当社では中古のワンルームマンションを

投資物件としてご紹介しています。
　
不動産投資を検討される方から、
『本当に古くても入居者が入るの？』
といったご質問を頂くことがあります。
　
もちろん中古物件であっても、
賃貸需要の確かな東京２３区内の駅から１０分以内の立地であれば、
１ヶ月以内に次の入居者が見つかることがほとんどです。
　
また、空室解消のもう一つのポイントは、
リフォーム工事です。
　
入居者が退去するたびにリフォーム工事を実施するので、
中古物件といっても、室内はとても綺麗な状態に保たれています。
　
室内のクリーニングや壁紙の張り替え、
フローリングワックス等、リフォーム工事を行って、
すっかりあたらしい部屋に生まれ変わらせるのです。
　
入居者に気持ちよく住んでいただけるよう、
住環境に気を配ることは、賃貸管理の大切な要素の一つです。
　
ただ、悩ましいのはコストです。
　
リフォーム工事を行うためには、
それ相応の費用が発生します。
　
また、入居者の入れ替わりのたびに
工事を実施する必要があるので、できるだけ工事費用は抑えたいものです。
　
　
そこで、コストを削減し、オーナー様の負担を軽減するために、
当社が最近取り組んでいる工事が、
壁紙を張り替えずに再生する新工法です。
　
壁紙を張り替える代わりに、
既存の壁紙に塗料を上から塗って、
新品同様に仕上げるものです。
　
残念ながら、全ての物件で実施できるわけではありませんが、
壁紙の状態によっては、
工事費用を削減することができます。
　
工事の質を落とさず、
少しでもコストを抑えて収益力を高める
新たな選択肢としてご提案を始めています。
　
そこで今回のコラムでは、
新工法によるリフォーム工事の実施事例と
効果についてご紹介したいと思います。
　
　
そもそも、一般的な壁紙張替え工事は、
どのような工程で行われるのでしょうか。
　
まず古い壁紙を剥がし、下地にへこみや
隙間がある場合はパテなどで埋め、
平らにならします。
　
その後、壁紙に糊をつけて、
専門の職人が空気が入らないよう、
丁寧に貼っていきます。
　
１部屋すべて終わらせるには、
およそ１日を要します。
　

一方、新工法では、
汚れた壁紙を張り替えずに、
上から特別な塗料を塗っていきます。
　
壁紙のわずかな凹凸は残しつつ、
汚れはすっかり綺麗になり、新品同様に仕上がります。
　
施工の際に、壁の穴や傷は再生してから塗っているので、
まるで壁紙を張り替えたような仕上がりになるのです。
　
この新工法は、壁紙の張り替えほど専門スキルを必要としないので、
当社の管理スタッフも自ら実施しています。
　
　
現場に入ると、
まずは床などを汚さないようシートを引き、
壁面の汚れや傷、剥がれの状態を確認して印を付けていきます。
　
次に、汚れの清掃作業です。
専用の洗剤を使って、ひとつひとつ、
汚れを落としていきます。
　
　
その後、壁紙が剥がれていたり、傷が付いている箇所を、
補修材で埋めていきます。
　
５００円玉より小さい傷や剥がれであれば、
後からその箇所が分からないほど綺麗に補修することができます。
　
その後、いよいよ塗料を塗る工程に入ります。
　
ベッドの設置跡が付いていたり、
くすみや汚れが残る箇所だけ本塗りの前に、
先に一度塗っておきます。
　
また、壁面と床の境目やコンセント、スイッチの周辺など、
細かい部分も先塗りします。
　
小さめのコテや筆を用いて、
隙間ができないように丹念に作業していきます。
　
広い部分は５０センチほどの大きなハケを用いて、
上から下へと塗布します。
　
力を入れすぎないのが、
ムラなく塗るポイントです。
　
その後、自然乾燥で定着させ作業完了となります。
　
　
水性塗料なので、万が一、床に落ちても、
すぐに拭き取れば問題ありません。
　
写真をご覧いただければ、
新品同様の仕上がりになっていることを
実感いただけるかと思います。
　
≪新工法による施工前後の比較写真はこちらから≫
http://www.nihonzaitaku.co.jp/bs/object/CrossMake_BeforeAfter_20170706.pdf
　
　
この新工法には、３つの大きな特長があります。
　
一番の特長は、壁面や天井の工事費用を
約３０％圧縮できることです。
　
壁紙を丸ごと張り替えるのに比べて、
約３分の２のコストで施工が可能になっています。
　
当社の内装工事単価は、
壁紙の張替えでは１平米あたり９００円で
ご案内しています。
　
新工法を使い、壁紙を張り替えずに
染色剤を塗る場合、１平米あたり６００円になります。
　
張り替える面積は居室の広さにもよりますが、
一般的なワンルームでシミュレーションしてみましょう。
　
２０平米のワンルームであれば、
壁面が約４１平米、天井は１８平米ほどになります。
　
壁紙の張替えの場合、費用は５万３１００円ですが、
新工法であれば３万５４００円です。
　
１回の内装工事につき、
１万８３００円の圧縮効果となります。
　
　
２つ目の特長は工期です。
　
面積にもよりますが、
施工に要する時間は半日程度と、
通常の壁紙の張り替えと比べて、約半分となります。
　
当社では、原則として７日間で内装工事を完了する
内装７日間ルールを設けていますが、
この工期内に実施可能です。
　
　
最後の特長は、安全・安心であることです。
　
ホルムアルデヒドなどの有害な物質は
含まれておらず、ぜんそくやアレルギーの人が利用しても、
全く問題がないことが実証されています。
　
壁を舐めてしまっても平気なほど安全ですし、
嫌な臭いもなく、ほのかなラベンダーの香りです。
　
施工したお部屋の入居者から、
これまでクレームが入ったことはありません。
　
また、これまで張替えの度に廃棄していた
壁紙のゴミも発生せず、環境にも優しいという利点があります。
　
　
メリットのある新工法ですが、
残念ながら、すべての物件でこの工法が
利用できるわけではありません。
　
ごく一般的な壁紙には施工可能ですが、
壁紙の材質によっては、
使用できないこともあります。
　
また、汚れが酷かったり、傷が深ければ、
塗料だけでは隠せないので、
やはり壁紙の張替えが必要です。
　
また、既存の壁紙と完全に同じ色になるわけでは
ないところもポイントです。
　
経年変化の具合にもよりますが、
壁の１面だけを白くすると違和感が出てしまうので、
張り替えたほうが統一感がでるケースもあります。
　
　
まだ取り組みを始めたばかりの段階なので、
新工法の実施例は多くはありません。
　
ただ、１回あたり１万円～２万円とはいえ、
不動産を長期的に安定運用する上では、
工事費用の低減は大切な要素の一つです。
　
新工法に限らず、内装工事の内容は、
質とコスト、そしてスピードの３つの面で
バランスが取れた最適な内容を
オーナー様にご提案させていただいております。
　
新しい技術を取り入れつつ、
これからも一日でも早く日割り家賃をお届けできるよう
取り組んでいきたいと思います。
　

日本財託管理サービス　管理部業務課　井上　貴幸（いのうえたかゆき）
　
　
◆　スタッフプロフィール　◆
　
東京都墨田区生まれ、埼玉県育ちの４６歳。
　
管理部業務課で１日でも早く次の入居が決まるよう、
内装工事手配をスピーディーに行っている。
　
人が嫌がることを率先して行う親分肌で仲間からの信頼も厚い。
愛犬はヨークシャテリアというギャップも人気の秘密。