スクープ報道から考えたい!堅実な不動産投資の始め方
2018/01/11
あけましておめでとうございます。
今年も資産運用のお役に立てる情報を
ご紹介していきたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
この年末年始に不動産関連で話題になったのが、
テレビ東京『ガイアの夜明け』の特集でした。
『不動産マネーの光と影』と題した回で、
活況の不動産投資市場が取り上げられました。
一方、影の部分として報道されたのが、
地方郊外を中心に新築アパート投資を推進する
ある大手不動産会社が抱えるトラブルです。
最長30年間の家賃保証をするサブリース契約で安心、
というのが同社のうたい文句です。
ところが、築年が経過したアパートで、
強引とも取れる保証家賃の減額や契約解除が行われました。
相続対策で借金をしてアパートを建てたにも関わらず、
ローンの返済に行き詰ったり、収支の悪化に悩むオーナーたち。
なんとそんな100人以上から集団訴訟を、
起こされる事態となっているのです。
保証家賃減額を組織的に推し進めたことを示す社内メールを、
言葉を濁す同社の社長へ突きつけるというシーンもありました。
報道からはサブリース契約のあり方が
問題のようにも見えますが、根源的な問題は別にあります。
そもそも不動産投資のやり方が間違えているのです。
不動産投資の目的を誤り、
目先の節税効果や利回りだけを見て始めてしまう。
これはリスクの高い、失敗に陥りやすい
不動産投資法です。
そこで今回のコラムでは、
テレビ報道されたアパート投資の件も踏まえ、
堅実な不動産投資の始め方について、
あらためて考えていきたいと思います。
ガイアの夜明けがスクープしたのは、
サブリース契約による保証家賃を、
強引に減額させる事例でした。
サブリース契約とは、
不動産会社に物件を貸し出し、
不動産会社が入居者へ転貸する仕組みです。
オーナーからすれば、
空室や滞納のリスクがなくなります。
その代わり、直接入居者から受け取る際と比べ、
保証される受け取り家賃額は低くなります。
ただ、サブリース会社は契約当初に約束した家賃で、
ずっと保証し続けてくれるわけではありません。
一定期間が経過すると、賃貸需要に合わせた
家賃の見直しが行われます。
今回の番組では、三重県津市の例が
紹介されていました。
1キロ四方に40棟ものアパートが
乱立していると言います。
まわりは田畑で、最寄り駅からも20分以上
離れた立地です。
しかし、相続税対策として
アパートが次々に建設されていったのです。
こういった賃貸需要が元から乏しい地方郊外の立地では、
見直しによってどんどん保証家賃が減額され、
いずれは契約解除ということも珍しくありません。
この不動産会社の対応いかんに関わらず、
賃貸需要を考慮せず、「節税になるから」と
安易に不動産投資を始めてしまう。
ここに問題の本質があります。
たしかに納める税金は減るかもしれませんが、
空室だらけのアパートを遺される側はどうでしょうか。
不動産賃貸業が『事業』として安定的に経営できる場所で
不動産投資を行わなければ、失敗に陥る可能性が高まるのです。
同じように不動産投資で相続税の節税を狙うケースとして、
タワーマンションの購入が挙げられるでしょう。
たしかに相続税の圧縮効果はあります。
ただ、タワーマンションはグレードの高い部材や、
豪華な共用設備を有しています。
その分、管理費や修繕費用、設備交換のコストが
高額になります。
また、タワーマンションは家賃も高額ですが、
賃貸需要という面では、高額家賃の物件に住める入居者層は
限られています。
ひとたび、入居者が退去して空室になってしまうと、
次の入居者募集にも大変苦労することになるのです。
不動産投資には相続税の圧縮効果がありますが、
これはあくまでも二次的なものです。
繰り返しになりますが、
まず何よりも事業として不動産経営が成り立つことが大前提です。
つまり、長期的、安定的に家賃収入を得られるかどうかで
判断する必要があります。
また、利回りだけで物件を選んでしまうのも問題です。
都心の中古ワンルームマンションは最低でも1000万円程度ですが、
地方や郊外に目を向ければ数百万円で売られる物件はあります。
都心の物件より利回りが表面上高いため、
目を引かれて購入する方もいます。
しかし、そもそも入居者があっての利回りです。
本当に賃貸需要があるエリアなのか、
立地を見ていくと、駅から遠く離れていたり、
単身者需要が乏しいとみられるケースも多くあります。
また、都心の物件でも、表面利回りを上げるために作られた
狭小アパートに要注意です。
一部屋あたりの面積を10平米以下にして、
なるべく部屋の数を増やしたアパートやシェアハウスが増えています。
いくら都心とはいえ、シャワーブースしか無いような
狭小物件に住む層は限られてきます。
新しいうちは良くても、経年と共に人気はなくなり、
家賃相場も下がってしまうのです。
これでは安定した家賃収入は見込めません。
ここまでは物件の選び方でしたが、
借り入れの仕方も重要です。
不動産投資最大のリスクは過剰な借金です。
1億円、2億円といった年収をはるかに超えるような
借り入れをして行う不動産投資は
リスクが極めて高いと言えるでしょう。
最近は、1法人1物件スキームという言葉を、
耳にするようになりました。
ほぼ同時に法人を複数新設し、
法人名義で融資を受けます。
個人での借入と比較して
はるかに多くの融資を獲得でき、
一気に投資規模を拡大するできる手法だと言います。
しかし、これは金融機関に債務の全貌を隠して、
身の丈をはるかに超える借金を膨らませる
大変危険なやり方です。
貸家着工数は昨年の夏から、
前年比で6か月連続で減少しています。
その理由は、金融庁による融資の監視強化です。
賃貸需要のない立地でのアパート投資に対して、
融資をじゃぶじゃぶ行ってきた地銀や信金に、
金融庁が釘を刺したのです。
ますます不動産投資が『不動産賃貸業』として
そもそも成り立つかどうかの本質が問われるでしょう。
将来にわたって賃貸需要が安定した立地で
不動産投資を行うなら、それは東京です。
都心の中古ワンルームで投資を始めれば、
堅実な老後の備えとして
資産を形成することができます。
都内の中古ワンルームにコツコツと投資を続けて、
繰り上げ返済を行っていくことが、
豊かな老後につながっていくのです。
節税や利回り、規模の拡大に惑わされず、
しっかり地に足をつけて
堅実に不動産投資を始めてみてはいかがでしょうか。
日本財託 マーケティング部セールスプロモーション課
横尾 幸則(よこおゆきのり)
◆ スタッフプロフィール ◆
埼玉県大宮市出身の30歳。
マーケティング部セールスプロモーション課で、
セミナーやHPの運営、 メールマガジンの執筆や広報活動を通じて
東京・中古・ワンルームの魅力を多くのお客様に伝える。
年末年始は止まらない鼻水と戦う毎晩だった。
今年の抱負は「アレルギーに負けない」にしたい。