数字だけでなく算出方法までを確認!不動産投資の成否を左右する『入居率』を見極める
2018/07/26
今週発売の週刊エコノミストで、
不動産投資が特集されていました。
テーマは、
『ダマされない不動産投資』。
特集では、
タワーマンションの人気への陰りや
話題になったアパートの手抜き工事など、
不動産にまつわるネガティブな事実に誌面を割いています。
なかでも注目したいのが、
不動産会社が示す『入居率』への疑念です。
紙面では「入居率99%」は
典型的なセールストークのひとつで、
"作った数字"として注意喚起をしています。
「入居率99%」という数字を安易に信じた結果、
思い描いていた収支計画が数年で崩れていくという
ケースも見受けられるといいます。
そこで今回のコラムでは、
入居率の考え方や各不動産会社での表記の実態、
さらに、リスクを抑えて運用する不動産投資の方法をご紹介します。
そもそも入居率は、
不動産会社が管理する物件のうち、
入居中の物件の割合を示しています。
入居率の高さを左右する要因は、
立地と賃貸管理会社です。
大都市圏のなかでも東京23区内の物件と
地方都市の物件を比較すれば、
当然、23区内のほうが入居率は高くなります。
さらに、同じエリアのなかでも、
物件を管理する賃貸管理会社の入居者募集力によっても、
入居率は異なります。
つまり、入居率は賃貸管理会社を選ぶ基準としても、
非常に重要な指標になります。
入居率が記事にあるように信用できない数字であれば、
当初見込んでいた家賃収入が入らず
資金計画を修正しなければなりません。
そればかりか、ローンの返済にも窮することになりかねません。
そのため、不動産投資を行う際には、
「入居率」を正しく把握しておくことが欠かせません。
記事内で入居率99%のカラクリは、
『築年数が経過したり、賃料値下げ交渉に応じない家主とは
管理契約を解除するなどして、
数字を作っていることが多い』とされていました。
では、どのように入居率の真偽を
見分ければよいのでしょうか。
確認すべきは『入居率の算出方法』です。
たとえば、ある不動産会社は空室の定義を
『1ヶ月間空室が続いた部屋』とされており、
1ヶ月未満の物件については『空室』とカウントされません。
また入居率99%としていても、
実は年間で最も良かった時期の入居率を使用する
ケースもあります。
これでは1年を通じた、
実際の入居率を極めることは難しくなります。
それでは、
正しい入居率とはどのようなものでしょうか。
そのひとつとして、
「即入居可能な物件を含めた入居率」があげられます。
当社では、
「入居者が退去して、内装工事が終わり、
入居者が住める状態になった部屋」としています。
そして、当社がご紹介したワンルームマンションの入居率と
他社で購入したり、ご自身で建てられたアパートを含めた全管理物件に
分けて入居率を表示しています。
そのうえで年間平均98%以上の入居率を維持しています。
ただ気になるのは、管理会社の入居率はもちろんですが、
実際に所有している自分自身の物件の入居率です。
空室期間中は家賃収入が入ってこないため、
オーナーにとっては空室期間の長期化は大変な問題です。
そこで、当社が長期にわたって管理している物件の
入居率の事例をご紹介いたします。
1999年2月から管理をお預かりしている
大田区蒲田のワンルームマンションでは、
これまで5回の入退去を繰り返してきました。
所有期間は7089日なりますが、
空室期間は62日に留まり、
入居率は99.1%を達成しています。
≪入退去の変遷≫
1999年2月21日~2000年7月31日
空室期間:6日
2000年8月7日~2012年2月29日
空室期間:22日
2012年3月24日~2012年8月23日
空室期間:8日
2012年9月1日~2013年5月26日
空室期間:12日
2013年6月8日~2015年5月31日
空室期間:14日
2015年6月15日~入居中
また1998年から管理をお預かりしている
台東区新御徒町のワンルームマンションは、
これまでに4回の入退去があり、
所有期間は7238日。
空室期間は179日で
入居率は97.5%となっています。
上記2物件の事例の通り、
都内好立地のワンルームマンションを選ぶことで、
空室期間は短く、長期にわたって安定して収益を上げることが可能です。
もちろん、閑散期に退去が発生してしまうと、
繁忙期に比べて入居者募集に苦戦することもありますが、
一方で、長期入居者に恵まれれば、
安定経営が可能です。
いずれにしても、賃貸需要の高い東京23区内の
ワンルームマンションであれば、
長期にわたって安定収入を得ることができます。
そのうえで、
入居率の算出方法まで確認して、
管理会社を選ぶことができればより安心です。
入居率は不動産投資の成否を左右する重要な指標です。
管理会社を選ぶ際には、どのように入居率を算出しているか
しっかりと確認しておきましょう。
日本財託 マーケティング部 セールスプロモーション課
村嶋 直樹(むらしまなおき)
◆ スタッフプロフィール ◆
静岡県御殿場市出身の31歳。
マーケティング部セールスプロモーション課として、
セミナーやHP・Facebookの運営、メールマガジンの執筆や広報活動を通じて
東京・中古・ワンルームの魅力を多くのお客様にお伝えしています。
アマゾンプライムデーに勢いでエコードットを購入してみましたが、
スマートスピーカーとしてはまったく使いこなせておらず、
宝の持ち腐れになってしまっています。