リモートワークの普及で需要増!マンションの敷地に出店する『キッチンカー』で収益アップ
2021/07/01
不動産オーナーであれば、誰しも検討する所有物件の収益改善。
特に、1棟アパート・マンションを所有していると、
室内だけではなく、建物全体で
様々な収益改善施策を検討することができます。
たとえば、敷地内に自販機を設置したり、
屋上に携帯電話のアンテナ基地局を設置することもその一つです。
他にも、使用されていない管理人室を居室に改装して入居者を募る方法や
ポスティングを有料制にする施策などもあり、
そこで得られた利益を将来の修繕費用として活用することができます。
それ以外にも、マンションの敷地の活用事例として、
最近注目を集め始めているのが、『キッチンカー』です。
今回は、新たな収益改善施策として期待ができる『キッチンカー』の仕組みと、
当社所有の物件でトライアルを実施した結果をご紹介したいと思います。
キッチンカーとは、その場で調理をし、テイクアウト可能な商品を販売する
移動販売車のひとつです。
都心のオフィス街やイベント会場などで目にする機会も多いのではないでしょうか。
最近では、住宅街で展開する事業者も増加しています。
その要因は、コロナ禍によるリモートワークの増加です。
毎日ではないにしろ、週に数回リモートワークを継続している方は多く、
食事の作る手間を考えてテイクアウトをしたり、
デリバリーサービスを利用することも増えてきました。
その選択肢のひとつとして、新たに加わってきているのがキッチンカーです。
具体的には、マンションの敷地に店舗となるワンボックスカーを停め、
その場で調理し販売を行い、利益の一部がオーナー様に還元されるという仕組みです。
実際に当社が保有する物件で6月の半ばから計5回、
お昼から夕方にかけてトライアルを実施しました。
初日は足を運ぶ方もまばらでしたが、徐々に購入者も増え、
焼き鳥を販売した日にはランチタイムだけでなく、16時以降には1時間待ちの状況となりました。
販売していた焼き鳥の平均単価は140円ほどで、
その日の売上は25000円以上。
これを週に3日間、1ヵ月出店した場合、総売り上げは30万円。
オーナーへの還元率が5%だとすれば
ひと月で得られる収益は15,000円、年間では180,000円になります。
さらに、このキッチンカーがもたらす効果は、
なにも売り上げだけではありません。
キッチンカーの利用者はマンションの近隣に住む方とともに、
当然、その物件の入居者も利用します。
実際、この5日間の中でも、
該当マンションの入居者の利用が多数ありました。
そのなかで
「こういう販売車が来てくれるのはありがたい」
「このまま続けてほしい」
といった声もいただけたのです。
コロナ禍で外食や移動の制限もあり、
これまで楽しめていた食やエンターテインメントも我慢せざるをえない状況です。
そのような中で、普段とは違った食事を気軽に楽しめるキッチンカーは、
生活の質の向上にもつながっています。
入居者の満足度が上がれば、解約防止にも期待でき、
空室リスクの軽減につながります。
空室対策として、管理会社やオーナー様が身銭を切る施策はいくつかありますが、
オーナーの負担とならずに、さらに収益を上げなげら、解約防止につながる施策は
オーナー目線からも入居者目線からも非常に効果があります。
また、まん延防止重点措置が発令されている状況では難しいことですが、
コロナが落ち着いたタイミングで、様々な条件をクリアしたうえでお酒の提供が可能となれば、
売り上げ単価は上昇し、さらなる収益アップも期待できます。
周辺環境などの配慮も必要となりますが、
大きな収入源となる可能性も秘めているといえます。
また、キッチンカーの利用には、
停車スペースの確保が欠かせません。
軽自動車がとまれるだけのスペースがあれば出店できますが、
現地の事前調査は必要となるでしょう。
ただ仮に現状の敷地にスペースがなかったとしても、
敷地の一部をリフォームするという方法も考えられます。
当社では、その際の費用やその後の損益分岐点などもご提案ができますので、
ぜひ、ご相談いただければと思います。
今回のご紹介したキッチンカーは、
主に一棟物件を所有されている方向けの施策です。
とはいえ、区分マンションのオーナー様でも
実施ができないわけではありません。
管理組合にて提案し、承認を得られれば実施も可能です。
そして、キッチンカーによって得られた利益を積み立て、
修繕が発生したらその費用として充てることもできるでしょう。
またキッチンカーだけでなく、花屋や雑貨店、書店やヘルスケアに関するサービスまで、
幅広い選択肢があることも、このサービスの魅力となっています。
実際にさいたま市や秋田市など、
全国の自治体でキッチンカーを活用する取り組みを始めています。
様々な可能性を秘めたキッチンカーを
新しい収益改善施策のひとつとして、検討してみてはいかがでしょうか。
日本財託管理サービス 管理部一棟ソリューション課 笠原 良太(かさはらりょうた)
◆ スタッフプロフィール ◆
東京都稲城市出身の42歳。
管理部一棟ソリューション課として、主に賃貸経営の収益力を改善する設備投資や、リノベーションなどの提案を行っています。
最近は趣味の釣りを再開。今は船に乗ってヒラマサ釣りに挑戦中です。