緊急事態にもサービス品質は落とさない!賃貸管理の最新現場レポート
2020/04/23
『仕事が無くなってしまって、今月の家賃の支払いが厳しそうなんです...』
今月に入ってから、このような家賃の減額や支払い免除に関する入居者からの相談が増えています。
新型コロナウイルスの感染拡大による影響をひしひしと感じています。
私たち賃貸管理会社の存在意義は、どのような状況下であっても毎月、約束した日に正確な家賃収入を、オーナー様にお届けすることです。
そのためには、私たちだけが努力するだけでなく、数多くの協力会社様や入居者様と向き合い、協働してひとつひとつの問題をクリアしていく必要があります。
今回のコラムは、新型コロナウイルスが賃貸管理の現場に及ぼしている影響について、家賃滞納督促と入居者募集の現場からレポートします。
多くのオーナー様が気にされるのは、報道でも取り上げられることが多い家賃の滞納状況でしょう。
家賃に関する入居者からのご相談は、先週末までに33件と、4月に入ってから着実に増えており、月末に向けて、今後も問い合わせは増えるものと見込まれます。
このようなご相談には、滞納督促を専門とする債権管理部で対応しています。
大切なポイントは、困難に直面している入居者の気持ちに電話口からでもしっかり寄り添うところです。
相談者はアパレル、飲食店、フリーランスと、職種はバラバラですが、誰しも好きで滞納したいわけではありません。
「減額はできません」と突っぱねるのは簡単ですが、それでは問題は解決しないどころか、結局滞納に至ってしまいかねません。
そこで、家賃の減額や免除は基本的に難しいことをお伝えしつつ、公的支援制度の窓口をご案内しています。
たとえば、今週から利用条件が緩和された住居確保給付金や、社会福祉協議会による総合支援資金貸付といった制度は、当座をしのぐ手助けになります。
普段なら一緒に窓口に行って、申請のサポートをすることもありますが、現在は社会福祉協議会からも窓口の『3密』を防ぐため、まずは電話で相談して欲しいと要請を受けています。
制度についてわかりやすくご紹介するとともに、ご本人から直接電話相談をしていただくように依頼をしています。
こういったコロナ対応に追われつつも、通常の滞納督促業務も疎かにできません。
リモートワークの自宅から社用携帯で、督促電話をする日々にもようやく慣れてきました。
固定電話と違い、番号を登録さえしておけば、折り返し時にすぐに名前が分かって話を始めやすいという、新しい発見もありました。
滞納先の督促訪問も曜日を決めて、1日3、4件のペースで行っています。
常時マスク着用、インターホンを押す際も携帯用消毒スプレーをシュッと吹きかけ、感染予防に細心の注意を払いながらの業務です。
もちろん、入居者とお会いできた時は、『社会的な距離』を保つよう心がけています。
そして、入居者募集の現場では、外出自粛要請が賃貸需要に影響を与えています。
とはいっても、現時点ではビジネス街を歩く人の数ほど需要が急減しているわけではありません。
これは引越費が高騰する3月を避ける動きがあったことや、学生の入学、社会人の入社や転勤が後ろ倒しになり、転居時期をずらす傾向があるからです。
当社に入居者をご紹介いただく賃貸仲介会社の店舗も、ほとんどが営業を続けています。
店舗への販促訪問は控えているものの、入居者の募集は協力会社である賃貸仲介店舗があってこそ成り立っています。
まめに電話で連絡を取り、営業状況をヒアリングしています。
電話を切る前には、「こんな状況の中、いつもご紹介いただきありがとうございます」
とねぎらいと感謝の気持ちを伝えるよう心がけています。
賃貸管理会社の中には、新規の入居申込業務をストップしているところも見受けられます。
その中で、当社が新規申し込みから契約までの業務を滞りなく行っていることから、安心してお部屋の紹介ができるという言葉も頂いています。
1日でも早く空室を解消して、不安を抱えるオーナーの皆さまに吉報を届けられるよう、協力会社と連携を密に取りながら、募集活動を続けていきます。
また、今回取り上げた業務に以外にも、全ての管理スタッフがリモートワークをはじめ通常と異なる勤務形態をとり、試行錯誤しながら、賃貸管理業務の品質を落とさないように努めています。
依然として先は見通せませんが、オーナー様の安定した賃貸経営をサポートしていくため、感染予防に努めつつ、常に最善の手を尽くしていきます
日本財託管理サービス 賃貸事業本部 田中 芳之
◆ スタッフプロフィール ◆
賃貸営業部と債権管理部の責任者として、緊急事態においても1日でも早く空室を埋められるよう、また滞納の増加を防ぐべく、日々、新たな仕組みづくりを推進している。
18歳のときにサッカーの本場イギリスにサッカー留学。地元のサッカーチーム『ダラム・シティFC』にて腕を磨く。