人生100年時代の長生きリスク!お金の誤算ワースト3の実態と対策
2021/10/21
先日、日経プラスワンで
「人生100年時代のお金の誤算」ランキングが紹介されました。
「見落としやすい」「失敗すると影響が大きい」といった観点から
13人のお金の専門家による投票で順位付けされたものです。
ランキングは以下の通りです。
=================
1位 介護費用の負担が重い
2位 老後も支出が減らない
3位 住居費がかさむ
4位 住宅ローン問題
5位 預貯金が足りない
6位 年金が想定より少ない
7位 高齢者狙う金融商品で失敗
8位 認知症問題
9位 リタイアできない
10位 保険がムダに
=================
これらは、本来喜ばしいはずの長生きが、
お金の面ではリスクになってしまう可能性があるケースを示しています。
将来どのくらいのお金がかかる可能性があるのか、
実態を知ることができれば、将来のリスクを未然に防ぐことができます。
そこで今回は、このランキングから、
特に影響が大きい1位から3位の「誤算」について深掘りし、
実態を解き明かしながら、備え方を考えていきます。
誤算のワースト1位は、
『介護費用の負担が重い』です。
50歳を超えてくると、
70代・80代のご両親の介護を行うケースも増えてくるでしょう。
介護が始まると、資産が減る速度は途端に加速します。
また親の介護を乗り切っても、今度は自分たちの番がやってきます。
4人に1人は介護が必要な状態となる75歳からは、
自分や家族の介護のためにお金がかかると考えておくべきです。
では、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。
まずは介護期間です。
生命保険文化センターの調査では、平均の介護期間は4年7カ月でした。
介護用ベッドの購入など一時費用や
介護施設の利用料、サービスにかかる継続費用を合わせると、
期間中の一人当たりの介護費用は約500万円が見込まれます。
月にならすと約10万円の負担です。
民間の介護施設を利用する際は、
入居一時金や月々の費用がさらに上がる可能性があるので、
総額1000万円以上かかることも珍しくはありません。
ワースト2位に挙げられたのは、
『老後も支出が減らない』です。
この誤算については先日のコラムでもご紹介しました。
『高年収世帯ほど実は要注意!?豊かな老後を過ごすための資金の目安と備え方』
特に現役時代にゆとりある生活を送ってきた世帯ほど、
いまの生活水準を維持するためには、お金が必要になる点に注意が必要です。
ニッセイ基礎研究所の調査から、生活水準を維持するために、
年金受給額にプラスして用意が必要な金額を見てみましょう。
年収500万円~750万円未満の世帯では、年金にプラスして年間約106万円、
老後を30年間と考えると、計約3,200万円です。
世帯年収750万円~1,000万円未満の場合は、計3,650万円、
世帯年収1,000万円~1,200万円未満になると、
必要なお金が30年で計6,550万円にのぼると試算されています。
月に直せば9万円~18万円が自助努力で補うべき目安となります。
3位のお金の誤算は『住居費がかさむ』です。
自宅も自身の年齢とともに老いていきます。
特に戸建ての場合は注意が必要です。
経年に合わせた補修はもちろん、介護に合わせたバリアフリー対応など、
修繕やリフォームにはまとまった費用が必要です。
外壁や屋根、水回りの工事には、
100万円単位のお金がかかることも珍しくありません。
アットホームの調査によれば、戸建ての修繕にかかった費用の総額は、
平均築年数35.8年の時点で556 万円となっています。
その後も同程度の修繕費がかかると想定すると、
年間約15万円、月1.3万円程度の積立で備える必要があります。
しかも調査結果の総額費用は、新築時からの累積ですから、築年が経過した、
修繕費はもっと高くなることも考えられます。
ライフスタイルの変化も踏まえて、
マンションに移り住む場合でも、その購入費用や諸経費の工面が必要です。
賃貸物件に移り住むにしても、家賃をずっと払い続けなければなりません。
さらに、「住居費」はなにもご自宅だけとは限りません。
実家にかかる費用も無視できない存在です。
年齢が上がるほど、空き家となってしまった実家を相続する機会も増えるでしょう。
先週の週刊東洋経済『実家のしまい方』号では、空き家にのしかかる負担について、
年20万円が維持費の目安と紹介しています。
また特に戸建ては、維持メンテナンスを怠っていると「特定空き家」の指定を受け、
払うべき固定資産税が6倍にも跳ね上がることもありえます。
ここまで取り上げた第1から3位までの誤算に関する追加支出額を
合計すると毎月20万~30万円になります。
これら全てが同時に起こるかは分かりませんし、
そもそも可能な範囲で生活水準を下げて、節制をしながらやり繰りをしているのが、
実際のところ大部分のご家庭のケースでしょう。
ただ、4位以降も含めて「お金の誤算」は、いつ誰にでも起こりうるものです。
こうしたリスクに対して、貯金で備えていた場合、
いつか貯金が底をついてしまうことを考えて、過度に節制した生活をしたり、
必要な自宅の修繕を先送りするということになりかねません。
豊かな人生を送るために大切なことは、
いざその時が来ても、人生設計が揺らぐことがないよう、
収入を生み出す資産を事前に作っておくことです。
たとえば都内の中古ワンルームマンションであれば、
毎月、5~8万円の手取り家賃収入を得ることができます。
定年までにローンのないマンションを2戸~3戸を作ることができれば、
将来の備えとして十分に安心をもたらす収入額です。
これから将来に対する備えを始めようという方は
ぜひ「収入源」作りを意識されてはいかがでしょうか。
日本財託 マーケティング部セールスプロモーション課
横尾 幸則(よこおゆきのり)
◆ スタッフプロフィール ◆
埼玉県大宮市出身の34歳。
マーケティング部で、セミナーやHPの運営、メールマガジンの執筆や広報活動を通じて東京・中古・ワンルームの魅力を多くのお客様に伝える。
たまたま通い始めたボルダリングのジムが、
五輪銀メダリスト・野中生萌選手のクライミングはじめの地でした。
地元も我が家に近いのでご縁を感じながら壁を登り落ちしています。