夫婦で年金「月13万円」が最もありえるシナリオ!?豊かに長生きするための予備知識
2022/02/10
経済アナリストの森永卓郎氏の新著『長生き地獄』が話題となっています。
長生きが貧困リスクになる時代にどう対応すべきか、
考え方やライフスタイルを提案する内容です。
書籍のなかで、最も注目すべきは、
政府の財政検証や独自試算を踏まえた、
公的年金の将来について言及する章でしょう。
森永氏によれば、30年後、
夫婦の公的年金受給額はなんと月額13万円!
これが現時点で最もありえるシナリオであり、
いまよりも生活が苦しくなるのは明らかと警鐘を鳴らしています。
そこで今回は、森永氏の新著『長生き地獄』で提示された、
現実的な試算に基づく公的年金の未来を解き明かしながら、
豊かに長生きするための対策を考察します。
森永氏はまず、5年に一度行われる「財政検証」をもとに
公的年金の未来を案じています。
財政検証とは、その時点の人口動向や経済動向を踏まえて、
将来どのくらいの年金保険料が入ってきて、
どれだけの給付ができるのか、再計算するプロセスです。
直近の2019年の財政検証によって標準ケースで見込まれた将来の給付額は、
物価上昇率を調整した実質値で41年後には、いまの1.5倍になると試算しています。
一方で、この推計には、現実を無視した
いくつもの強い仮定がおかれていると言います。
大きな要素の一つは、
実質賃金の上昇率が1.6%と見込まれていることです。
実際のところ日本の実質賃金はずっと下がり続けています。
1990年から2020年の30年間ではマイナス0.4%であり、
10年単位で見ても横ばいからマイナス傾向です。
仮に、41年間に毎年1.6%ずつ賃金が上がり続ければ、
賃金水準は1.9倍になり、賃金に比例する年金保険料も1.9倍になります。
その分、年金給付額も増やせるはず、という論理です。
もう一つのポイントは、
高齢者がもっと働くようになる前提であることです。
高齢者が働けば、年金保険料を納める側になるので、
年金財政の面から見れば一石二鳥の効果があります。
財政検証における標準ケースでは、
2040年時点で男性は7割以上が70歳まで働き、
半数が75歳まで働き続けるという想定です。
とはいえ男性の健康寿命は現時点で、72.68歳です。
健康寿命とは介護などを必要とせず
自立して生活を送ることができる期間を指します。
健康寿命はここ20年で3歳程度延びているとはいえ、
その前後まで働き続ける想定がされているわけです。
まさに『介護施設から通勤する人が増えるという、
ブラックジョークのような状況』と指摘されています。
財政検証には、標準ケース以外にもいくつかの
シナリオが用意されています。
複数のシナリオのなかで、『経済も成長せず、高齢者の労働率も上がらない』
という最も悲観的なケースが一番現実に近いと、森永氏は考察しています。
悲観ケースをもとに試算すると、
30年後の夫婦2人のモデル年金は月額12万9000円です。
またこれとは別に、日本の将来推計人口をもとに、
人口構造変化の要因だけに絞った将来の年金給付額の推計もされています。
2020年に2.05人の現役世代で、
1人の受給世代を支えていた構図は、
2050年には1.32人の現役世代で1人を支えることになります。
支え手の数が42%減少するので比例して、
年金受給額は現在よりも42%減少するという単純計算です。
やや乱暴な試算ではありますが、
これでもやはり2050年の夫婦2人の年金額は、
13万261円という結果になります。
だからこそ、公的年金が月13万円という時代に
備えるべきだと森永氏は警鐘を鳴らしているのです。
加えて、本書では定年後の住まいを中心に、
ライフスタイルの提示もなされています。
ただ、いずれの生活も公的年金だけを頼りにしていては、
豊かな生活は送れないというのが結論です。
『レストランに食事に行ったり、頻繁にライブに出かけたり、
エンターテインメント施設で遊んだり、流行のファッションを追いかけたり
といったライフスタイルは、どこに住んでいようとできなくなる』
森永氏はこのように指摘しているのです。
あなたとあなたの大切な家族が上記のような、
豊かな老後生活を描いているのであれば、
公的年金とは別の収入源を自ら作るしか、それを実現する方法はありません。
それを実現できる投資先こそが、不動産投資です。
たとえばローンのない都心のマンション3戸を所有すれば、
公的年金のほかに、毎月15万円から20万円程度の
家賃収入を得ることができます。
投資用マンションの購入にあたっては、
ローンを活用することができます。
そのローンの返済は家賃収入を活用して返済してくことができるので、
早くはじめればはじめるほど資産形成には有利に働きます。
ただ、不動産投資だからといって、
全ての不動産が老後生活の支えに向いているわけではありません。
何よりも、将来にわたり賃貸需要が見込める立地、
具体的には東京23区の物件を選ぶことです。
森永氏は2003年に「年収300万円時代を生き抜く経済学」を出版しました。
当時は批判もあったそうですが、いまや全世帯のうち、
年収200~300万台が最も多い層となっています。
そして、今度は年金受給額について、衝撃的な試算を明らかにしました。
本当に年金13万円時代が来るかどうかはわかりませんが、
年金の支え手が少なくなる以上、
いまよりも将来の年金受給額が厳しくなる状況は避けられないでしょう。
だからこそ、現役世代のいまのうちから、
将来の老後に備えて準備を進めてみてはいかがでしょうか。
日本財託 マーケティング部セールスプロモーション課
横尾 幸則(よこおゆきのり)
◆ スタッフプロフィール ◆
埼玉県大宮市出身の34歳。
マーケティング部で、セミナーやHPの運営、メールマガジンの執筆や広報活動を通じて東京・中古・ワンルームの魅力を多くのお客様に伝える。
たまたま通い始めたボルダリングのジムが、
五輪銀メダリスト・野中生萌選手のクライミングはじめの地でした。
地元も我が家に近いのでご縁を感じながら壁を登り落ちしています。