投資する前に知っておきたい!「東京」「大阪」の賃貸市場で決定的な差は家賃にあり!
2022/08/04
『関西出身で土地勘がある大阪で検討したい』
このように関西圏の方であれば、
大阪での投資を検討される方も多いのではないでしょうか。
実際、当社でも大阪と東京を比較検討しているお客様から
相談を頂くことがあります。
価格だけをみれば大阪の物件は総じて東京よりも低くなっており、
お買い得に見えるかもしれません。
しかし、東京と大阪の決定的な違いは『賃貸マーケット』にあります。
そこで今回は、日本の二大都市圏の中枢である東京と大阪の、
中古ワンルームマンション投資を取り巻く環境から、
はじめる前に知っておきたい「賃貸マーケット」の違いについてお伝えします。
ひとつ目は家賃相場です。
LIFULL HOME'Sのデータ(2022年8月3日時点)で、
間取りがワンルーム・1K・1DK、専有面積20~25平米の
単身向けマンションの家賃相場を比較してみます。
東京23区では、最高額が港区の11万2,300円。
次いで、10万円台で千代田区、中央区、渋谷区、目黒区
新宿区、文京区、台東区が9万円台で続きます。
7~8万円台の区が多く、一番低い葛飾区でも7万900円です。
その一方、大阪24区では最高額が中央区の6万3,000円。
他、6万円台は福島区のみで、ほとんどの区が4~5万円台、
一番低い住吉区は4万3,100円です。
家賃相場は時期によっても変動は生じますが、
総じて、東京のほうが1戸から得られる収益額が高い傾向があると言えます。
一方で、所有中のランニングコストにはほとんど地域差はありません。
分かりやすいのは、エアコンや給湯器といった設備交換にかかる費用です。
これらの費用は東京であっても、大阪であっても変わりません。
入居者が退去した際の原状回復工事費も、
共用部の維持に必要な管理費、大規模修繕工事にかかる費用なども同様です。
お部屋の広さや建物構造が同じであれば、
オーナーが負担する費用はほぼ変わらないのです。
つまり、家賃収入に占めるランニングコストの割合が
大きく異なるという点に留意する必要があります。
ちなみに、賃貸の商習慣の違いによる収入差もあります。
東京であれば、一般的に更新料を設定することができ、
入居者が住み続けてくれるなら、2年に1度、
更新料を受け取ることができます。
かたや大阪では、更新料を設定する賃貸借契約は行わないのが一般的です。
ふたつ目の違いは築年の経過による家賃水準の推移、
つまり家賃下落率です。
2005年から2020年に賃貸成約事例があった
専有面積30平米未満のワンルームマンションに関する
東京カンテイのデータを見てみましょう。
新築時を100%とした際、
築年数の経過によって築15年前後で90%に到達するのは、
東京でも大阪でも変わりません。
ただ、これ以降になると推移が異なってきます。
東京では、築20年以降は新築時の80%程度で、
家賃水準の下落は底打ちとなります。
築30年、40年と経過しても、家賃の水準に大きな変動はありません。
一方、大阪では築30年頃まで家賃下落が続き、
新築時の65~70%程度まで低くなって、その後は下げ止まるという推移です。
別の見方をすれば、家賃を下げないと次の入居者が決まらないという状況が、
大阪のほうがより長い期間続く可能性があると言えます。
ましてや前述のように、もともとの家賃水準自体が、
東京のほうが高いですから、得られる実収入の差はより大きくなると見込まれます。
では、なぜ同じ都市部への投資にも関わらず、
相場家賃の額と家賃下落率がここまで異なるのでしょうか。
背景には、圧倒的な経済規模の違いと、
それに裏打ちされた若者人口の流入があります。
都道府県単位のGDPである
都内(府内)総生産の額は、大阪府41兆2千億円に対して、
東京都はその約3倍の115 兆7千億円にのぼります。
また、令和3年賃金構造基本統計調査によると、
東京都の平均給与額が585万円で、
大阪府は全国のなかでは上位ですが511万円にとどまります。
このように経済活動の活発さが、雇用に反映され、
魅力的で高い給与が得られる仕事を求めて、全国から若者が集まってきます。
昨年1年間の転入超過数のデータから、
15歳~29歳の若者人口の動きを見てみると、
大阪市では、昨年1年間で17,384名の転入超過であったことがわかります。
一方、東京23区では大阪市よりさらに若者世代が集まってきており、
65,234名の転入超過です。
ワンルームの入居者層となる
若者人口の吸引力でも約3倍の違いがあると言えます。
東京は単身者の賃貸需要が高いからこそ、
結果として家賃水準も下がりにくいのです。
このように価格や利回りの数字だけでは見えてこない、
市場環境という要素は、簡単に変えることはできません。
例に挙げた大阪に限らず、どんな場所であっても、
環境の違いやリスクを織り込み、物件を厳選すれば、
収益を得ることができるかもしれません。
しかし、適切な物件を選ぶための目利き力が必要になりますし、
購入後の賃貸経営も楽ではないでしょう。
会社員として働きながら、
そのための労力や時間をかけることは困難です。
東京のワンルームマンションであれば、忙しいサラリーマンであっても
無理なく長期にわたり安定的に家賃収入を得ることができ、
堅実な資産形成が可能です。
物件を選ぶ際には、価格や利回りだけでなく、
物件の所在するエリアの賃貸マーケットの動向もご確認いただければと思います。
日本財託 マーケティング部セールスプロモーション課
横尾 幸則(よこおゆきのり)
◆ スタッフプロフィール ◆
埼玉県大宮市出身の34歳。
マーケティング部で、セミナーやHPの運営、メールマガジンの執筆や広報活動を通じて東京・中古・ワンルームの魅力を多くのお客様に伝える。
先日、妻がやっているパン工房で2日間の催事に出店しました。
残念ながら来客層を見誤り、2日目には大幅に値引きすることに。
投資と同じくマーケットを正しく把握することの大切さを痛感しました。