大学の都心回帰に歯止め!?それでも東京が若者を集める理由

2017/10/19

先月、文部科学省から一つの告示が

発表されました。
 
それは、
『2018年度の東京23区私立大学の定員増を認めない。
そして2019年度の大学新設を認めない』
という内容です。
 
これは地方創生に関わる有識者会議の
意向を踏まえた方針です。
 
学生不足に悩む地方大学や、
道府県知事からの声を受け、地方からの
学生の流出に歯止めをかける狙いがあります。
 
この10数年、大学への都心回帰は
加速する一方でした。
 
日本財託では、各大学の公表資料から、
今後のキャンパス移転について調べています。
 
2017年4月以降に、
少なくとも2万人以上の大学生が
東京23区にやってくると見込まれています。
 
 
今回のコラムでは、
大学の都心回帰を抑制する動きを踏まえて、
東京の賃貸市場の未来を考えていきたいと思います。
 
 
まず、どのくらいの若者が大学進学と共に、
移動しているのか現状を見てみましょう。
 
総務省の2016年住民基本台帳データを
世代別にみると、15~19歳で、
東京は16544人の転入超過です。
 
これらの転入のほとんどが2~4月に
集中しています。
 
このことからも、進学を機に上京する学生が
相当数いることが分かります。
 
この5年間だけでも、この年代の約8万人が、
新たに東京へとやってきました。
 
対して、地方からは学生の流出が続いています。
 
2016年の同じデータでは、
たとえば鹿児島県からは3000人以上、
青森県、熊本県、長崎県、宮崎県からも2000人以上が、
県外に流出しています。
 
 
では大学の定員増や新設を抑制することで、
この流れは止まるのでしょうか。
 
若者はもう東京に
来なくなってしまうのでしょうか。
 
 
結論から言えば、
影響は非常に限定的と考えられます。
 
最大の理由は、大学進学よりも、
就職を機にして上京する若者の人口のほうが
多いからです。
 
先ほどのデータで、20歳~24歳の年代では、
東京は51037人の転入超過です。
 
直近の5年間では約23万人にのぼります。
 
これは、地方の大学を卒業しても、
地元では希望する職がなく、
多くの学生が就職するために上京するからです。
 
リクルートの就職未来研究所が発表している
「大学生の地域間移動に関するレポート」があります。
 
このレポートでは、大学のキャンパス所在地別に
学生の出身地と就職先を分析しています。
 
どの地域も基本的には、
地元出身者が、そのまま地元就職する割合が
多くなっています。
 
とはいえ、関東以北の北日本や、
近畿そして九州では約3割の学生が
「地元出身・首都圏就職」となっています。
 
つまり、生まれ育った場所に所在する大学に
通っていても、卒業と同時に
首都圏へと出てきているのです。
 
東京は、日本一平均賃金も高く、
就職先の企業も豊富です。
 
誰もが名を知る大手企業から、
チャレンジ精神あふれるベンチャー企業まで、
魅力的な就職先があります。
 
職種の選択肢も多く、地方では採用が少ない
人気の職種も募集枠がふんだんに用意されています。
 
優秀で意欲高い学生ほど、
東京に出てきたくなるのは必然です。
 
たとえ地方の大学に通う学生が増えたとしても、
その地方に、魅力的な働き先が生まれない限り、
この流れは止まることはありません。
 
 
また、もう一つの理由は、
大学全体が減少していく中で、
人気校に学生が集中する流れがあることです。
 
「大学全入時代」と言われて久しいですが、
今後も大学間の学生獲得競争はさらに激しくなります。
 
ましてや、今回の告示は「これ以上増やさない」というだけで、
現在設定されている入学定員を減らす話ではありません。
 
東京に所在する私立大学の定員充足率は
107%以上にのぼります。
 
定員よりも志願者も合格者も多く「人気」の理由には、
立地の後押しもあります。
 
たとえば、2005年に1・2年生のキャンパスを
埼玉県朝霞市から文京区白山に移して以降、
都心回帰を進める東洋大学が好例です。
 
移転前の2002年、
東洋大学の志願者数は6万人を切っていました。
 
白山、そして北区赤羽台へのキャンパス移転を進めていく中で、
人気は上昇し、今年の志願者数は約10万人まで増加しました。
 
その他の大学でも、23区にキャンパスを移転して以降、
顕著に志願者数が増加している例がほとんどです。
 
 
文科省の告示案に対する意見公募では、
批判的な意見も多く寄せられました。
 
『23区の大学規制が地方振興につながる合理的な根拠はない』
『若者の選択肢を狭めてしまう』
といった声です。
 
需要と供給、そして競争原理という経済の原則から考えれば、
単にキャップを閉めたからといって、
勢いが止まるわけはありません。
 
 
批判の声も受け止め、今回の告示の時点では、
2019年以降の対応については、
議論が棚上げになっています。
 
ただ、この問題が最終的にどうなるにせよ、
東京のワンルームは今後も大きく
需要が衰えることはないと考えられます。
 
東京の経済規模はもちろん日本一ですし、
上場企業の半数以上が東京に本社を置いています。
 
外資系企業もその多くが、
東京に本社機能を有しています。
 
東京が経済の中心地であり続ける以上、
雇用を生み出し、就職先を求める地方学生の流入が
止まることは考えにくいでしょう。
 
また、東京の賃貸市場は、
一つの賃貸需要に頼らないから強いという面もあります。
 
学生、若者、法人、外国人と、
さまざまな入居者が集います。
 
学生だけでなく、様々な賃貸需要を見込める
東京での不動産投資だからこそ、
長期に渡って安定した収入を実現することができるのです。

 
日本財託 マーケティング部セールスプロモーション課
横尾 幸則(よこおゆきのり)
 
◆ スタッフプロフィール ◆
 
埼玉県大宮市出身の30歳。
 
マーケティング部セールスプロモーション課で、
セミナーやHPの運営、 メールマガジンの執筆や広報活動を通じて
東京・中古・ワンルームの魅力を多くのお客様に伝える。
 
勉強も兼ねて最近ビットコインを購入してみた。
秒単位で乱高下する価格と時価評価額に、
安定した家賃収入のありがたさを実感している。

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