昨年の約3倍!リモートワークの浸透と比例して増加する『騒音問題』に立ち向かう
2020/05/14
コロナの感染拡大によって、働き方も一変しました。
多くの企業でリモートワークが取り入れられており、自宅に居ながら仕事をする方が増えています。
リモートワーカーが増えたことで、ある問題がいま急増しています。
それは、『騒音問題』です。
当社が管理する物件では、先月の騒音に関するお問い合わせは、昨年の同時期と比べて実に3倍以上にもなりました。
騒音問題を放置すると、入居者の退去につながりかねません。
在宅時間が長いのであれば、なおさらです。
そこで今回のコラムでは、急増する騒音問題について、現場のレポートともに当社の対応をご紹介したいと思います。
ひと言に騒音と言っても、様々な種類の騒音があります。
ドアの開け閉めなどで発生する生活音はもちろん、スピーカーやテレビから発生する音声、電話や来客などによる話し声など、多種多様です。
また、日中は気にならない生活音でも、深夜、寝静まったタイミングで発生してしまうと、それも騒音とみなされてしまうケースがあります。
そのため、騒音問題の対応は、まずどの時間帯に、どんな騒音が発生したのか、徹底した事実確認からスタートすることが重要となります。
墨田区にあるマンションの入居者Aさんから、こんなお問合せをいただきました。
『どこかの部屋の男性がベランダに出て、大声で歌っているのを止めてほしい』
お話を伺うと、どうやら決まった時間にベランダに出て、歌っているわけではないようです。
とはいえ、つきっきりで調査を行うわけにもいきません。
そこで、マンション全体を管理する建物管理会社と連絡を取り、状況を説明したうえで、エントランスの掲示板に注意書きの張り紙を掲示してもらいました。
しかし、注意喚起で歌声は止まることはありませんでした。
再度Aさんからお話を聞くと、どうやら隣室の入居者の可能性が高いということです。
とはいえ、その部屋は当社の管理物件ではないため、入居者の連絡先が分からず、直接確認することはできません。
そのため、再び建物管理会社に連絡をし、隣室の管理を行う賃貸管理会社の担当者につないでいただき、状況を説明して、事実確認を行っていただくことにしました。
すると、隣の入居者には自覚があり、注意喚起を素直に受け入れ、以降はその行動を改めてくれました。
今回は比較的スムーズにトラブルを解決することができましたが、騒音トラブルの解決には、きめ細やかな対応が求められます。
私たちが間に入らずに、Aさんが直接隣室の入居者に注意をしてしまうと、注意を受けた入居者が逆上して、危害を加えられてしまうことも考えられます。
また、私たちが間に入ったとしても、騒音主に対して、一方的にこちらからの言い分をだけを伝えてしまうと、管理会社に告発した人を探して、いやがらせを行うような、無用なトラブルを引き起こしかねません。
あくまでも慎重な対応が必要です。
ただし、これは騒音元が特定できた場合の話です。
多くの場合、特定することは簡単ではありません。
そのような時の対処法としては、建物管理会社に相談することに加え、深夜帯の騒音など、急を要する相談の場合は、最寄りの交番に連絡することも勧めています。
コロナ問題が収束したとしても、リモートワークがなくなることは考えにくく、騒音問題はこれからも増加することが考えられます。
慎重な対応を行わなければ、トラブルがさらに大きくなることも考えられますし、解決が長引けば、入居者の退去にもつながります。
これからも細心の注意を払ってしっかり事実確認を行い、その結果をもとに、関係者と連携して対応し、入居者の快適な住環境を守っていきたいと思います。
日本財託管理サービス 管理部管理課
菊田 修史(きくたしゅうじ)
◆ スタッフプロフィール ◆
茨城県土浦市出身の34歳。
管理部管理課で、室内設備不良の修理受付をはじめ、漏水や騒音の様な住戸間のトラブルを対応。快適な住環境維持の為、入居者のお困り事の解決を行っています。
コロナウイルス感染拡大防止の為、自粛の毎日ですが、先日は人気の無い川辺で家族とナマズ釣りを楽しみました。「3密」を避けて事態収束まで頑張ろうと思います。