世界一利用者の多い新宿駅の再開発だけではない!『ターミナル駅』と『沿線』の再開発に期待される相乗効果とは
2022/04/28
13日、京王電鉄とJR東日本が共同で
『新宿グランドターミナル構想』に関するリリースを発表しました。
地上19階・地下3階のビルと地上37階・地下6階のビルが建設され、
両ビルが甲州街道を横断する歩行者デッキでつながるという壮大な計画です。
京王電鉄は、大規模な新宿駅の再開発のほかにも線路の高架化を軸に、
沿線の再開発を積極的に行っています。
今回のコラムは、新しく生まれ変わろうとしている新宿駅周辺と京王線沿線の現状を紹介しながら、
東京だからこそ期待できる再開発の相乗効果についてご紹介します。
新宿駅は世界一の利用者数を誇るビッグターミナルです。
これまでは東西への移動がしにくい構造で、
駅を囲むように立ち並ぶ高層ビルは老朽化が進んでいました。
そこで、2018年に発表された計画が『新宿グランドターミナル構想』です。
古くなった駅ビルの建て替えを契機に、
新宿駅と駅前広場、駅ビルを一体的に再編し、新宿全体の活性化を目指す計画です。
そのなかで京王電鉄は、京王線新宿駅の上部に位置する北街区と
甲州街道を挟んだ南街区に分かれて開発を進めていく予定です。
まず2023年から28年までを目安に進める南街区では、
地上35階、高さ225mの超高層ビルが建設予定で、
オフィスや商業施設、さらに高層階にはホテルと様々なテナントが入居する予定となっています。
メインとなる北街区では、延べ面積は約14万1500平米、
地下3階・地上19階建てのビルが建てられ、こちらも店舗やホテルが入居予定です。
また京王電鉄では、新宿駅周辺の再開発に先駆けて、
笹塚駅から仙川駅までの約7.2㎞の区間で高架化工事が進んでいます。
区間内の25か所の踏切をなくすとともに、
側道の整備や駅舎のリニューアルを図り、利便性を高めることを目的としています。
特に一部の踏切は、いわゆる"開かずの踏切"として人々の交通を分断しているため、
こうした取り組みによって、駅へのアクセスが向上することが期待できます。
また、高架化は単純に交通の便を良くするだけではありません。
東京では、利便性の高い土地はすでに商業施設や住宅、オフィス等で利用されています。
そこで、線路を高架化することで、新たに利用価値のあるスペースを生み出し、
街を活性化しようとするものです。
その最たる例として先月末、井の頭線の下北沢駅では渋谷方面に向かう高架下に、
飲食店やアパレルショップなどが入居する『ミカン下北』がオープンしました。
5区画に分かれたスペースのなかには、『遊ぶ』だけではなく、
『働く』をサポートするためのコワーキングスペースも入居しています。
このように東京の再開発の特徴は、ビッグターミナル駅の再編にとどまらず、
その沿線も再開発が進み、相乗効果が期待できることです。
たとえば、同じくビッグターミナル駅の渋谷駅では、
これまで渋谷スクランブルスクエアなどの超高層ビルが開発され、
現在も駅のすぐそばでは工事が続いています。
そんな渋谷駅から横浜方面に電車を走らせる東急電鉄は相鉄と協力し、
来年2023年3月に『相鉄・東急新横浜線』の開通と、20年ぶりの新駅『新綱島駅』を開業します。
東急線『新綱島駅』から相鉄線『羽沢横浜国大駅』を結び、
途中駅には新幹線が停車する『新横浜駅』も経由します。
これにより新線を経て、渋谷への人の流入はさらに見込めることでしょう。
また同様に、駅周辺の再開発が進む池袋駅でも、
副都心線の新駅『東池袋駅』の開発構想が進んでいます。
これは候補地周辺に、大学の新キャンパスの開校や豊島区役所の移転、
複数の高層マンションの建設などが予定されていることが後押しとなっています。
このようにビッグターミナルの再開発と沿線の再開発のどちらか一方だけではなく、
双方が相乗効果を発揮し、新たな魅力を生みだすことで、
沿線の賃貸需要はより高まっていくはずです。
不動産投資は、物件自体に対する投資はもちろんですが、
物件が所在する都市や街への投資でもあります。
投資をしたエリアの魅力や利便性が高まれば、
長期にわたって安定した家賃収入を得ることもできますし、
資産価値を維持し続けることも可能です。
この点、東京は成長、発展し続ける世界でも有数の大都市です。
投資を検討する際には、物件の価格や利回りだけでなく、
都市の成長性についても、あわせて検討されてみてはいかがでしょうか。
日本財託 マーケティング部セールスプロモーション課 村嶋 直樹(むらしまなおき)
◆ スタッフプロフィール ◆
静岡県御殿場市出身の35歳。
マーケティング部セールスプロモーション課でセミナーやHPの運営、メールマガジンの執筆や広報活動を通じて東京・中古・ワンルームの魅力を多くのお客様にお伝えすることを使命としています。
以前5年ほど住んでいた京王線『国領駅』周辺も大小さまざまなマンションが立ち並び、駅前にはスーパーや飲食店があり住み心地が良かった印象です。心残りなのは『ドンブラボー』というイタリアンの有名店に足を運べなかったことです。