家賃の送金が突然ストップ!問題を抱えた賃貸管理会社の傾向とは
2019/07/04
「決まった日に家賃が振り込まれないので、
管理会社を変えたいんです」
お問い合わせの中には、空室や滞納だけではなく、
ときおり家賃送金に関するトラブルもいただきます。
状況を把握するため、元の賃貸管理会社を訪問すると
経営難に陥っていることがあります。
このままでは、家賃を受け取れないばかりか、
入居者への対応も滞り、退去してしまうかもしれません。
このような問題を抱えた賃貸管理会社には、
いくつかの共通点があります。
今回のコラムでは、賃貸管理会社を選ぶ基準として
問題を抱えた管理会社に共通する傾向を
事例とともにご紹介したいと思います。
賃貸管理会社の目的は、
継続的に家賃をオーナー様にお届けすることです。
冒頭の賃貸管理会社以外にも、問題を抱えて、
管理運営が滞る管理会社があります。
では、このような賃貸管理会社は
どのように見抜けばよいのでしょうか。
ポイントは2つあります。
一つ目が、家賃送金の遅れ。
そして二つ目が、担当者の頻繁な入れ替わりです。
当社と提携しているファイナンシャルプランナーの先生から
管理会社の変更を検討している
あるオーナー様をご紹介を頂いたことがあります。
相談内容は家賃送金の遅延です。
送金日に家賃が振り込まれず、
疑問に思って賃貸管理会社に問い合わせても
『システムの不具合で』といった理由で
はぐらかされてしまうとのこと。
一般的に、賃貸管理会社の運営状況は見えにくいものです。
ただ、送金日に家賃が入金されない、
遅れがちになるといった兆候は
賃貸管理会社として危険信号のひとつと言えます。
また、担当者が頻繁に変わることも兆候の一つです。
前述の賃貸管理会社に足を運ぶと、
目を疑う現状がありました。
200平米ほどの執務スペースに置かれたデスクは空席ばかり。
数人の社員しか残っておらず、閑散としています。
会社が経営難に陥ったことをきっかけに、
社員が次々と辞めていったそうです。
当然、やむを得ない理由で担当者が退職することはあります。
しかし、担当者が頻繁に変わるようであれば、
会社で何かしらの問題が発生しており、
社員が次々に退職している可能性があります。
いまは深刻な問題ではなかったとしても、
社員が定着しづらい環境であれば、
質の高い管理サービスの提供は困難です。
担当者の頻繁な変更も、
賃貸管理会社の健全性を見極めるポイントとなります。
また、こうした会社の共通点に
『サブリース契約』があります。
サブリースとは、オーナーが所有している物件を
不動産会社に貸し出し、
その不動産会社が第三者に転貸する仕組みです。
すべてのサブリース会社がそうではありませんが、
サブリースが経営を傾けてしまう理由は、
保証家賃と入居者に貸し出している家賃が
『逆ザヤ』になっているケースです。
販売や管理受託を優先するあまり、
相場よりも高い保証家賃で借り上げて、
赤字となってしまうケースが散見されるのです。
こうした事態が続けば、
徐々に会社の体力を奪い取っていきます。
不動産投資は物件を購入してからがスタートです。
長期にわたって安定して家賃収入を得るためには、
信頼のおける賃貸管理会社をパートナーとする必要があります。
とはいえ、物件を預けている賃貸管理会社が
健全かどうかを見極めることは容易ではありません。
問題が発生した後に、
振り込まれた家賃や敷金を取り戻すことは簡単ではありません。
今回のコラムでご紹介した兆候が見られるようであれば、
現在の賃貸管理会社に状況を問い合わせたり、
管理移管も念頭に他社の意見を聞くなど、
早急な対応を取られることをお勧め致します。
日本財託管理サービス 管理受託部 山形 敏也(やまがたとしや)
◆ スタッフプロフィール ◆
千葉県市川市出身の33歳。
管理受託部に所属し、
お悩みを抱えているお客様の物件をお預かりし、
賃貸経営のサポートに努めています。
自宅近くの立ち飲み屋に行ってから、
立ち飲み屋探しをすることにハマりました。
偶然居合わせた方とコミュニケーションを取るのが楽しみのひとつです。