資産1億円を目指すべき?始める前に考えたい投資目標の決め方とは
2021/02/25
今週発売の週刊ダイヤモンドの特集は『株・不動産・節税で資産1億円』。
株式投資を中心に資産1億円を達成した名物投資家の投資術を紹介するという内容です。
株価の上昇で投資機運が高まるなか、いわゆる「億り人」には誰もが憧れは持つことでしょう。
ただ、個人投資家が資産運用のゴールを、資産1億円にするのは理想的なのでしょうか。
結論からいえば、「資産額」に着目するよりも、得られる「収入額」で考えるほうが、
夢を現実により近づけやすくなると、私たちは考えています。
今回は投資を始める前に考えておきたい資産運用の目標の立て方について、あらためて紹介します。
目指すべきところを資産1億円にしても、決して悪いわけではありません。
とはいえ、単に「1億」という数字を追いかける
落とし穴があることも押さえておくことが大切です。
1つは、負債を考慮しない資産額で考えてしまうことです。
特に不動産投資の文脈で目にする
「5年で総資産7.5億円達成の不動産投資家」
といった触れ込みには要注意です。
同じ1億といっても、
資産から負債を差し引いた「純」資産が1億円なのか、
負債額を考慮しないで資産額だけをみた1億円なのかでは、
大きな差があります。
1億円の借り入れができる信用力さえあれば、
元手が少なくても、資産1億円は比較的すぐに達成できます。
ただしこの場合、負債も1億円です。
返済すべきローンを抱えているうちは、真の意味であなたの資産ではありません。
返済負担があるうちは、家賃収入からローン返済額を支払いますから、
最終的に手元に残る額は少なくなりますし、金利上昇のリスクも抱えたままです。
まして、1億円もの借金を抱えてしまうと、
ひとたび長期の空室が発生したり、金利が上がってしまうと、
途端に不動産経営は苦しくなります。
もう一つの落とし穴は、その資産1億円は
安定的に収益を生み出してくれるのか、という点です。
仮に現金と株式投資で資産1億円達成できたとして、
そこからいくら、あなたが自由に使えるお金が生まれるでしょうか。
現金はいくら持っていても、収益を生みません。
つまり、貯金を切り崩すだけで、無くなったら終わりです。
株式なら配当金や株主優待がありますので、保有しているだけで継続的に受け取れる収益があります。
とはいえ、企業の業績によって減配・無配になる可能性はあり、
それを1投資家がコントロールするのは不可能です。
お金を使いたいならば、結局いつかは売却して取り崩さなければならないでしょう。
切り崩した分は、またリスクを背負って増やしていく必要も出てくるかもしれません。
1億円から3,000万円を使い切って、7,000万円になった時、
果たして、次の3,000万円も同じ気持ちで取り崩して、自由に使えるでしょうか。
では、これらの落とし穴を踏まえて、資産運用のゴール設定はどうあるべきでしょうか。
それは、「希望する収入額」と「達成時期」、この2つを決めることです。
不動産投資でいえば、毎月入る家賃収入額を、いつまでに、いくらにしたいのか、
をゴールとして計画すると分かりやすいでしょう。
たとえば、35歳の方が65歳までに
月35万円の収入を得られる状態を作ることをゴールに設定して、
シミュレーションしてみます。
この35万円のうち20万円は公的年金でまかなえると仮定します。
残り15万円の定期収入を、30年間で作り上げればゴールを達成できます。
そこで2戸のワンルームを同時に、それぞれ金利1.65%、35年ローンを組んで購入します。
価格2,300万円、手取り家賃7.5万円の中古ワンルームを2戸所有すれば、
ローン完済後の手取り額は15万円になります。
フルローンを組んだとしても、毎年50万円繰り上げ返済を行えば、
およそ20年で1戸目のローンを完済できます。
その後2戸目には、1戸目からの手取り家賃収入である毎年90万円を繰り上げ返済に活用します。
すると、およそ7年で完済となり、
27年で2戸のローンのないマンションができる計算になります。
実際には空室による機会損失や、入退去時の修繕費用などがあるので、
シミュレーションよりは遅くなるものの、
「30年で月額手取り収入35万円」は現実的なゴールとして描くことができます。
また、余力があればさらに不動産と家賃収入を増やすことで、ゆとりのある老後の生活を目指せます。
買う戸数が増えて、ローン返済が進めば、自然と総資産額は増えていくものですから、
気づけば「純資産1億円」もありえるでしょう。
人によっては、年金と家賃収入をあわせて50万円欲しい人、30万円で十分だという人もいるでしょう。
それぞれの生活スタイルも異なりますので、それに応じて目指すマンションの保有戸数も異なります。
周囲の情報に流されることなく、あなたに合ったペースで、あなたなりのゴールを目指して、
堅実に資産形成を進めていきましょう。
日本財託 マーケティング部セールスプロモーション課
横尾 幸則(よこおゆきのり)
◆ スタッフプロフィール ◆
埼玉県大宮市出身の33歳。
マーケティング部で、セミナーやHPの運営、メールマガジンの執筆や広報活動を通じて
東京・中古・ワンルームの魅力を多くのお客様に伝える。
先日、所有するマンションの管理組合総会に出席しました。
理事のなかで居住者/非居住者が半分ずつなので、
議論が色々な角度から展開され興味深いものです。