閑散期こそ問われる入居者募集力!空室を埋める3つの工夫
2017/06/15
6月に入り、賃貸市場は
閑散期と呼ばれる時期に入っています。
1月から3月は引越しする人が多い
いわゆる繁忙期でした。
その後、4月からは問い合わせが、
徐々に減少していきます。
入居希望者が少ないので、
この時期の空室は長引く可能性が高くなります。
このような時にこそ問われるのが、
賃貸管理会社の入居者募集力です。
閑散期でも、ちょっとした工夫一つで、
内見してすぐに申し込みが入ることがあります。
また閑散期を見据えて、
年間を通じた継続的な取り組みを行うことも欠かせません。
当社では閑散期に入ってからも、
4月は99.30%、5月は99.00%
と、高い入居率を維持しています。
そこで、今回のコラムは
閑散期の入居者募集でのポイントを3つ、
ご紹介したいと思います。
1つ目のポイントは、
室内設備の見直しです。
繁忙期はお部屋を探す人が多いので、
目当ての部屋があったら、すぐにでも申し込みを入れないと
別の希望者に部屋を契約されてしまいます。
そのため、この時期はお部屋を見ずに、
物件図面だけで判断して、
契約する人もたくさんいらっしゃいます。
一方で閑散期は、繁忙期ほどお部屋を探す人がいませんから、
内見してから、ゆっくり部屋を決めるという人も増えます。
だからこそ、内見で実際に目に見える
ほんの少しの設備の違いが、
空室解消の決め手となりえるのです。
空室に悩んでいた
そのオーナー様からご相談があったのは
繁忙期が終わった4月のことでした。
物件はJR山手線巣鴨駅徒歩3分、
築30年、RC造のワンルームマンションです。
すぐ近くにコンビニもあり、
立地は抜群です。
しかし、一度入った申込みがキャンセルに
なったりする間に繁忙期は終わり、
もう3カ月近くも空室が続いていました。
私たちは新たな物件をお預かりする際、
必ず現地に足を運んで、改善ポイントや、
入居者にアピールできる点を探します。
早速現地を訪れると、
気づいた点が2つありました。
一つは、室内設備の故障が、
そのままに放置されていたことです。
備え付けの照明は、
4つ灯るはずの電球が半分の2つしか
付かない状態でした。
電球が切れているわけではなく、
器具自体が壊れているようです。
また、よく見るとトイレのペーパーホルダーも、
壊れてロールが挿せない状態です。
これでは、せっかくお部屋に内見に来ても、
マイナスイメージが付いてしまいます。
もう一つは、コンロが古いタイプの
電気コンロだったことです。
入居者から人気のIHコンロに替えることで、
改善が見込めると考えました。
そこで、募集前にこれら3つの設備交換を提案し、
ご承諾いただきました。
募集を開始したわずか1日後、
内見から入居申込みが入りました。
交換にかかった費用は、
ペーパーホルダーの交換に3000円、
IHコンロに約3万円。
その他、水回りの防水工事のやり直しなど、
軽微な修繕も行い、オーナー様の負担額は
総額約7万円でした。
家賃は6万3000円ですので、
投資金額は1か月余りで回収することができます。
最小限のコストで、
閑散期の機会損失を食い止めることができました。
2つ目のポイントは、
多様な賃貸需要の受け入れ体制です。
この物件に入居したのは、
海外からの留学生でした。
当社では専門部署を設置して、
外国人入居者の対応に力を入れています。
来日前から入居後の生活まで、
ネイティブスピーカーのスタッフが
しっかりサポートを行っています。
外国人入居者の中でも、
特に人数が多いのは中国からの留学生です。
留学生の来日タイミングは、
日本語学校の学期の始まりに合わせて、
3月、6月、9月、12月と年に4回あります。
3月は通常の繁忙期と重なりますが、
繁忙期以外にも、年に3回、
通常であれば入居希望者が少ない閑散期に
賃貸需要を取り込むことができるのです。
また、法人の借り上げ社宅の斡旋にも、
取り組んでいます。
先月末、常磐線亀有駅徒歩7分の
物件にお申込みをいただいたのは、
フィットネス事業を展開する企業の
24歳中途入社社員でした。
法人社宅も人の移動のピークは
やはり繁忙期です。
ただ、それだけではなく、
新入社員が研修後に配属となる4月から5月、
そして異動がある9月から10月などに、
別の賃貸需要を生み出します。
ただ、これらの体制づくりは、
一朝一夕でできることではありません。
閑散期を見据え年間を通じた取り組みができる
賃貸管理会社の底力が問われます。
最後のポイントは、
実際に入居者をご案内する
仲介会社の担当者へのフォローアップです。
当社では5000社の仲介会社ネットワークに
毎日、空室情報を発信しています。
それだけでなく、営業担当者が
仲介会社を訪問して、物件の魅力を直接紹介すると共に、
信頼関係を深めています。
これらに加え、この4月から、
昨年の11月に設立した秋田コールセンターを活用した
取り組みを開始しました。
秋田コールセンターは、仲介会社の受付窓口として、
物件の空室確認や内見予約の電話を受け付けています。
繁忙期ほど受電件数が多くないこの時期であれば、
電話を受けるだけでなく、
こちらから積極的にアプローチすることが可能です。
そこで、内見予約をした仲介会社の担当者に
アフターフォローの電話を入れています。
内見の結果、入居希望者がどういった反応だったか、
またお部屋の中で気づいた点がないかを、
細やかにヒアリングするのです。
その中で、
『バルコニーに落ち葉が溜っていて気になる』
『キッチンに羽虫がいた』
など現地に行かないと分からない情報が
得られることもあります。
改善すべきポイントをいち早くキャッチし、
翌日には現地へ赴いて対応することで、
空室期間の短縮へとつなげています。
今回ご紹介したこの3つのポイント以外にも、
閑散期であっても空室期間を短くするための
様々な取り組みを実施しています。
閑散期の空室は長期化する傾向があるので、
まだ空室が続いている物件をお持ちの方は
ぜひお気軽にご相談ください。
日本財託管理サービス 賃貸営業部管理受託課 堀 正明(ほりまさあき)
◆ スタッフプロフィール ◆
埼玉県久喜市出身の34歳。
賃貸営業部管理受託課に所属し、賃貸管理のご相談窓口として、
オーナーに信頼のできる賃貸管理会社の大切さをお伝えしている。
1歳になった娘に毎朝起床の30分前体当たりで起こされている。
娘の就寝時間を30分遅くすれば良いかと試みるが
起床時間は変わらず、
娘の体内時計の正確さに驚かされている。