3000億円の経済圏!人知れず増殖を続ける東京の「駅地下」の潜在力
2019/02/14
10日に放送された
NHKスペシャル『東京リボーン』
2020年に向けた
東京の進化と再生を描く特集番組の
第2回目でした。
テーマは、
拡大を続ける東京の「地下」です。
再開発というと華々しい
高層ビルが立ち並ぶ姿が目立ちますが、
それだけではありません。
その真下で、地下街や地下鉄が
網の目のように
つながり発展し続けています。
13路線285駅にものぼる地下鉄網が
交通利便性を高めているのは
言うまでもありません。
それだけでなく、駅近ならぬ「駅地下」に
人が集まり、発展することが東京の魅力を
底上げし続けているのです。
今回は、地上からは見えづらい
地下利用の発展から、都心の賃貸需要の
未来について考えたいと思います。
東京の地下空間の集積度は
世界一と言われています。
なかでも、NHKスペシャルで
取り上げられていたのは
東京駅周辺の巨大な地下空間です。
大手町駅から東銀座駅付近まで
7駅をつなぐ地下街は
全長18kmにものぼります。
延床面積はおよそ100万平米で、
すぐ隣にある皇居に匹敵する広さです。
地下通路で接続された
数十棟の大規模オフィスビルで働く人々や
乗り換え客が絶えず行き来しています。
約1300店の飲食店をはじめ、
あらゆるジャンルのお店が
運営者の異なる複数の地下街に連なっています。
その様子はまるで百貨店のようです。
実際、経済アナリストの森永卓郎氏によれば、
東京駅周辺の地下街の売上高総計は、
『トップクラスの百貨店に匹敵する』とのこと。
年間2000億円~3000億円にのぼる
巨大な経済圏が、地下だけでも存在しています。
このような地下街は、隣接する地下鉄駅、
そして地上と一体的に行われる再開発によって
生まれ続けています。
たとえば、地下鉄を運営する東京メトロは、
商業施設「エチカ」を
表参道駅や永田町駅、上野駅などで展開しています。
元から乗換え需要が高いこれらの駅構内を、
ただ通過するだけの通路から
商業施設へと生まれ変わらせたのです。
池袋では有楽町線の改札から
ほぼ直結の商業ビル「エソラ」の
再開発を行いました。
行政も再開発に合わせた地下空間の
延伸を後押ししています。
再開発に合わせて歩行者の安全や街づくりに
貢献する地下道を整備すると、
新設するビルの容積率が緩和される仕組みです。
たとえば2017年に開業した
ギンザシックスでは銀座駅直結の通路を作り、
容積率が260%も緩和されました。
容積率が増えると、同じ土地面積に対して、
建てられる建物の延床面積が増やせます。
銀座は建物の高さ制限がある区域のため、
増床分は地下に回されました。
ギンザシックスの地下1階・2階は、
77店舗が集う地下街としてフル活用されています。
そして、まさに今誕生間近の地下街が、
虎ノ門周辺の再開発です。
このエリアは森ビルが中心となり、
高層ビル4棟を中心とした総延床面積80万平米、
4000億円規模の再開発が進行中です。
この再開発のポイントは駅近で行っているのではなく、
駅自体を新設して、近づけてしまうことです。
日比谷線の霞ヶ関-神谷町間に位置する新駅の建設は、
再開発の一環として組み込まれ、
再開発組合が数百億円単位の費用を負担します。
国際的な交流拠点となるビジネス街とともに
来年2020年に誕生する新駅名は、
ずばり「虎ノ門ヒルズ」です。
周辺の大規模オフィスビルは
地下から新駅直結となり、
銀座線の虎ノ門駅とも地下街でつながります。
あと1年もすれば、地下改札口と
一体的に整備された駅前広場から、
新しい人の流れが生まれるでしょう。
そもそも地下街が拡大する理由は、
もう地上に残された土地が無いからです。
駅から徒歩5分以内といった利便性の高い立地で、
開発できる土地の面積は限られています。
地上に建設できるビルの高さが限界に達すれば、
フロンティアは地下に求めるしかありません。
大阪の梅田や名古屋、札幌、福岡の天神など、
地方の主要都市にも大きな地下街が形成されている
場所はあります。
ただ、東京の特徴はこのような
地下利用が進むエリアがいくつもあることです。
東京駅周辺のみならず、新宿、渋谷、池袋、
新橋など、いくつもの駅の地下空間が
通行だけでない、経済活動の場となっています。
地上が過密なほどに開発され、
なお企業や人が集まる東京都心だからこそ、
地下の経済圏が拡張しています。
地下の見えざる経済圏の数は、
都心・駅近という立地の利用価値の証明ともいえます。
駅地下の利便性が高まり、エリアの魅力が増せば、
沿線に住みたいという新たな賃貸需要を生み出します。
ましてや、そういった地下街が発達しているような
駅へのアクセスが良い賃貸マンションは、
賃貸需要が衰えるとは考えにくいです。
長期的に安定した家賃収入を実現したいなら、
東京の都心で不動産投資を行うことを
おすすめします。
日本財託 マーケティング部セールスプロモーション課
横尾 幸則(よこおゆきのり)
◆ スタッフプロフィール ◆
埼玉県大宮市出身の31歳。
マーケティング部セールスプロモーション課で、
セミナーやHPの運営、 メールマガジンの執筆や広報活動を通じて
東京・中古・ワンルームの魅力を多くのお客様に伝える。
1日1万歩目標のウォーキングキャンペーンを
1人実施中だが、体重になかなか変化が見られない。