高齢入居者の熱中症を防げ!賃貸管理会社の見守り活動

2017/07/20

昨日、梅雨明けが発表されました。

 
最近は、真夏日はおろか、
35度を超える猛暑日も珍しくなく、
いよいよ夏本番といったところです。

この時期に注意したいのは、
熱中症や日射病による体調の変化です。

特に熱中症による患者は暑さが本格化する
7月以降に多く見られています。

総務省の発表では、平成27年は7月が最多で
2万4000人を超える方が救急搬送されました。
 
5月から9月までに救急搬送された方の半数以上が
65歳以上の高齢者です。

さらに、平成27年度の熱中症による死亡者のうち、
65歳以上の高齢者の割合は80.7%で、
体力の衰えた高齢者ほど、
熱中症による被害も目立っています。
 
そのため当社でもご高齢の入居者への
熱中症予防に注意を払っています。

そこで今回のコラムでは、
高齢の入居者に向けて、この時期に行っている
当社の取り組みをご紹介します。


当社では入居者募集をする際には、
「65歳まで」という年齢制限を設けています。

ただ、昔から住み続けてくださっている入居者や
当社に管理をお任せいただいた時点で、
すでにお住まいになっている方もいるため、
一定数の高齢者がお住まいです。

1万7941戸の管理物件のうち、
65歳以上の入居者は227人で全体の1.41%。
そのうち約半数の102人が70歳以上の高齢者です。
 
そして、70歳以上の入居者に対しては、
毎月1回、電話で連絡を取り、
生活するうえで困っていることはないか確認を行っています。

2日間にわたって連絡が取れない場合は
お住まいを訪問して、入居者と顔を合わせるようにしています。

また、熱中症などの体調不良が懸念されるこの時期は、
より一層の注意を払います。

定期連絡はもとより、
エアコンはきちんと作動しているのか、
室内が高温になり過ぎていないのかまで確認します。
 
高齢者になるとエアコンの使い方が
分からなくなってしまうケースもあり、
使い方のレクチャーも行っています。

機器に不具合があれば、修繕の担当部署と連携し、
速やかに対応しています。


こうした取り組みを通じて、
高齢の入居者が快適にお住まい頂けるよう、
配慮しています。
 
 
ただ、なかにはすぐに連絡が取れない
入居者もいらっしゃいます。

つい1週間前にも、
連絡が取れない入居者がいました。

大田区の物件に住む男性のAさんは、
過去に脳の病気を2回患っており、
半身に麻痺が残っています。


現在Aさんは体に不自由があるため、
生活保護を受けています。
 
自治体の生活福祉課と連携し対応を行っていますが、
毎月欠かさず家賃は入金され、
指定日に遅れたことはありませんでした。

ところが、今月は指定日に入金がなかったのです。
 
すぐに連絡を取りたいところでしたが、
あいにくAさんは電話をお持ちではありません。


万が一のことを考え、
すぐに自治体の担当者に連絡を入れました。

翌日、自治体の担当者から連絡があり、
その前の週の月曜日に会っていることが判明。

先週時点での安否は確認できましたが、
すでに1週間以上が経過しています。

都内では連日30度を超えており、
電気代を節約するために、
エアコンを利用していなかったとしていたら、
室内はかなりの高温になります。
 
早速、ご自宅に訪問することにしました。

焦る気持ちを抑え、インターホンを押すと、

「はーい。どちら様ですか。」

インターホン越しに、のんびりした声が返ってきました。

「いつもお世話になっております。日本財託管理サービスです。」

中に入れてもらうと、
Aさんは何事もなくテレビを見ていたのです。

無事を確認し、ひとまず安堵します。

落ち着いたところで、
入金が遅れた理由を聞いてみると、

「入金場所まで遠いでしょ?
それに暑くなってきたから、つい後回しになったんだよ。」

確かに、最寄のATMまでは、
Aさんの体では片道20分程度かかります。

この炎天下で体も不自由なため
長時間の外出は大変です。

とはいえ、電話がないなかでは、
入金履歴が安否確認の手段になっている状況です。
 
そこで当社からは、
自治体が提供する「緊急通報サービス」を
申請することを提案しました。

このサービスは、その地域に住む65歳以上の方、
または心身に何らかの障害がある方が申請でき、

ペンダント型の発信機が貸与され、
ボタンを押すと委託会社へ通報が飛び、
緊急連絡先や消防庁、かかりつけの医療機関等に連絡されます。

また緊急連絡用にプリペイド式の携帯電話を
契約することも合わせて提案しました。

それぞれ費用もかかりますが、
万が一のこともあるので、Aさんにご検討頂くことになりました。

今回のAさんのケースでは
体調も問題ないことが確認でき、
事なきを得ました。


管理戸数の増加とともに、
定期的に連絡を取る必要がある入居者も増えていますが、
社内の体制を整備し、
日々の電話連絡や訪問を強化しています。

安心して長く住んでいただける入居者が多くなれば、
それが、オーナー様の安定した家賃収入につながります。

梅雨も明け、いよいよ夏本番を迎えますが、
高齢入居者一人ひとりに対し、きめの細かい対応を行い、
住みやすい住環境を提供していくことを心掛けていきます。


日本財託管理サービス 債権管理部 吉末 篤司(よしすえあつし)


◆ スタッフプロフィール ◆

東京都調布市出身の45歳。
 
債権管理部にて、滞納家賃の回収だけでなく、
高齢の入居者様への定期訪問を行っています。

ゴルフをここ5年ほど趣味として続けています。
コースも月一で出ており、先日も夏空のもと楽しんできました。

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