築浅に負けない付加価値を生み出す!2つの事例でみる賃貸経営の差別化戦略
2019/07/11
7月に入り、賃貸市場は引越しする人が少ないいわゆる閑散期です。
同じ築年数の物件が賃貸ポータルサイトに並ぶ中で、選ばれるために大切な考え方は「差別化」です。
家賃を維持もしくは上げて、入居者に選ばれるには、付加価値を生み出す必要があります。
そこで今回のコラムでは、付加価値を生み出して、差別化するための施策を2つの事例でお伝えします。
1つ目は外観リノベーションの事例です。
当社では、区分マンションの管理だけではなく、1棟物件の管理も行っています。
基本的に室内のみしか変えられない区分マンションに比べ、1棟物件には共用部分がありますので、工夫の余地があります。
中でも第一印象を決める外観のリノベーションは有効です。
この物件は1994年築、軽量鉄骨造2階建て、練馬区に所在するアパート2棟です。
築25年になるこの物件は、くすんできたベージュの外壁が築年の経過を感じさせる外観でした。
ご提案の上、第一印象を劇的に変える外観リノベーションを行いました。
完成後の写真がこちらです。
外観はモノトーンに統一しました。
壁面には要所にアール・ヌーボー調の飾りが設置され、アクセントになっています。
周辺の築浅物件と比べても見劣りしません。
この物件では、大規模修繕工事に併せて、リノベーションを行いました。
1棟物件をお持ちであれば、資産価値を維持するために定期的な大規模修繕が必要です。
いずれにしても足場を組んで工事を行うのであれば、そのタイミングで資産価値をさらに付加する施策もご検討いただくのがオススメです。
物件の規模にもよりますが、通常の大規模修繕工事費用に200~250万円程度上乗せすることで、このようなデザイン性の高い外観リノベーションを行うことが可能です。
この物件は満室の状態でリノベーションを行い、まだ退去が発生していませんが、同じような築年数の物件との差別化により、間接的に空室期間の短縮や相場水準以上の賃料を見込めます。
また「きれいな家に住める」ことで満足度を高め、優良な入居者に長く住んでもらう観点でも有効だと考えています。
もっとお手軽な差別化の施策として、2つ目にご紹介する事例は、ホームセキュリティの導入です。
ニーズが高く、入居したあとの解約抑止にも効果的な設備の一つが『ホームセキュリティ』です。
しかし、これまでオーナー様にとっては、なかなか導入しづらかった設備でもあります。
その一番の理由は、導入費用の高さです。
業界大手企業のセキュリティサービスを導入すると、一般的には1室あたり初期費用として約5万円、そして月額利用料も約5,000円かかります。
負担分全額を家賃に上乗せできれば良いのですが、なかなか難しいのが現実です。
ところが最近、安価かつ簡単に設置できる賃貸向けのホームセキュリティサービスが登場しました。
先日、当社のある管理物件で導入したホームセキュリティは、小型のセンサーを玄関扉や窓に取り付け、タブレット型のホームターミナルをお部屋に設置するだけのものです。
玄関扉や窓が不正に開けられた場合、センサーが自動検知しホームターミナルが警報音を鳴らす仕組みになっています。
さらに、警報音を鳴らすと同時に入居者を含む5名の家族や知人の携帯電話に通報されます。
オプション利用料が必要となりますが、その場で警備会社に出動依頼も可能です。
警備会社のステッカーも発行してもらえるので、玄関扉等に貼付することで抑止効果も見込めます。
このホームセキュリティの初期費用は1万円で、ランニングコストとなる月額利用料も1,000円と格安で導入が可能です。
先日導入したお部屋では、相場より家賃を2,000円アップして、入居者を付けることができました。
人気が高いセキュリティ付き物件ですが、多くの物件が掲載される賃貸ポータルサイトでも、全体のわずか数%です。
わずかな資金で、同じエリアの競合物件に一歩差を付けられるわけです。
ちなみにご紹介したホームセキュリティは、1棟アパートはもちろん、区分所有のお部屋でも戸単位で導入できます。
投資して付加価値を生み出し、物件の魅力を最大限に引き出すことが、安定収入の維持につながります。
今回ご紹介した2つの施策の他にも、無料インターネット、宅配ボックス設置、カーシェア、室内リノベーションや家具家電付き賃貸、など、付加価値を生み出す様々なご提案が可能です。
差別化のアイディアを知りたいという方は是非お気軽にご相談ください。
日本財託管理サービス 管理部一棟ソリューション課
笠原 良太(かさはらりょうた)
◆ スタッフプロフィール ◆
東京都八王子市出身の39歳。
管理部一棟ソリューション課として、賃貸経営の収益力を改善する設備投資や、リノベーションなどの提案を行っている。
趣味は釣り。昨夏、同僚たちと行った北海道遠征で、午前3時起床、雨風吹き荒れる中でも、釣りを楽しめるくらいには釣りバカ。