当社では、年間約6000名の新しい入居者様と
賃貸借契約を締結しています。

募集にあたっては賃貸仲介会社のネットワークを駆使して、
入居希望者をご紹介頂いております。

一方で、お部屋探しの方法やニーズは多様化しており、
店舗に訪問することをせずに、ネットで物件を決めて、
契約するために仲介店舗を訪れるという方も増えてきています。

そのため、空室の早期解消を実現するためには、
従来の賃貸仲介会社のネットワークに頼るだけでなく
新しいルートの開拓も今後ますます重要になってきます。

そこで、当社では今まで活用しきれていなかった社内外のネットワークを総動員して、
入居希望者との直接の接触機会を増やしています。

今回のコラムは、1日でも早く空室解消するための新規ルートの開拓を
事例と共にご紹介します。

当社では、入居者募集するための施策として、
従来の賃貸仲介会社のネットワークに加えて、
現在、3つの新規ルートの開拓に取り組んでいます。

１つ目のルートは管理物件の入居者様です。
当社が管理する物件にお住いの25,000人あまりの入居者様の中には、
住み替えを検討される方も一定数いらっしゃいます。

そこで、賃貸契約が終了する4か月前に、
契約更新の意向調査を実施しています

契約を更新しない方、または検討中という方にはこちらから連絡。

引き続きお住まい頂けるように、
生活でお困りごとがないかを伺い、その解消に努めています。

ただ、やむを得ない事情で引っ越す場合には、
移転先候補が当社の管理エリア内であれば、お部屋探しをサポートして、
管理物件内での住み替えにつなげています。

先日も更新契約の確認から、
住み替えにつなげることができました。

入居者のAさんのアンケート用紙の退去理由欄には、
『騒音問題』にチェックが入っていました。

ただ、電話で状況を確認したところ、
実は真の退去理由は騒音ではありませんでした。

会社規定により、会社最寄り駅から２km圏内であれば、
3万円の家賃補助が出ることになったので、
会社に近い部屋に転居する意向だったのです。

Ａさん自身には退去理由欄で、
「騒音問題」にチェックを入れた認識はないようでした。

ちょうどそのタイミングで希望条件にあった物件が空室になり、
ご案内をしたところ、管理物件内の住み替えにつなげることができたのです。

会社にも自転車で通うことができる距離で、
以前よりも広くて新しいお部屋に住み替えられたので、
Aさんはとても喜んでいらっしゃいました。

また、ワンルームにお住まいになる入居者の
知人・友人は同年代の単身者であることがほとんどです。

そこで、本人の住み替え意向の確認だけでなく、
引っ越しを検討している方がいないか確認し、
ご紹介を頂けるようお声がけするようにしています。

２つ目のルートは『法人との提携』です。

定期的な人事異動がある官公庁や
学生需要を取り込むため専門学校、大学などを訪問して、
入居希望者を斡旋いただく提携関係を作っています。

ある専門学校のオープンキャンパスでは、
遠方から参加している高校生とその保護者に、お部屋探しをサポートする旨の
当社オリジナルパンフレットを学校経由で配布。

学校近くにある当社の管理物件に入居できるイメージを持ってもらうことで、
合格後にお部屋を探される場合に、当社をご指名頂くようアピールしています。

法人との提携強化は、まだ始めたばかりですが、
累計100件以上の企業・学校・団体に訪問し、
まずはチラシを設置させてもらうところから関係を深めています。

今年の2月に、『おもてなし規格認証』を取得したことも、
社員満足度を意識する法人との提携の後押しになっています。

おもてなし規格認証制度とは、
経済産業省が創設したサービス事業者のサービス品質を
「見える化」するための制度です。

3段階の規格認証が設けられており、
当社は賃貸管理会社として初めて「★★（紺認証）」を取得しました。

『独自の創意工夫が凝らされたサービス提供者』として
認証されていることが法人だけでなく、
入居希望者に対しての安心感にもつながると考えています。

最後のルートは、
アルバイトも含めれば300名を超える日本財託グループの全従業員です。
引っ越しに伴うお部屋探しは人生で何度も経験するものではありません。

だからこそ、
「部屋を探すのであれば、信頼のできる人にお願いしたい」
と考える方も多いはずです。

定期的に社内に呼びかけをすることで、
賃貸募集や管理に携わっていない社員からも、
ご家族や友人・知人の紹介を数多く受けています。

こうした取り組みに加えて、
最近では、新卒社員含む入社3年目以内の社員でチームを作り、
いわゆるマンモス大学の新入生向けに街頭ヒアリング調査を実施。

これにより、私たちが気づいていないニーズや接触機会を明らかにして、
新規ルートの開発に活かす取り組みをはじめています。

従来の賃貸仲介会社のネットワークを基盤として、
どのような外部環境であっても、早期に空室を解消できるよう、
これからも入居者を獲得するための新しいルートを開拓していきたいと思います。

日本財託管理サービス　カスタマーサクセス部リーシング課
酒井　貴文（さかいたかふみ）

東京都大田区出身の46歳。

ＣＳ部で、お部屋探しをするお客様をご案内したり、
入居希望者に出会うための新規ルートづくりをしています。

好きな球団は『東京ヤクルトスワローズ』
最近は試合の勝ち負けよりも高津監督のマネジメントに興味があります。
個々の選手にチャンスが与えられて成長している様子をみて、
ますます応援に熱が入っています。