東京オリンピックが終わっても再開発は終わらない!最新の再開発事情を読み解く
2018/10/11
今月3日、森記念財団・都市戦略研究所が
日本の都市特性評価を発表しました。
統計やアンケートを基に、
6つの分野でスコアを算出し、
都市の力を評価するというものです。
23区トップ3は千代田・港・中央区で、
経済・ビジネス分野や交通アクセスの指標で
高スコアでした。
全体で見ると台東区、江東区、墨田区
といった都心の東側の区が順位が高めで
健闘が目立つ結果となっています。
都心回帰、職住近接といった生活志向の変化もあり、
大手町・丸の内や、品川・浜松町などの
オフィス街へのアクセスが良い東側の人口が増えているのです。
この要因の一つとしてあげられるのが
東京の再開発です。
JR品川新駅周辺の再開発プロジェクトや、
東京駅日本橋口の正面にある常盤橋街区の再開発が、
その最たる例です。
今回は、都心の再開発の最新事情から、
東京の賃貸需要の未来について考えたいと思います。
東京の大規模オフィス開発は
丸の内・大手町エリアが勢いづいています。
2018年に完成する大規模オフィスビルの
7割以上は東京駅・大手町駅の周辺に
集中しているのです。
山手線東側沿線の再開発は
大規模な再開発プロジェクトがずらっと並んでいます。
最も大きいのは、2020年に開業する
品川新駅周辺の再開発計画です。
先月25日、JR東日本は
この「品川開発プロジェクト(第I期)」の概要を
公表しました。
場所は、田町駅-品川駅間の
9.5ha、東京ドーム1.5個分の敷地です。
これを4つの街区に分けて、
オフィスビル、文化施設、国際水準のマンションや
ホテルなど、計5棟を新設します。
たとえば品川新駅に歩行者広場で接続される
南側の4街区には、
地上30階のツインタワーが建つ予定です。
オフィスはもちろんコワーキングスペース、
カンファレンス施設が入ります。
また、国際会議や展示イベントで活用できる
コンベンション施設、高層階には200室のホテルも
兼ね備えた複合ビルです。
鉄道だけでなく空港へのアクセスの良さも
活かして海外企業も誘致し、
国際的なビジネスのハブとなることを目指す計画です。
開発の総延床面積は85万1000平米と
予定されています。
六本木ヒルズの総延床面積が約72万平米なので
それよりも大規模な街づくりと言えるでしょう。
2024年の街びらきに向けて
進める総事業費は5000億円にのぼると
見込まれます。
しかも新幹線の高架を挟んで隣接する泉岳寺駅周辺や、
品川駅西口でも再開発計画が進んでいます。
さらに、東京駅日本橋口駅前の
再開発も注目です。
三菱地所が総額なんと1兆円超をかけて進める
「東京駅前常盤橋プロジェクト」は、
10年以上にわたる大規模開発です。
2016年から、古いオフィスビルや
下水ポンプ施設を順番に解体しており、
現在は新たな高層オフィスビルと広場を建設中です。
2021年に竣工するこのA棟は、
高さ212mの41階建。
就業人口は約8000人を見込み、
同じく東京駅に近い丸ビルよりも
大きなオフィスビルになる予定です。
そして2027年頃には、
61階建のB棟も完成します。
高さ390mでそびえるこのビルは、
大阪のアベノハルカスを抜き、
日本一の高さのランドマークになります。
大手町、八重洲、日本橋、丸の内という
日本随一のビジネス街の結節点に、
総延床面積68万6000平米の新たな街が誕生します。
金融やビジネスだけでなく、観光、防災といった
様々な機能を持たせる計画です。
ここまで、丸の内や大手町を中心とした
事例をご紹介しましたが、
西側も負けてはいません。
渋谷は東急、新宿は小田急と京王、
そして池袋は西武と東武、と私鉄各社が旗を振り、
駅前を中心とした街づくり構想を描いています。
これらの事例は、東京で行われる再開発の
ほんの一部にしか過ぎません。
東京で2018年以降に竣工予定の
大規模再開発の総延床面積は
1000万平米を超えます。
東京の再開発は、複数の地域で連鎖し、
都市は生まれ変わり続けています。
こういった再開発でビジネスが活発になり、
企業がやってきて、新たな雇用、人口増、
そして賃貸需要を生み出すのです。
しかも、そこに働き出した人たちには、
歩いて行けるか、乗り換え不要でアクセス可能な
沿線が人気です。
アットホーム社による通勤実態に関する
調査結果もその一端を示しています。
対象は、都内勤務で賃貸物件に一人暮らしをする
20~30代の会社員です。
それによれば、自宅から職場までのいわゆる
ドアトゥードアの平均通勤時間は47分でした。
また、理想の通勤時間は平均29分となっています。
働く世代の職住近接志向はますます
高まっていることがうかがえます。
だからこそ、不動産投資を考えるなら、
現在はもちろん、今後も発展するビジネス街へ
アクセスが良い立地を見極めることが大切です。
東京オリンピック後の不動産市況を気にされる方もいらっしゃいますが、
東京の再開発、それによる東京の都市の魅力向上は
オリンピック後も終わることはありません。
魅力を高め続ける東京のど真ん中で、
不動産投資を始めてみてはいかがでしょうか。
日本財託 マーケティング部セールスプロモーション課
横尾 幸則(よこおゆきのり)
◆ スタッフプロフィール ◆
埼玉県大宮市出身の31歳。
マーケティング部セールスプロモーション課で、
セミナーやHPの運営、 メールマガジンの執筆や広報活動を通じて
東京・中古・ワンルームの魅力を多くのお客様に伝える。
台風が迫るなか、1時間近く並んで
森ビルとチームラボ共同運営のデジタルアートミュージアム
に行ってきました。
"インスタ映え"が話題ですが、子どもも楽しめる仕掛け満載なので、
親子連れにもオススメです。