仕事も買い物も遊びも徒歩圏で!便利さに拍車がかかる都心生活圏の賃貸需要

2017/09/28

先日、リクルート住まいカンパニー社が、

『賃貸契約者に見る部屋探しの実態調査』を発表しました。
 
これによると、1都3県に住む賃貸契約者の
平均通勤時間は40.5分となりました。
 
3年前の42.1分から、平均通勤時間は
減少し続けています。
 
郊外の家に住み、都心の職場に通うというスタイルから、
いわゆる「職住近接」の流れが
進んでいることが見てとれる結果となっています。
 
このような都市住民のライフスタイルの変化に、
企業も対応し始めています。
 
郊外型店舗を中心に構えていた飲食店や小売店、
24時間型のサービスなどがここ数年で、
都心部に次々と進出しています。
 
不動産投資をする上で、こういった大きなトレンドが、
将来の賃貸需要に与える影響を捉えておくことは大切です。
 
そこで今回のコラムでは、ライフスタイルと経済活動の変化から、
東京の賃貸需要について考えていきたいと思います。
 
 
前述の調査で特に顕著にみられるのが、
ひとり暮らし層の職住近接志向です。
 
ひとり暮らし層の平均通勤時間は37.6分と、
全体平均よりさらに短くなっています。
 
通勤時間20分未満まで絞っても
回答者の24.6%を占め、
およそ4人に1人の割合になっています。
 
ここでの20分とは、玄関を出てから
職場までのいわゆるドアツードアの時間です。
 
つまり、この層は電車を利用しても2駅以内か、
徒歩または自転車で通勤をしていることになります。
 
「もうすぐ終電だから...」とは無縁の生活で、
タクシーも初乗り運賃の410円で
帰れてしまうかもしれません。
 
徒歩圏内や電車で2~3駅以内に住むことを条件に
住宅手当を出す会社も、珍しくはなくなってきました。
 
当社で借上社宅のご紹介をしている一般企業でも、
「店舗から2km以内」など場所を限定して、
お部屋探しをお手伝いするケースがあります。
 
そのほかにもIT系の企業や大手広告代理店、飲食業の会社で、
駅数あるいは通勤距離の指定によって
職住近接を推奨している会社が多くあります。
 
 
こういった都心住まいのライフスタイルは、
企業活動の場も変化させつつあります。
 
これまで郊外型の店舗を中心に展開してきた
企業も都心へと進出を始めています。
 
昨年、あきんどスシローは、
はじめて池袋に都心型店舗を出店しました。
 
同じく、ニトリも2015年から、
池袋、新宿、銀座と続々と都心部へと進出しています。
この6月には渋谷に9階建ての都心最大規模の
売り場を持つ店舗をオープンしました。
 
さらに、好きな時に誰でも自由に使うことのできる
「自転車シェアリング」が広がりつつあるのも、
東京都心です。
 
東京都心7区では、およそ4000台の
シェア用自転車が整備されています。
 
事前に予約すれば、専用の自転車置き場で、
ICカードや携帯電話をかざすだけで借りられます。
 
車を所有しない都市住民の足として支持されています。
 
どうしても車を使う必要があれば、
カーシェアリングもあります。
 
東京23区内に、カーシェア大手3社だけでも、
5000箇所にのぼる拠点が設置されています。
 
ほとんどの駅徒歩圏内から利用可能です。
 
こういった衣食住に関わる身近なサービスが都心で増えていることは、
生活圏が郊外から都心へと移りはじめている証と
言えるかもしれません。
 
 
また、通勤時間が短ければ、
夜遅くまで活動する生活スタイルも可能になります。
 
都心部では24時間使える
フィットネス施設が増えています。
 
遅くまで仕事があっても運動を毎日の習慣にしたい
20代~40代を中心に、
手頃な価格設定で需要を取り込んでいます。
 
レジャーの面では、今年の夏、
都心に所在するホテルやレジャー施設で
ナイトプールがブームになったのも記憶に新しいところです。
 
こういった夜間に行われる経済活動は、
「ナイトタイムエコノミー」と総称されています。
 
その一つといわれるハロウィン市場は、
バレンタインデーを上回る1345億円にのぼるとの
推計もあります。
 
 
このように、職場や学校だけでなく、
生活の場が都心に集まることによって、
さらに生活ニーズによる需要が生まれます。
 
かつて都心のなかでもビジネス街に近いエリアは
生活しづらいというイメージを持つ方もいらっしゃいました。
 
しかし今では「都会の真ん中で暮らす」という
選択肢はごくごく当たり前になりつつあります。
 
実際、昨年1年間で東京への人口流入超過数は、
7万4千人にのぼりますが、その9割以上は20代の若年層です。
 
活発な経済活動で街の魅力が高まり、
ますます若年層が集まり、活力を生み出すという
好循環が東京にはできています。
 
ライフスタイルのトレンドを捉えて、
賃貸需要の底堅い都心で不動産投資を始めましょう。
 
 
日本財託 マーケティング部 横尾 幸則(よこおゆきのり)
 
◆ スタッフプロフィール ◆
 
埼玉県大宮市出身の29歳。
 
マーケティング部で、セミナーやHPの運営、
メールマガジンの執筆や広報活動を通じて
東京・中古・ワンルームの魅力を多くのお客様に伝える。
 
昨年から山手線沿線に引っ越し、
通勤時間を半分にする職住近接を実践中。
 
生活は充実したものの、歩く時間が減ったからか、
お腹がへこまない。

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