一歩間違えれば不要な出費も!?365日質の高い管理でオーナー様の資産を守る!
2022/09/08
今年は3年ぶりとなる行動制限のない夏でした。
遠方へ出かけるなどして長期休暇を満喫した方も多いのではないでしょうか。
一方、賃貸管理の現場では設備の故障や入居者からのご要望など、
入居中のトラブルに「休み」はありません。
トラブル発生時に何より重要なのは初動対応です。
最初の対応を間違えると、
本来オーナー様に必要のない出費が降りかかってくることも考えらえられます。
賃貸管理会社である当社では、長期休暇中も担当部署のスタッフでシフトを組み、
順番で休みを取得しながら、同時に緊急対応もしております。
こうした柔軟な対応ができるのも、
スタッフ一人一人が豊富な知識と経験を持っているからです。
今回は今年のお盆期間中に発生した漏水案件を例に、
不動産投資における管理の重要性と当社の質の高い賃貸管理についてご紹介します。
「昨晩の修理の際、鉄管がもろくなっていたため漏水しました」。
お盆真っただ中の8月14日、協力会社から連絡がありました。
当社管理物件のキッチンの水回りを修理する際、
止水栓を閉めたところ、給水管が劣化していたため破損。
継ぎ目に裂け目が生じ、漏水してしまったそうです。
一次対応として協力会社が止水テープを巻き、漏水箇所のビニールにて養生。
加えて、共用部の通路から非常階段までビニールで「水路」をつくり、
漏れ出ている水を逃がしている状況でした。
漏水はマンションの建物全体にも影響を与えてしまう場合があり、
そうなると多額の賠償が発生する恐れがあります。
今回、協力会社がすぐに適切な処置を行ったため、被害は拡大せずに済みました。
ただ、入居者が養生につまずいたり、漏水した水で転んだりしてしまうと、
賠償問題に発展しかねません。
加えて、建物管理会社や管理組合、オーナー様などに報告するための資料として
写真も必要です。
協力会社による修繕の際、基本的に現場の写真は撮ってくれますが、
担当者によっては引きでとっていたり、施工前後の数枚の写真のみだったりします。
それでは、関係者に分かりやすく説明する資料としては不十分となってしまいます。
そのため、協力会社には共用部へのパイロンの設置や注意書きの掲示のほか、
充分な数の写真撮影をお願いしました。
実は、今回のケースでも念入りに写真を撮影してもらったことが後々になって
役に立つことになりました。
漏水事故で問題となりやすいことは、破損箇所が共用部なのか、専有部なのかという点です。
共用部であれば、修理代金は管理組合の負担となりますが、
専有部であればオーナー様のご負担となります。
今回の場合、損傷箇所は建物全体に水を供給する「一次配管」と、
そこから水道メーターを通って部屋の蛇口へとつながる「二次配管」の境目である「分界点」近くとなる部分でした。
分界点付近でのトラブルは、管理組合の円滑な運営のため支出を抑えたい
建物管理会社側と揉めることが少なくありません。
場合によっては、管理組合からオーナー様に修理費用の請求が
なされてしまう可能性があります。
オーナー様に不必要な負担を強いてしまわないため、
賃貸管理会社としては正確な知識の習得と交渉力が求められるのです。
今回の漏水による破損箇所は一次配管側で「共用部分」でしたので、
修理代金は管理組合負担となります。
そのため、協力会社に指示を出した後、すぐに建物管理会社へ連絡をしました。
しかし、担当者が夏季休暇で即断できないとのこと。
担当者に休み明けすぐに連絡をしてもらえるよう、依頼しておきました。
そして数日後、建物管理会社の担当者から連絡があり交渉を再開。
この際に効果を発揮したのが、漏水事故時に念入りに撮影した写真です。
仮にスタッフが休暇中で、協力会社任せで報告を受けるだけであったら、
主張に必要な写真が揃っておらず、交渉にも時間がかかった可能性があります。
こうした現場で撮影した写真やマンションごとに作成している「管理規約」などをもとに、
修理費用は管理組合側で負担を頂くよう丁寧に説明します。
その結果もあり、管理組合負担で修理を行うことで合意をすることができました。
今回のケースでは比較的スムーズに問題が解決しましたが、
設備の不具合の原因が共用部にあるのか、専有部にあるのかがはっきりとしなかったり、
該当箇所について管理規約などにも規定がなかったりして、
建物管理会社と議論となる場合も数多くあります。
その場合、根拠となる証拠を積み上げながら、社会通念上の観点から
どちらが負担することが妥当か、慎重に理論を展開する必要があるのです。
また、設備関係以外にも専門知識が必要とされる場面もあります。
例えば、入居者様がお亡くなりになった場合は相続の権利関係の知識が必要です。
相続人をきちんと特定せず、親族から言われるがまま賃貸借契約の解約手続きや
お部屋の残留物の処分などを進めてしまうと、
相続人から思わぬクレームを受けてしまうかもしれません。
区分マンションの賃貸管理会社としては、こうしたトラブルで
いかにオーナー様のご負担を減らすことができるかが「腕の見せ所」の一つになります。
創業32年、25,000戸以上を管理している当社では
こうした管理ノウハウの蓄積や各スタッフの自己研鑽はもちろん、
賃貸管理に関係する各種法令やトラブル解決事例などのポイントを
定期的に共有しレベルの底上げを図っています。
こうした地道な積み重ねを続けているからこそ、
的確なトラブル対応が可能となるのです。
今後もスタッフ一同、オーナー様の大切な資産を守り、
日本でいちばん信頼される賃貸管理会社を目指していきたいと思います。
日本財託管理サービス 管理部管理課
菊田 修史(きくたしゅうじ)
◆ スタッフプロフィール ◆
茨城県土浦市出身の36歳。
管理部管理課で、室内設備不良の修理受付をはじめ、漏水や騒音の様な住戸間のトラブルを対応。快適な住環境の維持のため、入居者のお困り事の解決を行っています。
7月から管理職となり、お客様対応をしながらもメンバーをまとめる立場に。リーダーシップをとることの難しさを痛感しながらも、日々奮闘中。