5年間の人口増加数は鳥取県相当!最新国勢調査から読み解く東京の賃貸需要の現在地と将来性
2021/07/08
先月末、最新の国勢調査結果の速報が発表されました。
国勢調査は、日本に住んでいるすべての人と世帯を対象として、
5年ごとに実施される国の最も重要な統計調査で、
不動産投資を検討するうえでも大変役立つデータです。
速報結果から見えてきたのは、これまでと変わらないトレンドでした。
日本全体としては人口が減少するなか、
東京一極集中で人口が増える構図です。
この東京一極集中は、この5年間でさらに加速。
今回のコラムでは、国勢調査結果の最新速報から、
不動産投資の行く末を左右する賃貸需要の未来を考えていきます。
今回発表されたのは、2020年に実施された最新の国勢調査の速報値で、
全国および都道府県別のデータです。
昨年10月時点の日本の人口は1億2622万人で、
5年間で約87万人、0.7%の減少となりました。
その内訳をみると、この20年程の傾向そのままに、
人口増減の二極化が進んでいることが分かります。
最も人口減少数が大きかったのは、秋田県で約6万人。
率にして6.2%もの人口減少がありました。
47都道府県のうち、実に8割にあたる38道府県が人口減でした。
しかも、33道県では、
前々回調査があった2010年からの5年間と比較して、
減少幅がさらに拡大しています。
市町村単位でみても、全体の8割のエリアで人口が減り、
特に5%以上も人口が減少した市町村は全体の半数にのぼっています。
軒並み人口を減少させている実態をみれば、
地方・郊外のアパート経営が将来成り立たなくなるのは、
今回の国勢調査の結果からみても明らかです。
一方で、人口が増加した都道府県は9都府県あり、
ほとんどが大都市圏です。
東京はその中でも1位の4.1%増、
人口は55万人増えて1400万人を突破しています。
鳥取県の人口が55万人なので、
東京にはわずか5年で1つの県を作れてしまうほどの
人口増加があったといえます。
しかもその前の5年間と比較しても、
増加率が2.7%から4.1%へと1.4 ポイント拡大しました。
実際のところ、東京の人口増加の勢いは、
専門家の予測を大きく上回っています。
国勢調査結果をもとにして、
国立社会保障・人口問題研究所では、5年ごとに
将来推計人口のデータを公表しています。
国勢調査の人口推移と、
それ以前の時点での将来推計人口を見比べてみると、
東京の人口が、常に予測を上回るペースで、
増えてきている様子が分かります。
たとえば、2000年の国勢調査をもとにした将来推計では、
東京の人口は2015年に1,247万人で
ピークを迎えると予測されていました。
実際は、2015年の国勢調査の時点で、
東京の人口は1,351万人。
この15年間で実に100万人以上もの
将来推計を上回る人口増加があったのです。
国立社会保障・人口問題研究所の機関誌では、
都道府県別にみた将来の人口増加率の要因について、
分析結果を公表しています。
そのなかで、東京だけが日本で唯一、人口の社会増加が、
病死や老衰といった自然減少を
将来にわたって上回るエリアであると分析しています。
人口の社会増加とは、引越しによって出ていく人より、
入ってくる人の方が多くなることで、人口が増えることです。
東京を目指してやってくる人が止まらない理由は様々ですが、
大きな要因のひとつは経済規模が圧倒的に大きいことです。
企業の規模や数、そして雇用者の数や職の選択肢も多く、
年収などの待遇面も良い環境が出来上がっています。
そして地方や海外から、魅力的な働き口を求めてやってきた
10代後半から20代の単身者が賃貸需要を生み出すのです。
しかも東京という街は世界随一の
「ひとり暮らしがしやすい街」とも言えます。
今回の速報で公表された東京の1世帯あたりの平均人数は
1.95人と全国で唯一2人以下であり、
これは単身世帯の増加を意味しています。
今回の国勢調査結果はまだ公表されていませんが、
市区町村別に見るとさらに顕著な傾向が見られます。
たとえば新宿区の単身世帯率は
2015年時点でも、全国平均の約2倍にのぼる64.9%と、
むしろ2人以上で住む人のほうが少数派です。
煩わしい近所づきあいや、地域の行事に駆り出されることもなく、
10分も歩けばコンビニもスーパーもあり、電車に乗ればどこへでも行けて、
新しい刺激を五感で得られる自由が、東京にはあります。
リモートワークで仕事は完結できたとしても、
若者にとってはそれだけでは十分ではありません。
買い物やレジャー施設、レストランなど、
暮らしを楽しめる場所であることが求められています。
だからこそ、東京にたどり着いた若者は、
東京で暮らし続けるのです。
今回あらためて東京一極集中の構図が明らかになりました。
不動産投資で長期安定収入を得るための最大のポイントは、
将来にわたって安定した賃貸需要が見込める場所を選ぶことです。
不動産投資を検討される方は、
「東京」に投資されることを強くお勧め致します。
日本財託 マーケティング部セールスプロモーション課
横尾 幸則(よこおゆきのり)
◆ スタッフプロフィール ◆
埼玉県大宮市出身の33歳。
マーケティング部で、セミナーやHPの運営、メールマガジンの執筆や広報活動を通じて東京・中古・ワンルームの魅力を多くのお客様に伝える。
親知らずを抜いたら1週間くらい仕事を阻害するレベルの痛みが続いて大変な目に遭いました。
皆様も抜歯は計画的にどうぞ。