不動産投資の不正の3つの手口!融資を受けて不動産投資を始める時の注意点
2018/11/15
今年も残り1か月余り。
2018年の不動産投資業界は、
「不正融資」報道に揺れた1年でもありました。
シェアハウスをめぐる運営会社の破綻と、
それに端を発して明るみになった
販売会社と銀行が結託した不正の横行。
さらに、一部上場の投資用不動産販売会社による
預金残高の改ざんや二重契約の問題。
コンプライアンス上の問題が頻発していることで、
業界全体の信頼性も問われる結果となりました。
一方で、投資家にとっても、よくわからないまま
不正が疑われる契約の誘いに乗ってしまうと、
大きなトラブルに巻き込まれてしまいます。
法律上の観点からいえば、
不正の片棒を担いでしまうことにもなりかねないのです。
今回は、報道されている主な不正行為の手口を紹介し、
さらに、融資を受けて不動産投資を始めるための注意点をお伝えします。
一部の不動産会社による不正行為は、
3つに大別できます。
投資家が目を光らせるべきポイントともに、
見ていきましょう。
1つ目は、融資の際の自己資金や年収の水増しです。
銀行通帳や預金残高、
源泉徴収票などを改ざんし、
融資に必要な条件をクリアさせるものです。
たとえば、不正に関する報道では、
口座残高欄を画像加工して、
桁を多くした事例が取り沙汰されました。
本人の預かり知らない場所で、
各種書類のコピーがされるような時は要注意です。
2つ目は、販売価格の水増しです。
「二重契約(ふかし)」と言われる手法で
2種類の売買契約書を作ってしまうのです。
金融機関提出用に、本来価格から
価格を吊り上げた契約書を用意します。
本来ある程度の自己資金を要するはずが、
審査が通れば、その分まで全額ローンで
賄えるという具合です。
ローン契約の際に、見たことのない金額の
契約書が出てきたなら、
その場で手続きを止めて内容を確認すべきでしょう。
3つ目は、家賃収入の水増しです。
賃貸借契約状況の一覧表、
いわゆるレントロールを改ざんします。
実際より家賃収入額を多く、
入居率を高く見せかけるわけです。
さらに、入居中と偽るため、空室にカーテンを
付けることが「カーテンスキーム」と名付けられ、
公然と行われていた例もあるようです。
少なくとも、現地に赴いて、
居住の実態を確認することは欠かせません。
さらに、明らかに入居率が高いケースや相場賃料よりも
高額な賃料が設定されている場合には、
提示された資料を疑ってみるべきでしょう。
これまでの報道からみると、
本来であれば高額なアパートに投資をすべきではないような方に
年収や預金の改ざんを行って、資金的余裕があるようにみせて、
無理な投資をさせているように感じます。
数十万円の自己資金で、
1億円を超えるようなアパートに投資するには
リスクが大きすぎます。
しかも、こうしたアパートの多くが
地方や郊外の賃貸需要の少ないエリアに立地しています。
人口が減少している地方や郊外では、
アパート経営を事業として成立させることは困難です。
たとえ、サブリース契約の家賃保証が付いていたとしても、
賃料は変更されることもあり、契約期間中であっても
契約内容次第では解約されることもあります。
また、都心部であっても、
報道されたシェアハウスのように
室内が10平米にも満たない狭小物件では
賃貸需要が見込めるはずもありません。
さらに、空室や家賃下落に加えて、
金利上昇リスク、設備交換や修繕に対応するためには、
物件の規模に相応の自己資金が求められます。
月に数十万円が見込める家賃収入を得たいがために、
中には、多少無理をしてでもアパート経営を始めたい
と考える方もいるのでしょう。
しかし、投資家自身が、
不正行為を認識していた場合は、
詐欺罪や私文書偽造罪が成立することもありえます。
その場合、銀行から残債の一括返済を求められたり、
刑事告発される可能性もあるのです。
賃貸需要の確かな東京23区内の
駅から徒歩10分以内のワンルームマンションであれば、
価格は1200万円~2,500万円で、少額の自己資金でも開始できます。
少ない自己資金でスタートしても、
コツコツ繰り上げ返済を行い、物件を買い進めていくことが
資産形成の近道です。
なお、金融庁の金融サービス利用者相談室では、
投資用不動産向けの融資に関する相談を受け付けています。
投資用ローンに関する融資で疑問点がある方は
利用してみてはいかがでしょうか。
<金融サービス利用者相談室>
TEL 0570-016811
日本財託 マーケティング部セールスプロモーション課
横尾 幸則(よこおゆきのり)
◆ スタッフプロフィール ◆
埼玉県大宮市出身の31歳。
マーケティング部セールスプロモーション課で、
セミナーやHPの運営、 メールマガジンの執筆や広報活動を通じて
東京・中古・ワンルームの魅力を多くのお客様に伝える。
健康診断でまさかのE判定を出してしまったので、
1日1万歩目標のウォーキングキャンペーンを1人実施中。