空き家数が過去最多を更新!最新調査から考える令和時代の立地選び
2019/05/09
先月末、総務省が5年に一度行っている
住宅・土地統計調査の速報値を公表しました。
明らかになったのは、
最新の空き家数と空き家率です。
空き家数は846万戸、空き家率は13.6%で、
いずれも過去最高を更新しました。
空き家数は平成の30年間で2倍以上になり、
全国的には、空き家の増加が
止まる気配はありません。
そんな中で、不動産投資が今後も成立するのか、
不安な方も多いでしょう。
調査結果をしっかりひも解いていけば、
少なくとも避けるべきエリアは見えてきます。
今回は、平成最後の空き家調査速報値を読み解きながら、
令和時代に確かな家賃収入を
得るために不動産投資で押さえるべき前提をお伝えします。
まず、全国の空き家数と空き家率を
過去の調査と比較して見ていきましょう。
空き家数は、
2013年調査で820万戸、
2018年調査で846万戸でした。
5年間で26万戸、3.2%の増加となり
これは過去最多の数値です。
空き家率は前回の13.5%から、
0.1%上昇して13.6%となり
こちらも過去最高を更新しています。
伸び率は前回まで鈍化しましたが、
空き家は確実に増えています。
また、野村総合研究所は、
2033年に全国の空き家率が、
27.3%に達すると予測しています。
14年後には、4戸に1戸は空き家になっている
可能性があるわけです。
とはいえ、空き家数や空き家率の増加は
全国一律ではなく、地域差があります。
空き家率の全国トップは、山梨の21.3%です。
以下、和歌山20.3%、長野、徳島が19%台、
高知、鹿児島、愛媛、香川が18%台です。
一方、空き家率が低い都道府県は、
埼玉県と沖縄県が10.2%、
東京都10.6%、神奈川県10.7%、
そして愛知県11.2%と続きます。
人口の流出が続く県は、
総じて空き家率が上昇しています。
対照的に、人口流入が続く大都市圏を抱える都府県では、
空き家率は維持、または低下しています。
空き家が放置されると、影響は周囲にも及んでいきます。
建材などが飛散したり、害虫が発生したり、
そしてボロボロの家屋が増えれば
地域の景観も悪くなってしまいます。
管理不全の空き家が震災時に倒壊してしまえば、
周辺住民の避難の妨げになりえます。
また、放火や空き巣といった
犯罪の温床になる面も否めません。
空き家の増加は、人口減少に輪をかけて、
街の魅力を失わせてしまいます。
そんなエリアで行う賃貸経営は、
ますます厳しくなることは間違いないでしょう。
一方、今回の調査では
むしろ空き家が減ったエリアもありました。
それが、東京です。
東京の空き家数は80万9000戸で、
前回調査から1%減でした。
この間、東京都では31万戸も
住宅戸数が増加したにも関わらず、
空き家は7900戸減っているのです。
住宅供給を上回る人口流入によって、
賃貸住宅の空室が埋まったのが主な要因です。
もちろん東京といえども、
中長期的にみれば空き家数が増えていく
傾向であることは変わりません。
ただ、根本的に対応していく「空き家問題」の質が、
東京と地方では異なる点も重要なポイントです。
東京では、再開発をする上で、
放置空き家が用地買収など開発を妨げる
ケースが「空き家問題」として出てきています。
この状況を打開し、土地の利活用を進めることが、
空き家対策の主な論点です。
地方では、そもそも「利活用がされないこと」が
問題となっています。
つまり、売ろうにも売れない、
貸そうにも貸せない住居が放置され、
空き家になることが「問題」です。
昨年12月、埼玉県深谷市で、
小学校の体育館跡地を「マイナス入札」したことが
話題となりました。
活用価値がない不動産は売却してお金をもらうどころか、
お金を渡さなければ売れない時代が、
もう到来しているのです。
人口減少のスピードには地域によって、濃淡があります。
今後勝ち負けは、
よりはっきりしてくるでしょう。
令和時代に不動産投資で勝負できる市場は、
空き家が増えても、それを解体して
別の用途に活用されうるエリアです。
それは、一部の大都市圏しかありません。
なかでも、圧倒的に人口が流れ込む
東京で不動産投資を行えば、安定的な家賃収入を
長期にわたって得ることができるはずです。
日本財託 マーケティング部セールスプロモーション課
横尾 幸則(よこおゆきのり)
◆ スタッフプロフィール ◆
埼玉県大宮市出身の31歳。
マーケティング部セールスプロモーション課で、
セミナーやHPの運営、 メールマガジンの執筆や広報活動を通じて
東京・中古・ワンルームの魅力を多くのお客様に伝える。
GWはイベント参加と、友人のイベント手伝いであっという間に終宴。
10日ぶりのスーツは、ウエストが少しキツくなっていました。