共働き世帯ほど大きな落差が!収入ダウン『3つ目の崖』とその備え方
2018/03/08
朝日新聞で、老後への備え方をテーマにした
記事が連載中です。
先週は、老後には『収入ダウンの崖が3回来る』
というお話でした。
定年を迎え、再雇用として働き始めるであろう
60歳が、1回目の崖です。
2回目の崖は、年金生活に入って
労働収入がなくなる、65歳です。
そして3回目の崖は、配偶者との死別です。
2回目の崖までは想定していても、
3回目の崖まで視野に入れている人は
意外と少ないのではないでしょうか。
実は、年金支給対象の配偶者が
亡くなった後に受け取れる年金額は、
世帯により異なります。
特に、現役時代、
夫婦ともにフルタイムで働いていた家庭では、
ガクッと支給額が落ちてしまうこともありえます。
大切な家族が最期まで困ることなく
充実した老後を過ごすためには、
この収入減への対策が欠かせません。
そこで今回は、配偶者が亡くなった後の
『収入の3つ目の崖』への備え方を考えていきたいと思います。
年金制度には、
遺族年金というしくみがあります。
亡くなった人によって生計を維持されていた家族が、
一定額のお金を受け取れる制度です。
遺族年金には死亡した人の年齢や、
子どもの有無や年齢などに応じて、
様々な支給パターンがあります。
今回は、フルタイムで働いてきた夫婦が、
65歳をむかえ年金を受給している状態で、
夫が先に亡くなった場合に、話を絞ってみていきましょう。
サラリーマンとして働いていた夫が亡くなると、
妻は夫の『遺族厚生年金』を
受け取る権利を得ることになります。
では、どのくらいの額を年金として
受け取れるのでしょうか。
妻の年金は、2段階で構成されています。
一段目は、全ての人が歳を取ったらもらえる
老齢基礎年金です。
二段目は、老齢厚生年金です。
これは妻がフルタイムで働いてきた給与から、
保険料を支払ってきた年金です。
遺族年金を受け取る権利を得ると、
この二段目の金額が変わります。
具体的には、次のA~Cの中で、
一番多くの金額が受け取れる調整法を選択します。
【A】自らの老齢厚生年金を継続して受け取る
【B】夫が受け取っていた老齢厚生年金の額の
4分の3を受け取る
【C】夫の老齢厚生年金と妻の老齢厚生年金の
合計額の2分の1を受け取る
【B】か【C】を選んだ場合では、
妻が元々受け取っていた年金額との差額分が、
遺族厚生年金として加算される形になります。
イメージしづらいので、具体的な数字を入れて、
計算してみましょう。
たとえば、夫の老齢厚生年金が月12万円、
妻の老齢厚生年金が月4万円のご家庭で、
夫が死亡したらどうなるでしょうか。
【A】で計算すると、
老齢基礎年金にプラスされるのは4万円のままです。
【B】で計算すると、12万円の4分の3、
つまり9万円がプラスされます。
妻の老齢厚生年金4万円に、
遺族厚生年金5万円が加わる形式です。
【C】で計算すると、
(4+12)/2=8万円です。
よって、金額が一番高いBを選択することになり、
老齢基礎年金に加えて9万円を受け取れます。
ところが、ここに落とし穴が生じます。
それは、共働き夫婦で、
かつ二人の年収にあまり差がなかったケースです。
たとえば現役時に、
夫が年収800万円、妻が専業主婦で年収は0円のXさんのご家庭と、
夫も妻も年収400万円のYさんのご家庭で比較してみます。
厚生年金の支給額は、ほぼ現役時の年収に比例します。
世帯年収は同一のため、
二人合わせて受給できる年金額はほぼ変わりません。
しかし、夫が死亡したらYさんのご家庭のほうが、
収入の落ち込みが大きくなってしまうのです。
数字を入れてイメージしてみましょう。
Xさんのご家庭では夫は基礎年金に加えて、
厚生年金を毎月12万円受給していたとします。
妻はずっと扶養に入っていたので、
受け取っているのは老齢基礎年金だけです。
夫が死亡したら、先程の【B】を適用して、
毎月9万円を受け取れます。
つまり、夫の老齢基礎年金と老齢厚生年金の3万円分、
Xさんのご家庭の収入は減りました。
一方、Yさんのご家庭では毎月、夫の厚生年金を6万円、
妻の厚生年金を6万円、合計12万円を受給しています。
世帯として受け取る年金額はXさんのご家庭と同じです。
ところがYさんのご家庭で夫が死亡したら、
【A】の現状維持が一番金額の大きい選択肢になります。
夫が受給していた年金がまるまる無くなり、
世帯としてもらえる年金収入は、ほぼ半減してしまうわけです。
しかしながら、生活を維持していくのに必要なお金が、
半分になるわけではありません。
では、この3つ目の収入ダウンの崖には、
どのように備えればいいのでしょうか。
誰もが思いつく選択肢は、
生命保険かもしれません。
ただ、夫の死亡後に妻がどのくらい生きるのかは、
分かりません。
十分だと考えていた額の保険金も、
使い続ければ、いずれ無くなってしまいます。
貯金を目減りさせていく一方では、
安心して使うこともできません。
不動産投資であれば毎月安定した家賃収入として
収入の柱を作ることができます。
老後になって、働けなくなったり、
足腰が不自由になったとしても、
収益を生み続ける不労収入です。
しかも、共働きであれば不動産投資の
メリットをさらに活かすことができます。
それぞれが働いて収入があれば、
夫婦ともに信用力を使って、
ローンを組めるということです。
夫婦一体となって資産形成すれば、
よりスピードを上げることもできます。
第三の崖はもちろん、
第一の崖である定年までに老後に明るい道筋を
付けることは十分可能です。
最期まで大切な家族が豊かに過ごせるためにも、
不動産投資を検討してはいかがでしょうか。
日本財託 マーケティング部セールスプロモーション課
横尾 幸則(よこお ゆきのり)
◆ スタッフプロフィール ◆
埼玉県大宮市出身の30歳。
マーケティング部セールスプロモーション課で、
セミナーやHPの運営、 メールマガジンの執筆や広報活動を通じて
東京・中古・ワンルームの魅力を多くのお客様に伝える。
鼻と喉と目から、春の訪れを実感しているので、
早くも今年の抱負「アレルギーに負けない」を諦めた。