コロナによって認知症リスクが高まった高齢者!ますます高まる「家族信託」の重要性
2020/05/28
今週、首都圏を含めた5都道県の緊急事態宣言がようやく解除されました。
およそ1か月半にも及んだ外出自粛生活は、全ての世代に様々な生活の変化をもたらしました。
特に、高齢者にとって自粛生活が問題なのは、行動制限とコミュケーション機会の減少が、認知症の発症リスクや症状の進行リスクにつながることです。
仮に、認知症の症状が進んで意思能力が失われると、自宅などの不動産の売却や預金の解約など、大切な資産を活用できなくなってしまいます。
いわゆる『財産凍結』に陥ってしまうのです。
そして、この財産凍結に効果を発揮する手法が家族信託です。
今回のコラムでは、コロナ禍のなかで高まる認知症リスクに効果を発揮する家族信託について、改めてご紹介したいと思います。
緊急事態宣言が発令されてから、高齢者のご家庭にはどのような影響があったでしょうか。
例えば、日課のスポーツジムや習い事には参加できません。
感染リスクを考えれば、家族も両親に会いにいけませんし、デイサービスも休止となりました。
さらに、施設に入所している高齢者の生活にも大きな影響がありました。
施設内で一人でも感染者が出てしまうと、大きな問題となり、閉鎖せざるを得なくなります。
そのため、外部からの面談はNGとなり、少しでも感染リスクを減らすため、一部の施設では、入所者と職員の接触回数を減らしているところもあったほどです。
このように、コミュニケーション量や活動機会が減少すると、認知症の進行が早まるリスクも一層高まります。
実際に、私の身の回りでも、この自粛期間中に予想よりも早く認知症が進行してしまったというケースを見てきました。
今後、感染拡大の第2波、第3波が予想される中では、コロナ以前のように、様々な人とコミュニケーションを取り、ジムや習い事などの活動を積極的に行う高齢者は多くはないでしょう。
認知症のリスクは、依然として高い状態にあります。
だからこそ、いま家族信託の重要性が高まっているのです。
家族信託契約を利用して、両親が所有する財産の管理や運用、処分についての権限を、信頼のおける子どもにあらかじめ託しておけば、認知症によって意思能力が失われたとしても、子どもは両親の生活のために財産を使うことができるようになります。
とはいえ、感染リスクを考えれば、両親とは簡単に会えない状況が続くでしょう。
そこで、当社がおすすめしている手法が「オンライン相談」です。
ご家族とお会いしなくても、相談から契約直前までの手続きをオンラインで行うことが可能です。
先日、長崎県にお住いのご相談者Aさんとオンラインで面談を行いました。
ご両親は同じ長崎県内に住んでいるとのことですが、緊急事態宣言以降、感染リスクを考慮して、お互いに会うことは控えているとのこと。
そこで、まずはご家庭の現状を把握するために、Aさんとオンラインで面談をさせていただきました。
その後、両親ともオンラインでお話をする機会を設けて頂き、健康状態や現在の資産状況を確認。
さらに、そこから司法書士ともオンラインで面談を行って、契約内容を固めていきました。
そして、来月に公証役場で信託契約を実施するスケジュールを組ませていただきました。
このように、最初のヒアリングから契約直前までの手続きをオンラインで行うことができ、両親の健康にも配慮しながら、万が一の備えを進めることが可能です。
緊急事態宣言も解除され、お盆やお正月には帰省される方も多いと思います。
お互いの健康状態を確認する良い機会ですが、その時には、両親の今後の生活についてもぜひ話し合ってみてください。
コロナを経験したからこそ、ご両親が安心して生活をしていくために、どのような準備をしたほうがよいのか、家族全員で話し合うよい機会になるはずです。
どのように切り出してよいかわからない時には、私どもにぜひご相談ください。
200組以上の家族会議に参加させていただいた経験から、あなたのご家族にあったサポートをさせていただきます。
また、まずは情報収集からという方には、ブログやYoutubeで家族信託や認知症、相続に関する情報を随時配信しています。
■〈ブログ〉家族信託と相続
https://shintaku-souzoku.jp/
■〈Youtube〉お金と認知症の問題を解決する家族信託チャンネル
※チャンネル登録で、随時最新情報をお届けしています。
https://www.youtube.com/channel/UCrc797JkL6gA5S0rmBnJ_7g
気になる方は、ぜひ一度ご覧いただいて、お気軽にご相談いただければ幸いです。
日本財託 資産コンサルティング部アセットプランニング課
家族信託コンサルタント
横手 彰太(よこてしょうた)
◆ スタッフプロフィール ◆
鹿児島県阿久根市出身の47歳。
認知症とお金の問題を解決する専門家。
相続対策や法人設立、家族信託など、お客様の資産を守り増やしていく提案を行っています。
今年は、富士山登山が禁止されました。
昨年長男小4と富士山を登り、今年は燕岳(つばくろだけ)狙っていましたが、来年まで延期したいと思います。まずは、家族でSTAY LIFEを継続します!