およそ300万円の家賃滞納を回収!安定した家賃収入に欠かせない滞納トラブルへの対処
2018/08/09
不動産投資を成功させるためには、
リスクと対応策をあわせて把握して
おくことが欠かせません。
たとえば、空室リスクであれば、
賃貸需要の高い立地の物件を購入することは
リスクを抑える上では、欠かせない要素です。
ほかにも家賃収入に直結するリスクとして
『家賃の滞納リスク』があります。
滞納リスクに対しては、
どのように対処したらよいでしょうか。
保証人がいるから、保証会社に加入しているから、
それだけでリスクを完全に担保できるといえるのでしょうか。
そこで今回のコラムでは、
当社の管理物件で起こった滞納トラブルへの対応事例から、
滞納リスクへの対処法をお伝えしていきます。
2015年11月から
管理をお預かりしている都内の物件には、
飲食店が入居していました。
数年前から業績が傾き始め、
家賃滞納も目立つようになりました。
前の賃貸管理会社で、返済計画は立てていたものの、
計画通りにはいきませんでした。
返済するどころか、滞納家賃は少しずつ増えていったのです。
そこで、オーナー様からご相談いただき
当社が管理を行うことになりました。
管理の移管に伴い、前管理会社に滞納状況を確認してみましたが、
総額の滞納金額を把握していない状況でした。
本来であれば、管理会社の指定する口座に
振り込まなければいけないところ、
管理会社を通さずに直接オーナー様へ
家賃を支払っていた時期もあったといいます。
まずは正確に状況を把握するため、
オーナー様と入居者の双方に対し、
時間をかけてヒアリングを行いました。
入居者は50代半ばの外国籍の男性です。
日本には30年以上住んでおり、
日本語も達者です。
「このころから少しずつ遅れてしまって...」
「この時期はオーナーさんへ直接
家賃を支払っていたんです」
メールや電話、時には店舗まで足を運び、
丁寧にお金の流れをまとめていきます。
2ヶ月かけて行ったヒアリングの結果、
およそ300万円の家賃滞納が明らかとなったのです。
もちろん一括で支払える余裕はありません。
無理のない返済計画として、毎月の家賃とは別に、
10万円ずつ返済していくことで両者から納得いただきました。
年が明け、2016年1月から
返済がスタートしました。
『ご入金が確認できました。
今月もありがとうございました!』
毎月入居者から家賃と滞納返済分の入金が行われれば、
オーナー様だけでなく、
入居者に対しても入金確認の御礼メールを欠かしませんでした。
本来であれば、電話でもコミュニケーションを取りたいところですが、
飲食店を経営されているため、
なかなか電話には出られないことから
主なご連絡手段がメールでのやり取りとなります。
そのため、折をみて飲食店へ訪問し、
店舗で食事をした際には、
「最近はお客の入りはどう?」
「この肉はどこから仕入れてるの?」
など、軽い冗談を交えながら
入居者とコミュニケーションをすることもありました。
また訪問する際には、滞納状況の確認のほかにも、
室内設備の故障など、店舗運営でお困り事がないかも伺います。
少しずつコミュニケーションを重ねて、
信頼関係を築いていくことで、
管理が始まった当初は遅れることがあった返済も
当月中には必ず支払っていただけるようになりました。
そして、2年半をかけ先月およそ300万円の滞納金を
完済することができました。
今回の事例は、住居用ではなく、テナントが入居していたので、
滞納額も大きな金額となってしまいました。
しかし、滞納の問題は
金額の違いはあるものの、
個人の入居者でも起こり得る出来事です。
こうした滞納リスクへの対処法として、
賃貸管理会社の管理プランで
滞納保証がつけられていることがあります。
ただ、滞納保証がついているからといって
完全にリスクが担保できたわけではありません。
滞納督促期間が定められていて、
一定期間が経過すると保証が効かなくなっていたり、
満額ではなく、賃料の8~9割の保証とするケースもあります。
同じように保証会社がついているからといっても、
期間や保証金額に上限があったり、
各社プランごとに保証の対象範囲が異なったりします。
そのため、滞納リスクに備えるためには、
賃貸管理会社自身の滞納解消力も問われるのです。
ちなみに当社では、滞納トラブルが発生した場合には
当社の債権管理部スタッフが専門家と連携を取りながら適切に対処し、
滞納家賃の回収を行います。
その結果、先月末の2か月以上の滞納は
20245戸のなかで、わずか0.1%未満です。
私たちはオーナー様だけではなく、
入居者様もお客様と考えています。
お客様である入居者が快適に暮らせるように住環境を整えるだけでなく、
返済計画の立案、そして返済の実施にも寄り添いながら
お付き合いすることで、滞納トラブルも解消されると考えています。
これからも入居者に寄り添い、信頼関係を構築することで、
オーナー様のマンション経営をサポートしていきたいと考えています。
日本財託管理サービス 債権管理部 馬場 裕一(ばばゆういち)
◆ スタッフプロフィール ◆
神奈川県横須賀市出身の42歳
債権管理部にて、滞納家賃の回収だけでなく、
高齢の入居者様への訪問を行っています。
休日のランニングが日課となっています。
夏の日差しに負けず、日中に外へ出て10kmほど走っていた結果、
ランニングシャツ型にくっきりと日焼けしてしまいました。