるといっても、
その効果を実感できるのは、ローンを完済後になり、
返済期間中は月々の返済額は変わりません。
繰り上げ返済を行うと、
一時的に手元現金が大きく目減りするため、
万が一、病気や事故で長期の入院を余儀なくされて、
現金が必要になる時のことを考えると、
思い切ってなかなか繰り上げ返済を
できないという方もいらっしゃいます。
一方、返済額軽減型の場合は期間短縮型ほどの
支払い利息の軽減効果はありません。
ただ、月々の返済額は繰り上げ返済を行うごとに増えていくので、
手元資金に余裕が出ます。
そのため、購入時に投入した自己資金が少額のため、
手取り家賃収入からローン返済額を差し引いた手元現金が少ない方は、
返済額軽減型を選んだ方が、余裕をもった不動産経営が可能になります。
また、月々の返済比率を抑えることができるため
ローンが通りやすくなる効果もあります。
返済比率とは、年収に対する年間返済額の割合のことを指します。
たとえば、年収が500万円の方が
毎年ローンを100万円返済しているとすると、
返済比率は20%になります。
金融機関は返済比率も融資基準の一つとして検討しているので、
返済比率が下がるほど、ローンが借りやすくなるのです。
現状の返済比率が高い方は、
完済まで待たずとも、返済比率を下げることで
次の物件を購入することも可能です。
このように、
期間短縮型には大きな利息の軽減効果があり、
返済額軽減型には、手元資金が増えていくので、
余裕を持った不動産経営が行えるというメリットがあります。
実は、いまの低金利の状況では、返済額軽減型の繰り上げ返済でも、
期間短縮型とほぼ変わらない返済年数、
そして支払利息の軽減効果を期待することができます。
それでは、実際に具体的な数字を用いて、
シミュレーションしてみましょう。
価格1880万円の物件を
金利1.85%、借入期間35年のローンを利用して
購入したケースで考えます。
手取り家賃収入から毎月のローン返済額を差し引いた
手元現金は毎月3860円、年間46320円です。
この手元に残る現金に加えて、
毎年100万円を繰り上げ返済していきます。
このとき、期間短縮型の繰り上げ返済を行った場合、
完済までの期間は13年1か月となります。
繰り上げ返済を全くしなかった場合、
借入期間中の総支払利息額は約675万円ですが、
期間を短縮したことによって、
支払利息額は約230万円にまで軽減されます。
では、同様の繰り上げ返済を
返済額軽減型で行った場合を考えていきましょう。
繰り上げ返済を毎年行うにつれ、
1年目には手元現金が46320円であったものが、
2年目には約87000円、
3年目には約132000円と増えていくので、
繰り上げ返済額も増えていきます。
すると、ローン完済までの期間は、13年1か月となり、
期間短縮型と変わりません。
また、利息の軽減効果は、期間短縮型と同じ
約230万円でこれもほとんど変わりません。
このように、いまの低金利の状況であれば、
返済額軽減型の繰り上げ返済であっても、
期間短縮型と同じようなメリットを享受することができます。
返済期間中の手元現金は返済額軽減型のほうが余裕があり、
精神的なゆとりもできるので、
繰り上げ返済のモチベーションも保ちやすくなります。
ただ、低金利のいまは、支払利息が少ないため、
両者の利息軽減効果はほぼ変わりませんが、
金利が上昇すると、やはり期間短縮型のほうが、
利息の軽減には大きな効果を発揮します。
2つの繰り上げ返済の方法の特徴と
返済のタイミングをよく検討したうえで、
ぜひ、あなたの投資スタイルに合った
最適な繰り上げ返済の方法を選んでみてはいかがでしょうか。
日本財託 資産コンサルティング部 岩脇 勇人(いわわきはやと)
◆ スタッフプロフィール ◆
横浜市出身の24歳。
資産コンサルティング部で、
東京中古ワンルームマンションを通じて
お客様の老後の不安を解消するお手伝いをしています。
最近ハマっているのは、ジャッキー・チェン主演の映画鑑賞。
本編はもちろん、エンドロールのNGシーン集が楽しみで、
立て続けにDVDを借りています。