ほったらかしで高利回り?急成長する「ソーシャルレンディング」の光と闇
2018/12/13
『ソーシャルレンディングでも始めようかと思ってて。
ほら、少額を入れて、あとは放っておけるじゃん。』
先日、大学の友人との何気ないLINEの
やり取り中に出てきた言葉に驚きました。
ソーシャルレンディング市場は、
この5年で10倍以上の急成長中です。
これまで投資とは無縁だった
友人の口から名が出たくらいなので、
確かに知名度は上がっているのでしょう。
少額で始められつつ、高い利回りを
見込めることが魅力のようです。
一方で、今年に入って、
ソーシャルレンディング特有のリスクが
表面化する機会も増えてきました。
そこで、今回のコラムでは、
ソーシャルレンディングの特長やリスクを整理し、
実物不動産投資と比較しながら、
投資先としての考え方をご紹介します。
ソーシャルレンディングとは、
お金を借りたい企業と、
お金を貸し出す個人をつなぐサービスです。
運営会社は、インターネットで
お金を運用したい個人の出資者を集めて、
企業に融資します。
たとえば、集めたお金を企業に金利13%で貸し、
運営会社が手数料3%を引いて、残りの10%を
利回りとして個人に分配するといったしくみです。
主な特長は3つです。
1つ目は、少額からできることです。
多くの商品で、1万円単位で出資ができます。
2つ目は、手間がかからないことです。
一度投資をすると運用期間が満了して、
元本が償還されるまで、何もする必要がありません。
投資信託のように元本価格が変動しないことや、
毎月分配金が得られる商品もあり、人気を集めています。
3つ目は、銀行預金などに比べて
高い利回りが見込めることです。
見込み利回り3~4%台のものもあれば、
10~12%といった商品もあり、
出資する対象事業によって異なります。
しかし、大きなリターンがあるということは、
そのぶんリスクも大きいといえます。
実際、こうしたリスクがいま
表面化しはじめているのです。
指摘されている最大の問題点は、
融資先が匿名であることです。
ほとんどの商品では
誰に貸し付けたのかを開示していないため、
投資家側でリスクを見極める手段がありません。
融資先の事業がとん挫して、
貸し倒れが発生する場合があります。
多くの商品が、数か月や数年で
償還期間を設定していますが、
出資者への支払いが遅れたり、
元本の全部や一部が返ってこない商品が
見受けられるのも事実です。
また、表示先と異なる事業や
企業に貸し付けされていた事例すら、
複数の運営会社で明らかになっています。
なお、出資金を引き上げたくなっても、
原則として途中解約はできません。
こういったソーシャルレンディングの中には、
「少額から始められる不動産運用」を
うたう商品も少なくありません。
しかし、不動産事業を行う会社への融資、
あるいは担保不動産があるソーシャルレンディングと、
実物不動産投資は全く別物です。
そこで、ソーシャルレンディングと、
実物不動産投資の特徴を比較してみたいと思います
まず、少額から始められるという点です。
価格が手ごろな都内中古ワンルームマンションでも、
購入には1000万円程を要します。
ただし、実物不動産には投資用ローンが利用できるので、
10万円程度の頭金があれば、
投資をスタートできます。
しかも、長期の借り入れを利用すれば、
毎月のローンの返済は、
家賃収入から全てまかなうことも可能です。
運用の手間という点ではどうでしょう。
実物不動産でも、
入居者募集や内装工事の手配、入居者からのトラブル対応といった
大家業を賃貸管理会社に任せることができるので、
オーナーの手間はかかりません。
ただし管理を任せる会社次第で、リスクが高まったり、
想定通りに利益が得られない点は似ています。
利回りの面ではどうでしょうか。
都心の中古ワンルームの
手取り利回りは4%~5%台です。
数字だけなら分が悪いように見えますが、
同じ100万円を元手に投資すると
仮定してみましょう。
利回り6%のソーシャルレンディングで
運用するなら、100万円に対して、
年6万円、月5000円の分配金が収益です。
一方、100万円をローンの頭金に充てれば、
価格2000万円、手取り利回り4.2%の
不動産を購入できます。
得られる手取り収入は、年間84万円、
月7万円です。
もちろんローン返済中は、ここから
月々の返済額を差し引いた額が手残り収入となります。
ただ、金利1%台でローンを組める現在なら、
借入金利と期間次第で、
ソーシャルレンディング以上の収益は十分に見込めます。
しかも、投資先は東京23区内の駅から10分以内の
資産価値の高いマンションです。
ソーシャルレンディングのように、
どのような投資先かわからないものではありません。
儲かる話、うまい話には、
大きなリスクが潜んでいます。
老後に向けた資産形成の大原則は、
長期的な視点で考えることです。
高利回りの商品には高いリスクがつきものです。
老後に備えるためには、
リスクを抑えて、長期にわたって収入が見込める投資先を
選ぶべきではないでしょうか。
都内の中古ワンルームマンションであれば、
少額の頭金からはじめられ、
将来に向けて堅実に資産を作ることができます。
目先の利回りやうたい文句に惑わされずに、
投資商品としての性質をしっかり理解し、
リスクとリターンを踏まえて投資を始めてみてはいかがでしょうか。
日本財託 マーケティング部セールスプロモーション課
横尾 幸則(よこおゆきのり)
◆ スタッフプロフィール ◆
埼玉県大宮市出身の31歳。
マーケティング部セールスプロモーション課で、
セミナーやHPの運営、 メールマガジンの執筆や広報活動を通じて
東京・中古・ワンルームの魅力を多くのお客様に伝える。
1日1万歩目標のウォーキングキャンペーンを
1人実施中だが、体重になかなか変化が見られない。