新築マンションの家賃は10年後どうなった?最新データで分かる家賃収入の安定性
2018/08/16
他の資産運用と比べた不動産投資の魅力は、
収益の安定性にあります。
たとえば政策や経済環境に左右される株式の売買で、
同じ額の利益を上げ続けることは困難です。
一方、不動産投資から得られる家賃収入は、
安定しています。
入居者から収入として受け取れる家賃の額は、
賃貸借契約で決まっていて、一定だからです。
私たちがお勧めする都心の中古ワンルームであれば、
6~9万円の家賃収入になりますが、
当然、月によって上下するようなことはありません。
ただ、10年、20年といった長期間で見れば、
いつまでも同じ家賃というわけにもいきません。
新しい物件が周囲に建設されていけば、
築年の経過と入居者の入れ替えと共に、
家賃は少しずつ、下がっていきます。
いったいどのくらい下がるのか、
所有している限り、下がり続けてしまうのか、
気になるところですよね。
先月、不動産専門のデータ会社「東京カンテイ」が、
分譲マンションの新築時の家賃と、
10年後の家賃を調査したデータを発表しました。
30平米以上の物件が集計対象のため、
ファミリー向けの物件が中心ですが、
同一物件を対象にした経年での家賃変動を追った初の資料です。
また、私たちも賃貸管理会社として管理を行うなかで、
成約家賃のデータを蓄積しています。
今回はこの2つのデータを参照しながら、
不動産投資から得られる収益の安定性について、
検証していきたいと思います。
東京カンテイが公表したデータは、
首都圏の分譲マンションにおける家賃額の維持率です。
調査では、築3年未満の新築相当の物件の
家賃を基準としています。
築10年前後(9~11年)の時点で、
家賃がどの程度変動していたのか、
同一物件のデータを最寄駅別で集計しています。
算出された338駅の平均家賃維持率は、
93.6%でした。
つまり、新築時に10万円で借りられたお部屋が、
10年後は9万3600円になっていた
ということです。
全駅の73%にあたる250駅では90%以上の維持率で、
なかでも45駅では100%を超えています。
これは築10年を経過しても、
新築時の水準以上の家賃で住む入居者がいることを
示しています。
これらの駅は大手町、品川、渋谷といった
主なオフィス街の近くに多くなっています。
この10年で進んだ「職住近接」の流れや、
周辺再開発でオフィスが増えることによって、
賃貸需要が高まっていることがうかがえます。
全体としてもエリアの元々の家賃水準に関係なく、
維持率は90%台前半に収束していました。
これまでも家賃の変動幅は、経験則的に、
毎年1%程度の下落だと言われてきましたが、
データでも裏付けられた形となります。
ではもっと築年が経過すると、
家賃はさらに下がってしまうのでしょうか。
実はそういうわけではありません。
当社では四半期に一度、
管理するワンルーム物件の賃貸成約状況を
賃貸実績レポートとして公開しています。
2017年の年間データを、
供給年代と1平米あたりの平均家賃額で区切ると、
興味深い傾向がうかがえます。
築25年~30年にあたる
バブル期物件の家賃平米単価は3,423円です。
さらに古いバブル期以前に分譲された、
築30年~築35年前後の物件では、
平米単価は3,540円となっています。
築年が経過したのにも関わらず、
単価は少し上昇しているのです。
バブル期より前に建てられた物件は、
3点式ユニットバスが備え付けられたものが
ほとんどです。
それにも関わらず、築年数が古くなっても、
家賃価格帯は下げ止まっていることがポイントです。
中古物件の家賃価格帯は、
築25年を超えてくると下げ止まる傾向がうかがえますが、
どのくらいまで下がるかは、地域差があります。
同じく東京カンテイの2013年のデータでは、
三大都市圏の駅徒歩7分~10分のマンションで、
築年数による家賃下落率を比較しています。
築20年時点の東京23区における家賃下落率と比べて、
大阪および名古屋は約1.3倍も
下落幅が大きくなっています。
この調査は家賃額がもともと大きい40平米以上の部屋を
対象としています。
家賃下落の幅は面積が小さい投資用ワンルームのほうが
小さいはずですが、東京優位の傾向は同じです。
また、地方郊外に行けばいくほど、
築年数による家賃下落の傾向はより顕著に出てきます。
ここまで挙げてきたデータから共通して言えることは、
家賃価格を決定する要因は「住みたい人の多さ」
つまり賃貸需要であるということです。
家賃の絶対額はもとより、得られる家賃収入の安定性は、
エリアの賃貸需要に比例して高まります。
高い賃貸需要が将来にわたり東京で投資するからこそ、
不動産からの安定した家賃収入を期待することができます。
しかも中古であれば、
より高い収益性が見込めます。
中古マンションの流通価格は、
築10年未満の比較的新しいマンションであっても、
同じエリアで現在分譲中のマンションのおよそ7割です。
家賃収入の下げ幅よりも、
物件価格の下げ幅が大きいということは、
その分、利回りが取れることを示しています。
老後を豊かに過ごすための安定した収入の柱を作るなら、
都心の中古マンションがお勧めです。
日本財託 マーケティング部セールスプロモーション課
横尾 幸則(よこおゆきのり)
◆ スタッフプロフィール ◆
埼玉県大宮市出身の30歳。
マーケティング部セールスプロモーション課で、
セミナーやHPの運営、 メールマガジンの執筆や広報活動を通じて
東京・中古・ワンルームの魅力を多くのお客様に伝える。
お盆休みは明後日に迫った引越しの準備に
追われているだけで終わりました。