管理解約で高額な違約金も!?不動産投資を始める前に知っておきたい管理代行契約
2022/02/17
『管理解約に伴う違約金が家賃の半年分』
いまマンション購入後の管理代行契約の解約トラブルが増えています。
多くの賃貸管理会社では違約金はあったとしても、
適正な金額を設定していることが大半です。
ただ、一部では管理解約を防止するために、高額な管理違約金を設定。
管理契約の解除に関するご相談が寄せられているのです。
管理契約に不満があっても、高額な違約金がネックとなり、
賃貸管理会社を変更することができない状況になってしまっているケースも
珍しくありません。
そこで今回は、実際にお客様からご相談があった事例をご紹介しながら、
改めて不動産投資を始める「前」に知っておきたい
管理代行契約の落とし穴について解説していきます。
1年ほど前にご相談いただいたオーナーAさんの事例をみてみましょう。
Aさんは都内に築年数の浅い中古ワンルームマンションを購入。
特に深く考えることなく、そのまま購入した不動産会社と管理代行契約を締結しました。
その後、高額な管理代行手数料や空室期間の長さ、
そしてレスポンスの悪さを理由に当社への管理移管を検討されたのです。
ここで問題となったのが、管理契約の解約時に発生する違約金です。
管理代行契約書を見せていただくと、
契約を解約するためには、なんと賃料の半年分もの違約金を
支払わなければならない旨の記載がありました。
管理移管を検討していた部屋の当時の賃料が82,000円だったので、
額面通り支払うのであれば、約50万円もの大金を支払う必要がありました。
Aさんは管理の解約にあたって違約金が発生すること自体を知らず、
非常に後悔をされていました。
当社としてもAさんが賃貸管理会社と交渉できるよう、アドバイスを尽くしましたが、
契約書があることを盾に議論は平行線。
半年ほど交渉を重ねましたが、
管理を移管することはできませんでした。
Aさんの事例に限らず、一部の賃貸管理会社では違約金の額を賃料の数カ月、
場合によっては今回のように半年以上も設定されていることもあります。
また、賃貸管理会社の変更に伴う管理解約だけでなく、
投資用不動産を売却する際にも、管理解約の違約金の支払いは必要になります。
不動産を売却するということは、管理契約も終了することになるので、
違約金がかかってくるのです。
売却先が不動産会社であれば、違約金相当額を負担してくれるケースもありますが、
仲介で不動産を売却する際には、新オーナーが負担することはないので、
違約金の支払いは必要になります。
このように高額な管理解約の違約金は
将来の売却までも見据えたものとなっているのです。
また、管理解約を防ぐために、高額な違約金を設定する以外にも、
管理代行契約の解約通知書を送っても、部署をたらい回しにされたり、
不必要な公的書類の提出を義務付けたりしている不動産会社もあります。
こうした管理解約に関するトラブルは法的な措置をもってしても解決することが
難しいのが実状です。
一方で、初めて投資用不動産を購入された方の多くが、
管理代行契約書の内容をそれほど気に留めていないように感じます。
ご相談を受けて私たちが管理代行契約書を拝見させていただき、
初めて問題に気づくことも珍しくありません。
管理解約の違約金は一般的には家賃の1ヶ月分です。
当社では原則として1年以内の管理解約に限って、違約金が発生する形をとっており、
最大でも月々の「管理手数料」の12か月分となっています。
たとえば月額管理手数料が3,300円で、
半年間で解約した場合、残りの6ヶ月分にあたる19,800円(3,300円×6ヶ月)の違約金をいただいており、1年経過後は違約金の発生はありません。
不動産投資においては物件選びと同じくらい重要な賃貸管理会社選び。
だからこそ、投資用不動産を購入する前、管理委託契約を結ぶ前の段階で、
提供されるサービス内容だけでなく、
解約時の条件もよく確認することを強くおすすめします。
日本財託管理サービス 管理受託部受託課
土居 巧(どいたくみ)
◆ スタッフプロフィール ◆
大分県大分市出身の38歳。
管理受託部でオーナー様が抱える空室や滞納など、
賃貸管理のお悩みについて相談窓口を行っております。
今でこそ不動産会社に勤めていますが、実は元テニスコーチ。
その伝手を生かして、月に1度は現役コーチたちとテニスで汗を流しています。