3つのキーワードから読み解く東京オリンピック後の不動産価格
2019/03/07
「不動産の購入はオリンピック後まで待ったほうがいいのでは?」
不動産に関心のある方であれば、
一度は考えたことがあるかもしれません。
実際のところ、本当にオリンピック後に、
不動産の価格は下がるのでしょうか。
ただ、将来どうなるかは、
明言することができません。
一方で、
『オリンピック後も不動産価格は下がる見込みが少ない』とみる
専門家が多くいらっしゃいます。
なぜ、彼らはオリンピック後も
価格が下がらないというのでしょうか。
主張は様々ですが、読み解いていくと
いくつかキーワードが見えてきます。
それは「人口」「再開発」、それから「経済活動」の3つです。
そこで今回のコラムでは、これら3つのキーワードと
過去の五輪開催国の事例などを取り上げながら
誰もが気になるオリンピック後の不動産価格の動向について
考えていきたいと思います。
まず、「人口」について考えてみましょう。
東京は2018年まで23年連続で人口が増加しています。
さらに、人口の流入数も圧倒的です。
他の道府県から東京への転入者と東京からの転出者を差し引いた
2018年の転入超過数は79,884人で、
2位の埼玉のおよそ3倍の増加数です。
気になる2020年以降の
人口の推移をみてみましょう。
2015年時点の人口と2045年の人口を比較すると、
大阪、愛知、福岡などの大都市圏では軒並み人口数を落としていますが、
東京の人口数はほぼ変わりません。
(国立社会保障・人口問題研究所『日本の地域別人口将来推計』より)
この状況を作り出している要因が
現在、東京のいたるところで行われている「再開発事業」です。
これらは、東京オリンピックに向けて進められているものだけではありません。
オリンピック以降も継続して行われる再開発も、
たくさんあるのです。
例えば、渋谷では2027年まで駅直結の47階建てビルをはじめとした
10棟の大型ビルが建設されます。
さらに、日本橋では「東京駅前常盤橋プロジェクト」として
2027年にあべのハルカスを超える高さ390mの
日本一の超高層ビルが完成します。
この2か所だけでも、
完成後の就業人口がおよそ5.5万人も見込まれています。
さらに、東京都は旧築地市場に国際会議場や展示場など
「MICE(会議、研修会、学会、展示会)施設」を軸に
段階的に整備する方針を定めました。
2022年以降から始まり、
2040年代の完成を目指すという壮大な計画です。
ほかにも、早急に再開発を推進すべき地域を定めた「都市再生緊急整備地域」や
世界で一番ビジネスのしやすい環境を整備することを目的とした「国家戦略特区」、
アジア地域におけるビジネスや研究開発の拠点とする
「アジアヘッドクォーター特区」など
東京では再開発を呼び込む施策が目白押しです。
これらが次々に誕生していくことで、
街が活性化し、人口も増加していくことでしょう。
当然人口が増加すれば、交通網の混雑化が懸念されますが、
移動環境の整備も始まっています。
山手線の新駅「高輪ゲートウェイ」の建設や
渋滞緩和の一手として導入される「BRT(バス高速輸送システム)」などの
インフラ整備も同時に進み、より住みやすい都市づくりへと向かっています。
このように、人口増加に直結する開発や整備事業が
他の地域にはないほど圧倒的に進んでいるのです。
その結果、「ビジネスの利便性」という観点からも
土地の価値を上げているのです。
さらに、東京の価値を押し上げているものは
これだけではありません。
それが、3つ目のキーワード「経済活動」です。
人口が集まり、インフラも整えば、
ビジネスも活性化して、消費も増えていきます。
消費が増えて、利益を見込むことができるからこそ、
人も集まり、再開発も加速していきます。
さらに、消費を増大させる大きな要因として
インバウンドも目が離せません。
訪日外国人の数は年々増加し、
2017年は約2,900万人の方が来日しており、
国内の経済活動を支える原動力にもなっています。
しかし、オリンピックを境に訪日客も減少するのでは、
という懸念も捨てきれません。
では、過去のオリンピック開催国は、
その後どうだったのでしょうか。
みずほ総合研究所とイギリス政府観光局の調査によると、
92年バルセロナ五輪から12年ロンドン五輪までの各都市では、
開催後も観光客数が増加しているという結果が出ています。
オリンピック開催を契機に都市に注目が集まり、
その時のインフラ整備も功を奏し、
過去の五輪開催国の観光客数は減らず、むしろ増加しているのです。
もちろん、他の開催都市の結果が
そのまま東京にあてはまるとは断言できませんが、
ただ、東京の再開発や訪日外国人の伸びを見ると、
さらなるインバウンドの伸長が期待できます。
このように人口の推移や再開発の活性化、
インバウンドの伸長を考慮すれば、
オリンピックが終わったからと言って、
東京の不動産価格が急落することは
考えづらいのではないでしょうか。
また、将来の価格変動に期待するのではなく、
いま投資を開始しておけば、
その間の家賃収入は確実に入ってきます。
その分、ローンの返済も進み、
資産も拡大していきます。
投資対象にふさわしい都心のワンルームマンションを
見つけたのであれば、
積極的に検討してみてはいかがでしょうか。
日本財託 マーケティング部セールスプロモーション課
村嶋 直樹(むらしまなおき)
◆ スタッフプロフィール ◆
静岡県御殿場市出身の31歳。
セミナーやHPの運営、 メールマガジンの執筆や広報活動を通じて
東京・中古・ワンルームの魅力を多くのお客様に伝えています。
3月3日は2年連続、通算4回目の東京マラソンに出場しました。
雨と足のケガに悩まされながらも、なんとか完走できました!
タイムは残念な結果でしたが、雨の42キロは貴重な体験でした。