手ごろな手数料がコスト高につながる!?収益を最大化する管理会社の総合力とは
2020/11/05
当社ではマンションをご紹介して、その後の賃貸管理を行うだけでなく、
管理でお困りのオーナー様からご相談をうけて、管理をお任せ頂くケースもあります。
昨年度、管理を受託した件数は1,154戸になりますが、
最近目立つケースに「管理手数料が格安だから」といった理由で管理会社を選んだ結果、
思わぬトラブルが発生し、むしろ高くついてしまったというケースです。
たしかに、管理手数料を抑えることができれば、
手元に残るキャッシュフローも増え、資金計画にも余裕も出てくるので、
賃貸管理会社を選ぶ際のポイントの一つではあります。
しかし、管理手数料だけで選んでしまうと、
空室の長期化や入居トラブルを解決できずに、
かえってコスト高になるケースもあるのです。
そこで今回のコラムでは、実際にあった事例をもとに、
管理手数料だけではない、長期にわたって収益をあげるための
賃貸管理会社選びのポイントをお伝えします。
「建物の漏水で困っている人がいるから、相談に乗ってほしい」
昨年10月、お付き合いのある不動産コンサルタントから連絡がありました。
オーナーのAさんは自営業の50代女性。
本業とは別に、都内に総戸数14戸のアパートを所有していました。
そのアパートの一部で漏水が発生。
1室の半分ほどが水浸しとなってしまったそうです。
Aさんは物件の管理を委託している管理会社に問い合わせ、対処方法を相談。
しかし、管理会社からは保険対応ができない事例のため、
『修繕にかかる費用は自分で支払ってほしい』との回答を受けたとのことでした。
その費用は50万円にのぼり、困惑しているといった内容でした。
電話でのやり取りの後、早速現地に赴き、調査を開始。
配管に何かしらの衝撃が加わったことにより、亀裂が入っている様子でした。
こうした場合、通常はオーナー様が加入している火災保険で対応すれば、
補償対象内となり、修繕費用はそこから支払われます。
今回、その管理会社はAさんが加入している保険ではなく、
入居者様が加入している保険で対応しようとした結果、
補償が認められず、Aさんへ支払いを求めたようでした。
そこで、オーナー様に対し、管理会社の対応に不備があることを説明。
適宜アドバイスを行いながら保険の申請手続きをしていただきました。
結果として、無事に保険を利用でき、不必要な出費を抑えることができました。
漏水対応でAさんとやり取りをするなかで、
管理に問題があるのではないかと感じていました。
当初は、管理状況についてAさんに問いかけると、
「困っていることは何もありません」
とあまり話したがらない様子でしたが、相談を重ねるなかで、
少しずつ信頼を頂いたのか、お悩みを話していただけるようになりました。
Aさんによると、家賃の集金や入居者からの問い合わせなどの日常的な対応は
ご自身で行い、入居者募集や修繕の手配などは管理会社に任せるという、
「半自主管理」の状態でした。
理由を聞くと、ある程度自分で管理をすることで、
管理費用を安くしてもらっているとのことです。
管理手数料だけで考えれば、当社に管理を移管すると
年間では15万円ほど費用が高くなります。
ただ、現状では手数料を抑えられている分、
いわゆる大家業で時間と手間がかかるということに加え、
年間を通して1室は常に空室が発生している状況だったのです。
そこで、現状の管理会社のまま賃貸経営を続けた場合と、
当社に管理を移管した場合で詳細なシミュレーションを実施。
アパートは駅から徒歩10分圏内の好立地ということもあり、
早期に満室にすることができるため、
結果として年間で約50万円のプラスになるという試算となりました。
この比較表をもとに、Aさんに管理の移管を提案。
これまでの問題を解決したことによる信頼関係もあり、今年の2月、
一棟すべての管理を当社にお任せいただけることになったのです。
試算の通り、空室も早期に解消でき、
今では、満室経営が続いています。
賃貸管理会社は、迅速かつ的確にトラブルを処理する「対応力」、
資産価値を維持・向上させる「提案力」、
常にオーナー様にとって何が最善なのかを考え、行動する「オーナーファースト」
といった「総合力」が欠かせません。
手数料の安さだけで判断してしまうと、思わぬトラブルにつながりかねません。
ただ、管理会社を選ぶ際、実際にお願いするまでは
管理の品質がわからなことが多いのが実情です。
だからこそ、不動産経営でお悩みのことがあれば、
セカンドオピニオンが重要になってくると思います。
Aさんのケースも、漏水対応でセカンドオピニオンを求められた結果、
いまでは満室経営が続いています。
今回のコラムでご紹介した事故対応だけではなく、
収益改善や空室解消施策など、
オーナー様のお悩みにあわせた解決策をご提案できますので、
不動産経営でお困りの点があれば、セカンドオピニオンという形で
ぜひお気軽にご相談ください。
日本財託管理サービス 管理部一棟ソリューション課
笠原 良太(かさはらりょうた)
◆ スタッフプロフィール ◆
東京都稲城市出身の41歳。
管理部一棟ソリューション課として、主に賃貸経営の収益力を改善する設備投資や、リノベーションなどの提案を行っています。
最近は趣味の釣りを再開。今は船に乗ってヒラマサ釣りに挑戦中です。